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論文「Usefulness of Measuring Serum Amyloid A Concentration in Japanese Black Cattle in Clinical Practice」

黒毛和種牛の臨床例において、SAAを測ってみました!という論文。
https://www.mdpi.com/2306-7381/10/8/528

SAAとは、急性期蛋白質の一種で、炎症のマーカーとして使われています。
小動物領域では、普及しているイメージです。(主に猫ちゃん?)
私が実習していた、大学の動物医療センターでは、目にする機会はかなり多かったです。

近年は、SAAを牛で測定する試みがなされているようですね。

この報告の中で、個人的に強く興味をもったのは、こちらの結果&グラフ。

Compared with the SAA concentration (41.5 ± 52.8 mg/L) of the cured group, the SAA concentration (84.4 ± 108.2 mg/L) of the deceased group was significantly higher (p ≤ 0.05) .

治癒牛群と比較して、死亡牛群で有意に高いSAA値を示した!とのこと。
つまり、予後診断に有用である可能性が示唆されています。

私達は、臨床症状や血液検査で、予後を診断しています。
しかし、治ると思って休薬をガッツリ設けて治療していたのに、急に死亡する牛も、稀にいます。
(もちろん治療を始める前に、オーナーさんに対して、インフォームドコンセントはしますが)
そういった症例に対して、SAAを測定する意義があるんじゃないかなと思いました!

早く、うちの診療所で測定できるようにならないかな。
(コストって、どんなもんなんだろう笑)

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