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自由研究のヒント

犬は間欠捕食者:フードを与えられたら1度に食べきり、次のごはんのタイミングまで食べなくても平気

猫は少量頻回捕食者:1日のうち何度もちょこちょことフードをを食べる

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犬と猫はメジャーなペットですが、実は習性や食性などがかなり違う生き物です。
今日は猫の食事の特徴について紹介してみたいと思います。

猫は厳格な肉食動物で、獲物の肉に由来するような多くのタンパク質を必要とします。そして一人で狩りをする単独捕食者です。
一方、犬は肉食の強い雑食動物です。人間は犬ほど肉食性が強くありませんが雑食動物ですね。そして犬の祖先は群れで獲物を捕らえて暮らす群捕食者でした。群れを作ることは大きな獲物を捕らえやすくなる反面、それだけ大きな獲物を毎回捉える機会は少なく、食事と食事の間があくのが自然に近い食事の仕方です。
家畜化した今も、1日2回の食事で全量平らげ、次のご飯まで数時間あく場合が多いでしょう。

これを間欠捕食者と呼びます。オオカミは獲物が余ると地中に埋めて保管しますし、すこしくらい獲物の肉が腐っても食べます。この地中に食べ物やお気に入りのおもちゃを埋める習性は犬にも残っています。

しかし猫は単独捕食者であるため、大きな獲物を捕らえるのは難しく小さな獲物(例えばネズミ)を1日のうちに何度も捕らえて食べます。
これを少量頻回捕食者と呼びます。
与えたフードも一度に食べきらず、またしばらくして食べに戻ってくるいわゆる”だらだら食い”する猫も多いのですが、こうした野生での習性と照らし合わせると正常な行動です。私自身も猫を飼っており1日に2回フードを与えています。一度に食べきりませんが、次のごはんの交換のタイミングまでフードは片付けず、猫たちが好きなタイミングで食べられるようにしています。

たまに一度に食べきらず残してしまったフード は毎回片付けるという方もいらっしゃいますが、猫ちゃんは少量頻回捕食者なので次のご飯まで片付けずに出したままにしてあげることをおすすめします。注意点としてウェットだと夏場は腐敗してしまう可能性があるので、ドライフードのみこうした給餌方法ができます。

また、猫は獲物の肉を新鮮なうちに食べるのでネズミなどの体温くらいの肉を好みます。私たち獣医師も、病気などで食欲のない猫ちゃんにはウェットフードを人肌程度に温めて食べさせることがあります。

参考文献
『臨床栄養学』左向敏紀、阿部又信、大島誠之助、徳本一義、百田豊、森昭博

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。