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夏は柴犬の毛は抜けるのに、プードルは抜けないのはどうして?

自由研究のヒント

柴犬は夏になったら毛がたくさん抜けるのにプードルは抜けないのはどうして?

→犬種によって毛周期(成長期・退行期・休止期)の長さが異なるから!プードルは成長期が長いから夏でも毛が抜けずに長くなるよ。柴犬などは休止期の割合が多くてサイクルが短いから毛が定期的に生え変わるよ。

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人や犬猫の毛は毛周期という一定の周期を繰り返しています。
毛周期は下記の3期に分けられます。
・成長期:毛が伸び続ける時期。
・退行期:毛根が退行する時期。
・休止期:成長せずその場にとどまる時期。同じ毛包に新しい毛が生えてくると毛は抜けます。

毛周期のうちの成長期が長い犬種は季節による換毛(毛が生え変わること)が起こりにくく、ある程度の長さまで毛が伸び続けることが知られています。成長期が割合が多かったり周期が長いために毛の生え変わりが少なく毛が長くなる犬種としてはプードルやシーズーなどが挙げられます。

柴犬などの日本在来犬種は、通常は1年に2回ほど換毛します。毛周期がプードルなどより短く、毛が抜けるタイミングである休止期の状態の毛の割合がお多いため換毛が起こります。換毛は光の刺激や温度湿度のほかホルモンや栄養の状態で調整されています。


犬は休止期の割合が多い犬種と、成長期と休止期が同じくらいの犬種に分かれていると言われます。
ラブラドール・レトリーバーは休止期の毛の割合が多い犬種ですが、過去の研究では夏と冬でその割合は統計的に差はありませんでした。毛を刈って元の長さに戻る期間を調査したものでも夏と冬で差はないとのことでした。

季節や気温で換毛期があったり決まるのではなく、もともとの品種の毛質によって換毛がある犬種とない(少ない)犬種が決まるのだと思われます。

参考文献:
百田 豊 (2012) 『痒いところに手が届く皮膚病の検査- 被毛と毛周期に関する基礎知識』, ペット栄養学会誌,15(2):104 - 110

『獣医内科学 小動物編』(文永堂出版)

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。