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アユ はどうやって藻を消化しているの?

あゆ

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哺乳類の草食動物は微生物の力を借りて植物を消化しています。それでは草食性の魚はどうやっているのだろう?と調べてみました。博論で調べた方がいらっしゃいました。大変勉強になりました。


藻を食べるアユは植物性の魚だよ。草食動物の哺乳類は消化管の微生物にセルロースなど植物の繊維を消化してもらっているよ。アユも大部分の植物を微生物に分解してもらっているのかな?
A 消化管の微生物の助けによって分解している
B 大部分は自分の酵素で分解している
答え:B
アユ は体長の0.7倍くらいで草食性の生物としては短い腸を持っています。消化管内部の細菌はアユが食べたものの7%ほどを分解していますが、牛や馬とは違って細菌が作り出した物質(乳酸など)はアユの栄養としてほとんど利用されないことから、消化管内の細菌の助けをほとんど借りずに、自前の酵素による消化のみで成長に必要なエネルギーを得ていると考えられます。アユは毎日10.2~15.3キロカロリーのエネルギーを含む藻類を食べており、そのうち7.6~11.4キロカロリーが体を動かしたり成長させたりするエネルギーとして体内に取り入れていることができていると推測されています。
参考:アユ消化管の構造と機能の部位間比較,平成26年度 石巻専修大学 大学院 理工学研究科 博士後期課程 生命環境科学専攻 , 博士論文, 小松 仁

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。