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食後の激しい運動で犬に起こりやすい低血糖!?

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自由研究のヒント:
ごはんを食べた後は血糖値が急に上がるよ!
それを下げるためにインスリン というホルモンが出てきて、また急に血糖値が下がるよ!
このタイミングで猟とか激しい運動をすると、ワンちゃんは低血糖になっちゃうことがあるんだ。

4時間ごとに軽食を食べさせようね♪
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食事と健康は人でも犬猫でもとっても大切なことで、密接な関係があります。
栄養素の中でも糖分はエネルギー源として非常に重要です。糖分に関して体の中では様々なホルモンが出て制御しています。インスリン というホルモンをご存知でしょうか?インスリン は余分な体内の糖分を細胞に取り込んで血糖値が高くなりすぎないようにし、貯蓄する方向に働くものです。糖分を食べると、インスリン もでてきて血糖値は下がります。

人の研究では、運動開始45分前に糖分を摂取してから運動をすると、運動後に血糖値が急に下がって低血糖になってしまったという報告があります。

また、犬でも食後に猟をした猟犬で低血糖と思われる意識障害を起こしていることが報告されています。
詳しい理由は言及されていませんが、おそらく食事による血糖値の上昇からのインスリン 分泌による血糖値の低下、そして激しい運動で糖分を使う量が増えたことが関係していると思われます。
食後すぐが最もインスリン の上昇の幅が大きいので、一気に低血糖になったのかもしれません。
解決策として、狩猟中など激しい運動中でも3〜4時間ごとにおやつなど軽食を与えることがおすすめされています。

もし意識が混濁してきたりといった症状が出た時はペットフードなどをペースト状にしたものを歯茎にすり込んで応急処置した上で動物病院に急行しましょう。

日本で飼われているわんちゃんで狩猟犬のように激しい運動をこなす子は多くないと思いますが、もしアジリティ競技会など参加する際は、食事後少し間をあけてから運動させることと、運動中も3~4時間ごとにおやつなど軽食を与えて低血糖を予防しましょう♪

参考:
Hand, M. S., Thatcher, C. D. Remillard, R. L., Roudebush, P. and Novotny, B. J. 2014. 小動物の臨床栄 養学 第5版(岩崎利郎・辻本元監修).pp. 1203-1205. インターズー,東京.

健常犬における経口糖負荷試験後の運動が糖・脂質代謝に及ぼす影響(2016) , 生野佐織・佐伯香織・秋山 蘭・小田民美・上田香織・丸山夏輝・森 昭博・左向敏紀 ペット栄養学会誌,第19巻(第 2 号):74 - 81,2016


犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。