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世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編②「ロイヤルコペンハーゲン」~

前回に引き続き「世界陶磁器めぐり」と題して、世界各国のさまざまな陶磁器をご紹介します。

今回はデンマーク産と言えば!な、「ロイヤルコペンハーゲン」です。

❖ロイヤルコペンハーゲンとは?

ロイヤルコペンハーゲンとは、北欧・デンマークの陶磁器メーカーであり、正式名称は「ロイヤル・コペンハーデン陶磁器工房 (The Royal Copenhagen Manufactory) 」と言います。コペンハーゲンはデンマークの首都にして同国最大の都市で、自治市の人口は81万人。「北欧のパリ」とも称されます。
「ロイヤルコペンハーゲン」は東洋の磁器に魅せられて創られた、デンマーク王室御用達のブランドです。


❖ロイヤルコペンハーゲンの歴史

興りは18世紀。
バルト海にあるデンマーク領・ボーンホルム島にて良質の鉱物・カオリンが発見されたことを契機に、1773年にフランツ・ヘンリック・ミュラーという人物が初の硬質磁器を完成させました。1775年にはデンマーク王室の援助により「王室御用達窯」に。さらに、1779年には民間企業だったロイヤルコペンハーゲンは「王立デンマーク磁器製陶所」となりました。このときには前回ご紹介したドイツのマイセンから技術者が集められたそうです。

1868年には王室の手を離れて再び民間企業になりました。このときの王室からの条件は「ロイヤル」の称号を残すこと。それから、紆余曲折を経て、2012年にはフィンランドの一般消費材メーカー・フィスカースの傘下となっています。


❖ロイヤルコペンハーゲンの特徴

ロイヤル・コペンハーゲンの特徴は、なんといってもすべて手描きによるコバルトブルーの絵付東洋の青い染付の影響を色濃く受けたスタイルは、創業から変わりません。

ブランドの象徴的デザインである唐草模様のパターンとレースの技術は繊細で格調高いものであり、世界中で愛されているのですが、特に日本では高い人気を集めています。1908年から100年以上、毎年続いているイヤープレート「クリスマスプレート」も人気です。

製品の裏側にはロイヤルコペンハーゲンのマークがしるされています。このマークは王冠と、青い波型の3本ラインで構成されますが、波型のラインはデンマークを囲む3つの海峡を、そして王冠は「王室御用達」を意味しています。


❖永遠の名作「フローラ・ダニカ」

最後に、ロイヤルコペンハーゲンを語るに欠かせない永遠の名作「フローラ・ダニカ」をご紹介。

「フローラ・ダニカ」
世界でいちばん豪華なディナーセット
とも賞されるフローラ・ダニカ。

1885年、デンマーク王室のフレデリック王子がロシアの女帝・エカチェリーナ2世に献上するためにつくらせたとされるディナーセットであり、「フローラ・ダニカ植物図鑑」より2600点もの植物をうつわに描き写す、という壮大なプロジェクトでした。

このプロジェクトは、絵付師のバイエルが12年の歳月をかけて、たったひとりで図鑑より模写を続けていたのですが、作品完成前にエカチェリーナ2世が他界したため、プロジェクトは中断。中断までに描きあげた植物は1802点でした。

この食器のオリジナル作品たちはローゼンボーグ城に保管され、現在もデンマーク王室の公式晩餐会で使用されています。


ロイヤルコペンハーゲン日本公式サイトはこちら。
販売も行っています。


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