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古伊万里

今回は「古伊万里」についてのおはなしです。

17世紀頃より、ヨーロッパの王侯貴族に愛された日本の「古伊万里」。
当時のヨーロッパの上流社会では中国磁器が愛されていましたが、明から清への王朝の移り変わりの際、ヨーロッパへの中国磁器の出荷の断絶が起こり、古伊万里は中国磁器に代わる最良の品として迎えられることとなりました。1659年の初めての輸出より約100年にわたって古伊万里は海を渡り、ヨーロッパに届けられたのです。


しかし!
いわゆる「伊万里焼」と「古伊万里」は、同じものではありません
大きな違いは、作品そのものに、骨董的価値があるかどうか?です。
江戸時代に現在の佐賀県有田町で焼成され、ヨーロッパにも輸出された歴史的・骨董的価値のある焼き物は、産地は有田であるものの、最寄りの伊万里の港から各地に出荷されたことから「伊万里から運ばれてきた磁器」、すなわち「伊万里焼」と呼ばれるようになります。
しかし、明治初期に焼き物を産地名で呼ぶようになったことから、現在の佐賀県伊万里市で焼成された陶磁器のことを「伊万里焼」と呼び、有田でつくられた骨董的価値のある伊万里焼を「古伊万里」として区別しています。

古伊万里は、海外では「オールドイマリ (Old Imari)」と呼ばれ、いまなお世界中に熱烈なコレクターが存在しています。

さらに混同しやすい「伊万里焼」と「有田焼」の違いについて。
現在では、佐賀県伊万里市内で製造されているものを伊万里焼佐賀県有田町で製造されているものを有田焼と大別しています。ただし、隣接するこの地域で作られている磁器を総称して伊万里・有田焼と呼ぶこともあるようです。



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