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うつわつくりの作業工程について vol.1~土づくり~

今回は、陶器の作業工程について。
一般的に「陶芸」というと、ろくろを回してかたちを整えていく工程がイメージされますが、てづくりの陶器は、その他にも様々な工程を経て完成するのです。

まずは「土づくり」
もちろん、土ものと言われるからには土が大事です。
工程を解説していきます。


①採土
焼き物に適した粘り気のある土(原土)を採取します。
土地によって成分はさまざまで、焼き上がりにも特徴が出てきます。
焼き物に向く土の条件としては「耐火性があること/1200℃以上の高熱に耐える事が出来る」、「可塑性があること/水を含むと粘り気を持ち成形しやすくなる」「収縮率が低い/完成時におよそ15%程度の収縮率が理想的」の3点が挙げられます。

②土の精製
土の中になる石やゴミを取り除く必要があるので、採取した原土を天日で乾燥させて砕きます。主に2つの手順があり、「水簸土・水洗い土」と呼ばれる方法では、甕のなかなどに水を貯め、原土を投入。泥水をつくります。出来上がった泥水をふるいにかけ、残った石やゴミは除去。1日置き、土を沈澱させ、この沈澱した土を練り上げて完成です。
もうひとつの手順は「ふるい土・はたき土」と呼ばれる方法で、固まった石のような土を砕き、粉末状になるまで潰します。小石などを除くためにふるいにかけ、ふるった土に少しづつ水を加えて練り上げれば完成です。

③素地土の作成
出来上がった素地土を、1ヶ月から1年ほど冷暗所で寝かせます。
バクテリアが繁殖して粘り気が増して水分や空気が均一になります。

④土練り
寝かせた土を練り、ムラを無くして空気を抜きます。こうすることで、土が柔らかくなり成形しやすくなるのです。土練りは体力がいる作業なので、趣味で陶芸を始めた方がぶつかりやすい壁とも言われています。


次回、「成形」を解説します。


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