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〔訳詩〕春 PAVASARIS
「春」 サロメーヤ・ネリス
春 –– –– ––
オリーブが歌いはじめる––
小川がふるえて––また生きる。
天空の春の泉で南の風が
雲の流氷を転がしていく。
春 –– ––
白樺の小枝と流れるのは
その緑がかった血––私の血だ。
そして自由の落ち着きのない不安が
風とともに草原を吹く。
白い雲の上を飛びおりると
それは川辺でやなぎとともにたわみ、
つばめとともに草原を飛びたつのは
その自由の落ち着きのない不安だ。
そして鐘が私に百回さけぶだろう––
いつも愛を、よろこびを––愛を、よろこびを––:
しあわせであれ、大地の兄弟よ!
こころのとんぼを飛ばせた––
道も小径もなく––草原を–– ––
それが自由の落ち着きのない不安だ。
出典
Salomėja Nėris, Rinktinė, LTSR Valstybinė Leidykla Kaunas, 1941
https://www.epaveldas.lt/preview?id=C1B0003056470
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