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読書の秋に――無料で本を読むいくつかの方法

こんにちは。読書の秋、ということで、読書関係の記事を書こうとしていたら早々に秋が終わりそうで焦っている者です。気温のことはおいといて、紅葉が散るまでは秋ということで押していきたい。

さて、読書の秋ということで本を読むのにチャレンジする方も増えるのではないかと思うのですが、近ごろ文庫本や新書も安くありません。また、ふだん本を読まない人にとっては、紙の束に1000円も出すのははばかられるかもしれません。

ということで今回は、読書の入り口としての役目を果たすべく、無料で本を読む方法をいくつかご紹介します。

①図書館

みなさんの街には、図書館はあるでしょうか。本を書いて生活をしている人がいるにもかかわらず、その本を無料で貸し出してしまうトチ狂った施設、それが図書館です。

図書館という存在が身近なせいで気が付きにくいですが、漫画や映画や音楽に「無料貸出」があまり存在しないことを考えれば、図書館はなかなか特殊な施設です。古い本しか貸し出さないならともかく、新刊も普通においてあります。

それだけでなく、購入のリクエストまで出すことができます(リクエストが通るかどうかは分かりませんが)。無料で本を読みたければまず図書館。テッパンです。

普段図書館に行かない人の図書館イメージがどんなものか、ちょっと僕には想像しにくいのですが、図書館は難しい辞書や学術書ばかりがおいてある場所ではありません。たとえば伊坂幸太郎、東野圭吾、有川浩といった人気作家の本や、ライトノベル、場合によっては漫画などもおいてあります。

他にも、最新刊は貸し出せない場合が多いですが、雑誌も図書館で読むことができます。それだけでなく就活生には『四季報』や面接対策の本、社会人には自己啓発書やビジネス書、TOEICの対策本がありますし、レシピ本、プログラミングの本、漫画の描き方指南書など、なんでもござれです。

また、古い本は別ですが、新しい本は変に汚れていることはありませんし、ウイルスが気になる人用に除菌ができる機械を設置している図書館もあります。新しくできた図書館はデザインもおしゃれで、大きいものなら内部にカフェやレストランを併設しています。

とまあ、冗談のように充実した施設が図書館です。もちろん人気の本は順番を待つ必要があるなどいくつかの制約はありますが、今まで図書館を訪れたことがない人は、ぜひ一度地元の図書館を訪れてみることをおすすめします。

②Prime Reading

Amazonでプライム会員になっている人は、Prime Readingというサービスを使っていくつかの本を無料で読むことができます。

プライム会員向けのサービスなので厳密には「無料」ではないですが、Amazonのプライム会員は配送料無料やポイントのたまり方を考えると実質無料みたいなものだと考えてもいいでしょう。特に学生は学割価格でかなり安くプライム会員になれるので、ちょくちょくAmazonを使う人ならなとりあえず登録しておけばお得です。

プライム特典の中でも、音楽が聞けるPrime musicや映画が見られるPrime videoは使っている人が多いのではないのかと思います。Prime Readingについてはいかがでしょう。

使ったことがないという人は、まずPrime Readingの対象書籍に何があるか覗いてみましょう。正直どこに需要があるのかわからないような書籍もたくさんあるのですが、雑誌や小説、漫画など、それなりに多くの数の本がPrime Readingに入っています。『BRUTUS』なんかも読めますよ。

特に、自己啓発本やビジネス書が何冊か読めるのがセールスポイントです。社会人の方は資金力があるのでいいかもしれませんが、就活を控えた学生さんの中には、本に千数百円出すのもなかなか大変だという人もいらっしゃるでしょう。定期的にラインナップは入れ替わるのですが、Prime Readingで『7つの習慣』や『多動力』を読むことができます。

また、こちらはプライム会費にプラスしてお金がかかりますが、AmazonはKIndle Unlimitedという本のサブスクリプションもやっています。Prime Readingの範囲が広い版で、月額980円なので、月に2冊も読めば元が取れます。伊坂幸太郎、森見登美彦、原田マハあたりもラインナップに入ってますよ。

③青空文庫

今の法制度だと、作者の死後70年が過ぎると著作権がなくなります(ちょっと前までは50年だったのですが、TPPの関係でアメリカに合わせることになってしまいました)。

それを利用して、著作権の切れた作品を無料で読めるように公開してくださっているサイトが、インターネットの電子図書館こと「青空文庫」です。

具体的には、夏目漱石や芥川龍之介、太宰治など、教科書でも読んだことのある有名作家の作品はだいたいここで無料で読むことができます。参考に、太宰治「走れメロス」のリンクを張っておきますね。

太宰治なら、こんな感じであ行から作品が並んでいます。

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最新のアクセスランキングはこんな感じです。やはり教科書などにも載っている有名作品がランクインしていますね。

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青空文庫では、有志の方がボランティアでテキストの入力活動をしてくださっています。一利用者としては本当に頭が上がりません。せっかくこうしたサイトを使って過去の名作を読めるようになっているので、ぜひ活用してみてください。

ちなみに、携帯やタブレットで著作権の切れた作品を読む場合、Kindleアプリを使って文章を読むのが便利です。

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Kindleストアで読みたい作品を検索すると、このように青空文庫で入力された作品がKindleで読める形で出てきます。現代で読書習慣を身に着けようとすればスマホとの付き合い方を考え直す必要があるでしょうから、ついついスマホをいじってしまう人は、スマホからそのまま本が読める電子書籍アプリの活用をおすすめします。

また、「青空文庫」の海外版のようなサイトもたくさんあります。「Project Gutenberg」あたりが有名どころです。買うのは躊躇するけど、洋書に触れてみたいという方は、アクセスしてみるといいかもしれません。

④国会図書館デジタルコレクション

国会図書館という、日本の図書館の親玉のような図書館が存在します。その図書館が所蔵している書籍を電子化して公開しているのが、「国会図書館デジタルコレクション」です。

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検索画面の下に、3つのチェックボックスがあるのが分かるでしょうか。このうち右2つは、図書館など特定の場所からしかアクセスできない本を指しています。今回は、一番左、「インターネット公開」で読める資料のことについて説明します。

先に言っておけば、ここで読めるのも基本的に著作権をクリアした作品だけですので、そういう意味では青空文庫に性格が似ています。ただし、青空文庫に入っていない本が見られることと、画像データですので表紙や当時のレイアウトなどが見られることがこのサイトの特徴です。

ためしに宮沢賢治の詩集『春と修羅』を検索してみます。国会デジタルには雑多な種類の資料が掲載されているので、あまり関係ないものも多数ヒットしますが、年代を絞るなどして目的のものを見つけます。

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するとこのように画像データを見ることができるので、あとはこれをコマ送りにして本文を読めばOKです。ちなみに、PDF形式で全コマダウンロードすることもできます。

有名作品は「青空文庫」で読めるので、わざわざ国会デジタルを使う必要が出てくる方は少ないかも知れませんが、国会デジタルならではの貴重な資料なども閲覧できる場合があります。使い方を覚えておくとどこかで役に立つかも知れません。

○おわりに

ここで紹介した以外にも、本を読む手段はたくさんあります。たとえば、ブックカフェ。お金がかかってはいますが、それはコーヒー代で、店においてある本を読む分は無料です。

あるいは、人から借りるのもいいでしょう。自分の気に入っている本を他人に読んでもらうのは気分がいいですから、快く貸してくれるはずです。それを機会に、コミュニケーションが広がっていくといいですね。

ただ押さえておきたいのは、身銭を切らないとなかなか習慣には結びつかない、ということです。お金を図書館で借りてきた本は、「まあ、読まなくてもいいや」と感じてしまいがちです。手もとに本も残りません。

無料で本を読める場やサイトを入り口としつつ、どこかの段階ではお金を出して本を買うことをおすすめします。本にせよ何にせよ、物理的に存在するというのは、想像以上に私たちの生活に影響を与えるものですよ。

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