見出し画像

#162 子どもの自主性は○○と○○で育つ

子どもの自主性は、
説明と対話によってしか育ちません。

太平洋戦争時、連合艦隊司令長官だった、
山本五十六の名言に以下があります。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
褒めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、
任せてやらねば人は育たず。

現代でもリーダー論で、
よく取り上げられる言葉ですが、
子育て、教育にも通じるものです。

僕たち大人は、
どうしても無意識的に子どもを下に見てしまって、
自分を棚上げして言い聞かせる場面が多いと思いませんか?

子どもに何かを教えたり、
決まりごとをつくったりするときは、
まず、その目的と理由を、
大人同士で情報共有すべきです。

そして、子どもにもその目的と理由を
わかりやすく説明した上で教えなければならないのです。
リーダー論の立場を取れば、
そこに楽しさや達成感を感じさせる形で教えるのがベストです。

例えば、挨拶の励行を推進しない学校はありません。
あまりにも当然すぎるからなのかもしれませんが、
だからこそ、その目的と理由をきちんと考えるべきなのです。
では、挨拶を励行する大切さをどう教えれば良いか。

挨拶の目的はシンプルに、
コミュニケーションを円滑に進めるためでしょう。

挨拶はそもそも、人類の営みにおいて、
彼我の関係が敵ではないということを
お互いに伝え合うためのものでした。

その証拠に、
挨拶が存在しない言語はこの世にはないのです。

つまり、挨拶は人間が生活を営む上で、
古今東西、老若男女、
どの文化圏においても必要不可欠なものだったのです。

他者とのコミュニケーションが必要不可欠であることは
現代の私たちの生活においても変わりません。

よって、他者とのコミュニケーションを円滑に進めるために、
挨拶の励行は身につけるべきスキルなのです。

もう一つ例をあげましょう。

職員室のドアには、
だいたい入室時に守るべきマナーの掲示があります。
しかし、その目的や理由を
きちんと説明する場面は少ないのです。

目上の人間がいる部屋に入るときの礼儀作法について、
その必要性をどう教えるべきでしょうか。

これも目的は、
コミュニケーションを円滑に進めるためであったり、
時と場合に応じた行動をとる
=メリハリをつけたりすることでしょう。

他者に対して失礼のない振る舞いを知り、
時と場合に応じて使い分けることで、
コミュニケーションにおいて、
お互いを尊重する姿勢を身につけることができます。

上から言い聞かせるのではなく、
目的や理由をきちんと説明し、
僕たち大人もそれらを実践する。

そうすれば自然と、
子どもたちはその場にふさわしい服装を考え、
ふさわしい言葉遣いを考え、
ふさわしい態度を考えることができるのです。

「自主・自立」という言葉が
一人歩きしている教育現場が散見されます。

大人が何も考えずに決まりごとを強制したり、
頭ごなしに言い聞かせたりしたのでは反発しか生まれませんし、
言われたからやるという、
思考力の薄い生徒しか育ちません。

目的や理由を大人が共有し、
きちんと子どもに説明し、
実践する中でより良いかたちを対話しつつ模索していく。

子どもの自主性を育てるには、
まさに「やってみせ~」の姿勢が大切なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?