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トリコロールの女/ヨハネスフェルメール(Woman in Tricolore)

トリコロールの女/ヨハネスフェルメール(Woman in Tricolore)

 フェルメールは特定の色を好んで使用していました。フェルメールの使用した色を分析すると20種類の顔料が検出され、その中でも特にウルトラマリン(青)、鉛錫黄色(黄)、アリザリン(茜色)、朱色がよく使用されました。ちなみに牛乳を注ぐ女でインディアンイエロー(牛の尿から作られた黄色)が使われたという都市伝説は成分調査から現在は否定されています。
 この絵画ではその青、黄、赤がすべて特徴的に使われているため『トリコロール(三色)の女(Woman in Tricolore)』というタイトルで呼ばれています。
 なお、当時の絵は画家がタイトルをつけていないため、タイトルは後世につけられたものがほとんどです。フェルメール作品でも『真珠の耳飾りの少女』は以前は『青いターバンの少女』と呼ばれるのが一般的でした。レンブラントの『夜警』は実際には夜警の絵ではないと知られるようになり『フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊』(蘭:De compagnie van kapitein Frans Banning Cocq en luitenant Willem van Ruytenburgh)と呼ばれたりもします。
 画家がタイトルをつけるようになったのはズバリ「展覧会で出展されるようになり、そこで作品を区別するために名づけるようになった」というのが真相のようです。
未公開作品。制作年不明。所蔵元非公開。


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