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忠実に牛乳を注ぐ女を描いてみる完結編(フェルメール)


フェルメール牛乳を注ぐ女はヨハネス・フェルメールの比較的に活動初期の作品であり、パンの光具合を表現する点描が美しいです。

今回は真珠の耳飾りの少女と違って全身絵なのでタッチが細かい!実物より小さなキャンバスを使ってしまったのでちょっと実物よりちょっと大雑把な仕上がりになってます(反省)

背景の壁や下絵以外は2種類の細い面相筆で描きあげました。(インターロン製)

今回も可能な限りフェルメールの当時と同じ絵の具、同じ技法で描いていきます。  今回使用した絵の具。

Burnt sienna/Yellow ochre/indigo/Lead-white
carmine/rose-madder/Ultramarine/indigo
Black/Lead-white/Lead yellow

意外と観られてないのに細かいのが左上のカゴです!
細かいのに無駄に主張しない仕事、このおかげで絵にリアリティが出ているんだと思います!

また、右腕と壺の隙間が微妙に背景の壁と色が違うのですが、まさか塗り忘れたのではないでしょうか?ちなみに私は塗り忘れて後から塗ったので壁と色は違うのですが、なんとホンモノも色が違うのです!
そんな描いているときの情景が思い浮かぶのも模写をしている特権だなあと思いました!(*'▽')

今回もウルトラマリンは最後の方に使ったのですが、本物のラピスラズリから作った絵の具は粉っぽくて描きにくい!( ゚Д゚)
一回塗っただけではほとんどキャンバスにつきません。

ウルトラマリンはそもそも透明色なのでそんなに濃くキャンバスに定着しないのです。(現在のケイ酸塩などを使ったウルトラマリンは違うかも知れません)
またウルトラマリンだけで描いた青色はそもそもフェルメールの絵画の青色と少し違った感じがあります。
ここでヒントとなるのが、袖を捲っているところやテーブルクロスを重ねているところなどがかなり緑系の青色となっているところです。これはウルトラマリンだけでは出ない色です。
当時の黄色であるイエローオーカーやリードイエローを混色してもこのような緑にはならないのです。
これは少し緑系の入ったインディゴを混ぜているのではないかと考えました。
インディゴをそのまま使うとかなり黒に近い青色にもなります。
というわけでウルトラマリンに一層インディゴを足してみました。ウルトラマリン単色より深みのある色になりましたし、なにより『フェルメールの牛乳を注ぐ女』の青色に近いものになりました!
緑色に近い部分はリードイエローを混色しています。
真珠の耳飾りの少女と違いこちらは当時の絵の具を使った複製作りをしている動画は見つからなかったのですが、おそらくこのウルトラマリン+インディゴが正解に近いのではないかと思います。
フェルメールブルーといわれるウルトラマリンですが、単色では実に扱いづらい(゜o゜)

ちなみにディスプレイ上、写真上だと色味が全然違うのでどこに色味を合わせるのかが悩みどころです!(今回は画集の色味に合わせています)

さあ次はフェルメール新作を描くぞー(*'▽')
お楽しみに!

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