六瀬なつき

ここに書くとは、あるフィクションです。 書かなくてはならない、今。

六瀬なつき

ここに書くとは、あるフィクションです。 書かなくてはならない、今。

最近の記事

味噌は絶対作らない

調味料作っちゃう女ってどうですか? 食べることは面倒臭いんだけど、コツコツ作ったりするの、好きなんです。でも、なんか、ふつーに料理を作ると、ああ、これ食べなきゃいけないって、プレッシャー感じちゃうんです。凝った料理、好きですよ。白身魚をフライにして、野菜と一緒に炒めて。味付けは・・・甘酢がいいかな? お魚、揚げただけで食べられるのに、そこから一手間もふた手間もかけるなんて、良く考えたら可笑しいですね。 あとは、ナスの揚げ浸し作った日がありましたね。ふつーに平日の夜に。ナスを

    • あなたの春

      あ、もうすぐ春だ。 風は肌をキリリと刺す冷たさなのに、陽射しの強さは増し、どこまでも突き抜ける青さだった冬の空は、舞上げられた塵と陽射しのぬるさに温められ、ぼんやり白く霞んでいた。遠くの山の稜線の、谷の一筋一筋まで数えられそうな程空気が澄んでいた冬の朝は、薄茶色のレイヤーを重ねられ、ありきたりの、良くあるただの朝になっていた。 公園の桜の、堅く閉じられていた蕾がほんのりと膨らんでいるように見えてドキッとした。 あ、もうすぐ春だ。 春は苦手だ。 幾重にも重ねられていた

      • 食事をツクル

        料理をするのは好き でも食べるのは、好きじゃない。なんか、面倒くさい。 気分が落ちているとき程、細かい手間をかけたくなる。いつもよりいっそう丁寧にネギをみじん切りにしてみたり、蒸したカボチャを裏漉ししてスープにしたり。 過程、が好きなのかな。 作ったら大抵満足して、2日3日冷蔵庫に寝かされて、誰かが食べるときもあるし、食べないときもある。冷蔵庫の中のそれを、口にした場合のことを考えてみる。皿に盛る。口に運ぶ。咀嚼して味わう。。喉を通って胃に落ちる。噛み砕いた後の繊維のこと

      味噌は絶対作らない