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食事をツクル

料理をするのは好き
でも食べるのは、好きじゃない。なんか、面倒くさい。

気分が落ちているとき程、細かい手間をかけたくなる。いつもよりいっそう丁寧にネギをみじん切りにしてみたり、蒸したカボチャを裏漉ししてスープにしたり。

過程、が好きなのかな。
作ったら大抵満足して、2日3日冷蔵庫に寝かされて、誰かが食べるときもあるし、食べないときもある。冷蔵庫の中のそれを、口にした場合のことを考えてみる。皿に盛る。口に運ぶ。咀嚼して味わう。。喉を通って胃に落ちる。噛み砕いた後の繊維のこととか、舌の上の通過するときの塩気とか、考えたら何だか面倒になってくる。

食べる、ということが。

3日かけて作ったスペアリブのカケラを、三角コーナーに落とす。ほんの小さな固まりで、ほんの一口で咀嚼できるのに。

あ、私、病んでいるのかな。病んでるな、と知覚出来てるうちは、まだ大丈夫なのかな。

でも、作るのは好き。肉の塊に丁寧に塩をまぶしたり、野菜を細かく細かく切ったり、楽しい。熱した油に野菜を落とすと、(ナスでも、ゴボウでも、レンコンでも)揚げ物鍋いっぱいに細かい泡がたって、それが次第に大きな泡になって、箸で持ち上げると、軽くなってて、あ、水分が大分抜けたな、とか、思うのは面白い。正しいところに正しいものが、きっかりはまった感じで、すっきりする。

揚げ物って、誰が好きなんだっけ。
作りたい物と食べたい物の乖離が激しい。

私って、何が食べたいんだっけ。

誰かが好き(かもしれない)料理を作る。もう、無意識に。




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