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心によいライフスタイルの原点

8月9日、暴風雨により、我が家のベランダにある隣家とのパーテーションが破壊されました。

暴風によるパーテーション被害は今回で2度目です。
我が家がある地域は、古い平屋建てが多いことから、我が家は暴風被害を受けやすい環境にあります。

またか・・・とため息をついたところで、パーテーションは元には戻りません。

私は早速大家さんに連絡を入れ、大家さんからリフォーム業者へ修理依頼をしていただきました。

翌日、高齢の大家さんがこれまた高齢の業者さんを伴い、我が家を訪問しました。

業者さんは、パーティーションの素材を確認し、材料を入手後、取り掛かりますとのことでした。

不運だったのは、破壊の事実みならず、時期しかり・・・

世の中はまもなくお盆休みに入るため、すぐに材料を調達することは難しく、早くてもお盆明けになってしまうとのことでした。

つまり、1週間以上、隣家が丸見えになることになります。
交流があるならまだしも、隣人は男性の一人暮らしのためまったく交流がありません。

そのため、ベランダのパーテーションがないまま1週間以上過ごすことは不安を伴います。

そこで私は、自宅にあった段ボールでDIYを行うことにしました。

最初は何の考えもなく、ただただ視界を遮りたい一心で、段ボールをガムテープで貼り付けました。

ところが、その間も暴風雨は続き、私の努力は水の泡と化し、段ボールパーテーションはあっというまに破壊されました。

しかしがっかりしている時間はありません。
私はまた新しい段ボールを貼り付け、3度目のDIYでようやく暴風雨にも耐えうる補修を考え出し、なんとか日々をしのいでいました。

お盆も明け、暴風雨から2週間以上が経過しましたが、一切連絡はありませんでした。

しびれを切らした私は大家さんに電話を入れました。
「あれから2週間以上経過しましたが、修理はいつになりますか?」

「え!まだ修理してないんですか?では、業者へ連絡入れてみます!」
まもなくすると、折り返し大家さんから電話があり、明朝に業者さんが来てくれることになりました。

明けて本日、早朝に業者さんより電話があると同時に我が家の呼び鈴も鳴りました。

「遅くなりました」と言って、業者さんは玄関で靴を脱ぎ、ベランダへ向かいました。

すると、業者さんは何を思ったか、「ベランダで履く履物を貸してください」と言ってきました。

ベランダは雨風に吹かれる場所で、外と一緒です。
また、作業をするのであれば、サンダルよりも作業靴が適しています。

つまり、業者さんが履いてきたシューズをそのまま履けばいいわけです。

この業者さんは何を言っているのだろう?と思いつつも、私は業者さんが玄関で脱いだシューズを持っていきました。

業者さんはそこでハッと気づいたように、「ああ、すみませんね」といってシューズを履きました。

「ずっとご連絡を待っていたんですよ」と声をかけると、「ああ、すみませんね。あれから白内障手術をしましてね。遅くなってしまいました」と謝罪をされました。

さらには「これまでの素材は水に濡れると壊れやすいので、今回はキッチンなどに使用する水に強い素材を使うことにしました。180センチで2万円と少し高価なんですが、水には強いのでこれまでのようにはならないかと思います」と続けました。

2週間以上も放置され、苛立っていた私でしたが、その理由と業者さんの穏やかな説明に耳を傾けている中、私の心は冷静さを取り戻すとともに、和やかになっていくのを感じました。

今私は「最強チームをつくる方法」という本を読み進めています。
そこには、「最強チーム」に必要なのは「安全な環境」であると書いてあります。

「安全な環境」とは、「意見がしやすい環境」であることです。
「こんなこと言ったら笑われる」「こんなことを言ったら否定される」また、参加者のひとりがやる気がないなどの環境下では、よいアイデアも出ることもなく、パフォーマンスも低下していきます。

「安心して和やかに話せる環境」があるからこそ意見が活発になり、そこから新しい道が開けるというものです。

連絡を入れてくれなかったことはよいことではなく、腹が立ちますが、もし私がそれについて大家さんや業者さんを責める発言をしていたなら、雑談もなく淡々と修理をして終わったことでしょう。

ミスを指摘し責めるのではなく、当事者自らが反省するような空気を作り出すことで結果、自分の心が癒される。

これこそが「身体・心・環境によいライフスタイル」の原点ではないでしょうか。

平和な世界は視点と行動を少し変えることで始まるのかもしれませんね。


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