灯籠は灯を灯すだけの役割ではなかった⁈
神社仏閣でよく目にする石灯籠ですが、その役割をご存知ですか?
石灯籠は、仏教とともに日本に伝えられたと言われています。
現存する最古の石灯篭は奈良時代後期に作成された石灯籠が奈良の當麻寺(たいまじ)にあります。
灯籠はその字の通り、灯(ひ)の籠(かご)という意味を持つ照明器具です。
仏教では「灯」が邪気を払うとされており、仏前に火を灯す風習が現代に受け継がれています。
また、故人があの世で迷子になるのを防ぐため、道標となる灯を用いるという意味もあります。
日本全国で開催される灯籠流しや灯籠祭りは、供養や鎮魂を目的として古くから行われてきました。
また、日本庭園にある石灯籠は、暗い庭を歩くための照明として使われてきました。
照明技術が発展した現在は、庭のデザインを構成する一部として捉えられています。
石灯籠には大きく5種類あります。
「墓前灯籠」と呼ばれるお墓に設置されている石灯籠。
灯火で故人を供養する意味があるのに加え、お墓参りをする人が迷わないための道標として用いられています。
「春日灯籠」は、長い柱と高い位置にある火袋が特徴的。
奈良の春日大社で使用されていたのがその名の由来です。
「雪見灯籠」は、柱がなく、低めに作られた石灯籠。
足は3本あり、水面を照らす時によく使われます。
「置灯籠」は、柱がなく、平たい石の上に設置された石灯籠。
暗い庭でも足元が見えるように、光が灯されます。
そして最後は「織部灯籠(おりべとうろう)」
こちらは切支丹灯籠(キリシタン灯籠)とも呼ばれ、キリシタン信仰上の石造物で、禁教下には密かに祈りを捧げるための仮託礼拝物とも言われています。
この「切支丹灯籠(キリシタン灯籠)」は、四角柱の竿石の上部が十字架様に張りだし、地面に直接埋め込んで建てるのが主な特徴です。
「切支丹灯籠(キリシタン灯籠)」がある庭園としては、京都・桂離宮をはじめ、大徳寺、北野天満宮、南禅寺、京都市国際交流会館など全国にもたくさんあるようです。
さまざまな目的がある灯籠ですが、美しい灯で長く留まる病魔を一日も早く退散させてほしいものですね♡
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