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洋館巡りレポ #45『三井住友銀行 大阪本店』

こんにちは、véritéです。

こちらは、大阪・肥後橋近くに建つ三井住友銀行大阪本店です。
黄色味のある重厚な建物は、黄竜山石とイタリア産大理石トラバーチンを砕いて混ぜた擬石。

三井住友銀行大阪本店

窓は小さく、重厚感のあるファサードで、3方面に渦巻がデザインされたイオニア式円柱がそびえたち、南の今橋側のファサードはアーチ窓とメダリオン。

外壁にはライオンと美しいデザインの雨どいなどギリシャ・ローマの神殿建築を思わせます。

ライオンと美しいデザインの雨どい

内装にはアカンサスの葉を飾った華麗なコリント式柱頭が立ち並び、美しいステンドグラスの天井も見られます。

ビルは、旧住友財閥(現住友グループ)の拠点として建築。
住友家の事業は、1623年(元和9年)に大阪に移り、長堀(鰻谷)で「南蛮吹き」銅構造を家業として栄えてきました。

北浜の敷地には南側に1908年(明治41年)11月につくられた建坪640坪2階建ての洋館があり、2階を住友本店、1階を銀行本店が使用していました。

その後、第1次世界大戦を経て銀行の業容が拡大したことから、新しいビルの建築を決断。

第一期工事は1926年(大正15年)4月に竣工、第二期工事は1930年(昭和5年)7月に竣工し、住友ビルディングは完成。

ちなみに、旧住友合資本社社屋は、1927年に関西大学に譲渡・移築され、
同大学本館として1954年まで使用されたようです。

外壁に使われた竜山石は、兵庫県高砂市宝殿付近から産出する石の総称で、
竜山石という名の由来は、過去に宝殿山に竜の顔に似た岩石があったことから。

また、竜山石は通常青色。
節理に沿って風化して黄色、赤色は熱によっての変色なのだそう。

いずれにしましても、こうした美しい建築物は、ひとつでも多く次世代に遺したいものですね。

そのためにもレトロ建築物に光を当て話題にしていきたいと思っています✨

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