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宮城県が時短命令 重点措置解除の4日前に 店名も公表 「実効性」高める狙いか(追記あり)
まん延防止等重点措置の期限を5月11日に控えていた宮城県が7日、営業時間短縮の要請に応じていなかった飲食15店舗を対象に時短命令を出した。県内の感染状況や医療提供体制の指標は改善しているが、政府が11日の期限で重点措置から外す方針を決定した当日に、命令を発出した形だ。店名も公表した。まん延防止等重点措置の対象地域で時短命令が出されたのは初めてとみられる。
これまでにも、東京都が3月、緊急事態宣言の解除の方針が決まった中で、期限4日前に時短命令を出した例があるが(東京都が解除間際に営業制限命令 「発信」理由に一部事業者を標的か 医療体制ほぼステージ2水準)、時短命令は違法だったとして都に対する損害賠償請求訴訟が提起されている。
今回、宮城県は、東京都と異なり、事前に学識経験者の意見を聴いたことも発表した。「要請拒否をした飲食店全てを対象に命令を出した方が公平性の観点から妥当」「実効性の低下を招かないよう命令・公表することが適当」「放置すれば、要請に従っている事業者が追随することが懸念される」といった意見が出たという。
東京都が時短要請に応じなかった店舗の一部だけに命令を出したことが「狙い撃ち」として問題視されたことが、念頭にあったとみられる。
一方で、こうした意見からは、従う法的義務のない要請段階で、事実上従わせる効果を高める「見せしめ」的な狙いも垣間見える。宮城県は、重点措置解除後も、当面それまでと同じ時短要請を継続する方針だが、5月12日以降は命令を出せなくなるためだ。
要請の実効性を高める目的で命令を出すことに正当性があるのか、あえて期限直前に命令を出して営業の自由を制限する特別な必要性があったのかが問われよう。
なお、東京都が提訴された後の4月9日、内閣官房は自治体向けに、命令を出す際には、まん延を防止するため「特に必要があると認められる」との評価について合理的説明が可能であるか等を慎重に検討するよう求める文書を出している。
新規陽性者数、「ステージ3」基準値の半分に低下 県独自の時短要請を継続する方針
宮城県には4月5日から重点措置が適用された。当時、同県の病床使用率は43%(20%以上でステージ3)、1週間の新規陽性者数は10万人あたり36人(30人以上でステージ4)だった。
5月6日時点で、病床使用率は29%、1週間の新規陽性者数は10万人あたり9人(20人以上でステージ3)に改善していた。
実効再生産数も3月上旬から継続的に1を超えていたが、5月6日には0.96(東洋経済オンライン特設サイト)となった。
宮城県の発表によると、重点地域が適用された仙台市内の飲食業9013店舗のうち、午後8時までの時短要請に応じなかった店舗20店舗を確認。学識経験者として医師7人、弁護士1人、経済団体関係者1人から意見を聴いた上で、要請に応じると回答のあった店を除く15店舗に対し、特措法36条の6第3項に基づく命令を出した。命令対象の店名も公表したが、改正特措法施行後初めてとみられる。
命令に応じなかった店舗には、過料20万円が科される可能性がある。
地元紙河北新報によると、県は、政府による重点措置の指定から外された後も、法的根拠に基づかない県独自の緊急事態宣言を出すとともに、時短要請(午後8時まで)を5月31日まで続ける方針も明らかにした。
【追記】
宮城県は5月14日、命令を行った15店舗のうち、従わなかった11店舗に対し、20万円の過料に処するよう仙台地方裁判所および盛岡地方裁判所に通知書を送ったことを発表した。(宮城県の報道発表資料、NHK報道)
まん延防止等重点措置に基づく命令違反で過料を求めたケースは初。
<宮城県の実効再生産数>
<内閣官房の特設サイトより>
<宮城県サイトの医療提供体制情報より>
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