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ジャン・チャクムル「芸術からの投影」インタビュー (1) パンデミック下での自己成長

芸術に関する総合的なポータルサイト「芸術からの投影」編集主幹シェフィッキ・カフラマンカプタン(Şefik KAHRAMANKAPTAN)氏によるジャン・チャクムル君のインタビューが2021年2月6日付で同サイトに掲載されました。

新型コロナウイルスの世界的流行により昨年の5、6月および11月から今年1月までに予定されていた日本公演がすべて延期か中止されたなか、コロナ流行下でのこれまでの活動状況、特に3rdアルバム収録や来日の予定など、ファンにとって得難い最新情報をこうしてタイムリーに届けてもらえるのは嬉しい限りです。

インタビューに先立ち、まず前置きとして、現時点でジャン・チャクムルは、フランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学での学士課程を終えたところであり、修士課程のスタートに備えるとともに、3枚目のアルバム収録に向けて現在準備中だと説明してあります。

それでは、早速インタビューに移りましょう。

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- 2020年に起きた出来事のなかで、最もあなたを悲しませたものはどのようなものでしたか?

パンデミックと、それが社会的かつ政治的に及ぼした影響です。世界における政治的空気が日増しに緊張していく中、パンデミックはこの過程を実質的に加速させたと思います。本当の意味で機能している社会保障制度の存在する国がほとんど一国としてないことは、実のところ、社会がいかに壊れやすいものであるかの指標でもあります。

- パンデミック期間をどのように活用しましたか?どの作品を覚えましたか?

3月から7月までについては、ほぼすべてのコンサート(テレビ用の収録1本*1 を除き)がキャンセルになったため、特に長いあいだ専念したいと思っていたプリマヴィスタ(初見)での譜読みとテクニック面での練習に重点を置きました。11月から現在までについては、プロジェクトすべてがキャンセルになったわけではなく、特に室内楽曲での収録は続いています。したがって初期ほどシステマティックな練習はしていません。この練習では、期間中ずっとバッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ全曲、シューベルトのピアノ作品ほぼ全曲、シューマン、リスト、ブラームスの主要作品の譜読みを行いました。もちろんここでの主眼は、これだけの作品をコンサートに向けて準備することではなく、これらの作品に精通すること、分析することです。


- 自宅での収録やデジタル配信に関して、自分自身を向上させる機会はありましたか?

自宅での収録については、実をいえばあまり肯定的に見ていません。よって2~3分程度の短いビデオ1、2本を除き、自宅からはまったく収録しませんでした。手元にある録音機材で満足のいくクオリティを実現することは困難です。さらに言うなら、自宅であのステージの雰囲気を創り出すことは不可能だと思うのです。そのため、手持ちのレパートリーをそのような形で録音する代わりに、自分自身を成長させたいと思うテーマに集中することを選んだのです。


- 2枚目のアルバムもICMA(国際クラシック音楽賞)の録音作品部門で候補に残りましたね。予期していましたか?どのように受け止めました?

レコーディングの際、トンマイスターのインゴ・ペトリと、これらの作品がどれだけ感情的に濃密な作品であるかについて話しました。私たち2人のどちらにとっても、これは大変に奥行きの深いプロジェクトだったのです。私たちの録音作品がこれだけ好意をもって迎えられたことの意味は、本当に大きいです。


*1- ARTE TVの収録用にワイマール郊外のSchloss Ettersburgで行われた、ジャン・チャクムル、彼の先生であるグリゴリー・グルツマン、そして同じグルツマンの生徒に当たるアリーナ・ベルクの3人と3台のピアノによる室内楽コンサート。




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