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ベニイズム

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棘ある美学と主義主張
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2020年9月の記事一覧

成熟の作法

成熟の作法

朝の顔 鏡が映す現実に 溜息よりも淡き微笑を

30代後半のあたりだっただろうか、朝起きたばかりの鏡の顔に失望するようになったのは。朝の眩い光の下に立つと、ありとあらゆる皮膚の粗が強調されることを知ったのもこの頃だった。
照明も同様。蛍光灯の無機質な青白い光は、多少の疲れですら猛烈な疲労に変えてしまう。だから夜の電車にいる仕事帰りの人々などは、多大なる疲労や心労を抱えているように見えるのだ。

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