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支援者の皆様へ 【就任1ヶ月経過所感 / 大いなる可能性の塊を見た】

 日頃よりベルテックス静岡を応援ご支援戴き、厚く御礼申し上げます。皆様におかれましては、昨今の新型コロナウィルスの影響で、日常生活に大変なご苦労をされているのではと案じております。かく言う私どもも、先日発表させて戴きました通り、大変残念、且つ楽しみにしていた方々には大変申し訳なく思いつつも、残りシーズン全試合の中止を決定致しました。ワクチン等、抜本的対策が不透明な現況では、やむを得ざる対応として、ご理解を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

 3月よりエグゼクティブスーパーバイザーとして皆様の仲間となり1ヶ月が経ちました。先ずは、株主、スポンサーの皆様への挨拶回りをしつつ、会社組織、事業詳細、財務内容、他クラブとの比較、社員のポテンシャル等、「法人力」について一通りのフィージビリティスタディを終えました。プロスポーツビジネスモデルとしては、サッカーとも共通しているところも多々あり、私自身、先ずは戦力として参戦出来る目処が立ちましたことを慎んでご報告申し上げます。

 弊クラブは、設立1年少々と非常に歴史も浅く、フロント人員も10人に満たない小さな所帯であり、その財力も2億円を割り込む小規模なサイズです。しかしながら一方で、今後飛躍的に伸びていく大いなる可能性を秘めたクラブでもあるということが、この1ヶ月のスタディでよく分りましたし、その根拠について、皆様と共有したいという思いにかられながら筆を走らせております。

【カテゴリー別クラブトップラインとの差が十分射程内に】
 先ずサッカー界から移籍してきて、目に飛び込んできたのは、総収益、所謂トップラインサイズでした。B2平均が約3億円、B1平均が約5億円。対する弊クラブは約1.7億円程度は見込めるところに位置しております。この差は、これまで静岡でスポーツビジネスをさせて戴いた経験、そして現在弊クラブが持つポテンシャルに鑑みれば、十分射程内にあるとの手応えを感じております。サッカーの世界では、下部カテゴリーのクラブがトップクラスの財力をキャッチアップするためには数十億円の収益増を必要と致しますが、バスケットの場合は、保有人員の少なさ、独特の試合方式による経費削減等といった効果的ダウンサイジングが図られており、トップラインがサッカーほど高くなく、結果として、弊クラブが上のカテゴリーを伺うに足る射程内にあると感じております。

【まだまだ伸びる法人収益】
 今後、上のカテゴリーをキャッチアップしていく際、新興クラブとして頭に置くべきことは、「スポーツビジネスは、先ず法人様からの収益がクラブを引っ張り、その後戦うに足る、魅せるに足る戦力を維持出来始めたフェーズで個人様からの収益が伸びる二段ロケット型」ということです。従って今は法人様にお力を戴く時期となりますが、経験上静岡の法人様は、「地元を守る意識がとても強い」という、他地域と戦う事業を営んでいるスポーツ法人としては、とてもありがたいマインドを持っております。キチンとクラブのポテンシャルやビジョンについてのご理解を戴ければ、「お手並拝見からお手並支援」に変わって戴けるものと信じております。ましてやこの法人営業に携わる社員が現時点では若手1名だけで、またスポンサー社数も40社程度ですので、ここは私も一兵卒として戦列に加わり、まだまだ伸ばしていけるものと期待に胸を膨らませております。経営者の皆さんの中でもバスケット経験者も少なからずおりましたし、思っていた以上にバスケットに造詣の深い方々が多いことも嬉しい驚きでした。

【潜在力の大きい個人消費】
 バスケットの応援者層は20〜30代を中心に、ほぼ男女均等な構成となっております。また競技人口も都道府県別では第9位と少なくなく、今は必ずしもチームとして強いとは言い難いものの、財力を上げることと併行して、適切な補強やインフラ整備を足早に行うことで競技力を上げ、結果入場料や物販面に於いて、個人消費増大のポテンシャルを秘めていると感じております。加えて、物販のデジタルアプローチ、アリーナ建設、魅力的なアトラクション等、個人消費増大の種はふんだんにあり、まだまだ伸びていくものと踏んでおります。

【社員、現場から発散される熱量】
 この1ヶ月、事業計画や予算、組織、ベンチマーキング、目標管理、営業、事業、広報、財務と、少しずつながら、松永社長のサポート役として、会社としての体裁を整えつつありますが、私はそれ以前に会社経営に最も大事な社員やチームから「この会社を何とか浮揚させたい」という『熱』を強く感じております。加えて、真っ直ぐで、裏表なく、みんなが同じ方向を向いて懸命に仕事をしております。そうした中で、会社の発展のための導線を示そうとしている私をリスペクトしてくれます。どんなに華麗なメソッドコントロールをしても、所詮それをやるのは「人」です。そこの部分では、私でさえ忘れかけていたマグマのような熱を現場を含めみんなが持っており、これからの発展に必ず寄与してくれるものと嬉しく思っております。

【現場に思うこと】
 ある意味、私がここでやろうと本気になったのは現場を見て、コーチや選手と話してからでした。NBAで優勝経験のあるコーチがここにはおります。地元生え抜きの主力選手達もおります。言わば地元を大事にしながら、強いチームへの変容を図る「地域密着とチーム強化の方程式」が小さいクラブながらもしっかりと見て取れます。一方、その彼らが正当な処遇を受けているかというと、サッカー界から転身した私には必ずしもそうとは思えません。そうした中でも、彼らは日々熱のこもったトレーニング、コンディショニングをし、アスリートらしい生活を懸命に送っております。フロント社員を含め、そうした彼ら彼女らに、少しでも良い思いをさせてあげたいと、今は反骨心の塊となって頑張りたいと思っております。

 これまで記して参りましたように、やり方さえ間違わなければ、ファンや支援者の皆様に喜ばれながら、社員、チームスタッフ、選手達にも「このクラブに来て良かった、働いて良かった」と思えるように出来ると考えております。そしてバスケットに興じている子供達が、将来プロバスケットボーラーになりたいという思いを、親御さんのご心配なく物心両面で叶えてあげられるような会社サイズにしてあげるために、今後ともこれ迄のスポーツ経営ノウハウを注ぎ込んで参る所存です。そのために「見える化、相対化、標準化、効率化、デジタル化」をベースに、大いなる「発信力」を醸成して参ります。そしていずれは「東のエスパルス、西のVELTEX」と言わしめる存在になり、お互いのファン、サポーター、ブースターが競技のカテゴリーを超え、All Shizuoka の下、双方のシナジーで静岡プロスポーツ界を全国にアピールし、大いに盛り上げることが出来れば本望です。

 皆様におかれましては、これまで以上のご理解、ご支援を、宜しくお願い申し上げます。また、繰り返しになりますが、くれぐれもご自愛下さい。

株式会社 VELTEXスポーツエンタープライズ
エグゼクティブスーパーバイザー
左伴 繁雄

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