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長い間、自動車整備屋として営業していると、えっそんな事があるのっ?って言う珍事に巻き込まれることもあります。国土交通省なのか陸運局なのか、犯人は分かりませんが、あの数字を間違えるなんて・・・。

我々ビークルフィールドは認証工場です。
指定工場ではありません。

なので自社工場にて保安基準に適合した状態にした後
陸運局まで車両を持ち込み
公務員である検査官に各部をチェックして貰ってお墨付きをもらいます。

オーバーフェンダー装着に伴い
車幅の変更の為の記載変更車検を受けようとしたE46 BMW。

いつもの様に陸運局に持ち込んでライン検査を受けていると
車両重量測定の際
記載重量より実際の重量が90kg近く軽くなっていることから

何かがおかしい

と言われ類別区分番号を調べるともともとAT車両だと言う指摘。

えっ? この車両、マニュアルミッション載せ替え車両なの??

全然気が付きませんでした。

おまけにブレーキテストの際、ホースでは無く
ブレーキパイプが裂けて割れると言う事件が起き
この日のライン検査は物の見事に

不合格

でした。

まずはブレーキパイプを直さない事には先に進まないので

車両をリフトで上げて、関係部分をどんどん外して行きます。

はい、該当のブレーキパイプを外すにはメンバーだけでなく

燃料タンクまで降ろす必要があり、ようやく外れたパイプを見ながら

さあ、新しいパイプを・・・と、梱包されていた箱を開けると
ただのまっすぐなパイプが入ってました・・・。

えっ?自分で曲げ・・・

・・・るんですね。

ベンダーを駆使して作業して行きますが
曲げる寸法や角度を微妙に合わせながらの作業は神経がすり減ります。

1日がかりで作成したブレーキパイプがようやく車両に仮組され
ブレーキオイルを入れてエア抜きしながら
漏れが無いかも確認して行きます。

ブレーキパイプの修理目途が付いた段階で、再び
6速マニュアルミッション載せ替え疑惑を調べます。

諸元表などを参照しながら

詳細を調べていくと、やっぱりこのクルマ
元から6速マニュアルミッションです。

下回りを凝視しても、配線等の加工跡は一切見受けられませんし
念のため部品商やBMWのサービスセンターにも確認した所
いずれの返答も、該当車番の車両はもともとMT車両なので
マニュアルミッション用の部品が出てきます言うこ結果に・・・。

そりゃそうですよ。
今迄普通にディーラー車検に何回も通ってたんですから。

それが今回たまたま、オーバーフェンダー装着の為の
記載変更車検で重量に差異が見つかり
そこからまさかの元々は5速AT車両だと言う言いがかり・・・。

さてさて、この件をどう陸運局に説明しようかと
様々な資料を用意して、改造担当官と話をすると
その口からは衝撃的な言葉が!

「類別区分番号上、諸元表で5AT車両となっている以上
 AT→MTの構造変更を行わないと車検には合格出来ないです。」

え~っと、だから~
もともとこのクルマ、5速マニュアルミッション車なんです!

「察してください・・・。」

はっ? どう言う事??

詳細は有料ページにて開示して行きます。


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