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Vegan(ヴィーガン)ってなに?【衣類編】

今回はveganの人たちがアパレル面でどのような選択をしているか、お伝えします。


着用を避けるもの

レザー製品はもちろん、ウールやカシミヤ、アンゴラをはじめとする動物性の衣類は多くの人が避けます。「多くの人が」と書いたのは、veganになる前に購入してしまったものは継続して使い続ける人もいるからです。私もそのうちのひとり。今あるものは大切に、ボロボロになるまで使うつもりです。他にも、中古品のウールなどを購入する人もいます。答えはひとつではありません。新しい動物の犠牲を出さないために、一人ひとりが選択の工夫をしています。

ところで、veganはなぜ動物由来の衣類を避けるのでしょうか。理由は、そこに動物からの搾取・動物への暴力があるから。普段何気なく着用している衣類には、消費者からは見えない様々な背景があります。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。


残酷なウールの生産過程

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冬場に大活躍するカシミヤのマフラーやウールのニット、暖かくて肌触りも良いですよね。なぜこの着用が動物からの搾取・動物への暴力につながるのでしょうか。

羊の毛は自然に伸びていくし、それを刈ってニットを作っているんだからいいんじゃない?そう思いますよね。私もそう思っていました。でも勉強を続けていくうちに、それは自分の行為を正当化する言い訳だと気付きました。

ミュールジング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ミュールジングとは、ウジ虫の寄生を防ぐため、子羊の臀部の皮膚と肉を切り落とす行為を指します。子羊は四肢を完全に固定された状態で仰向けにされ、麻酔なしで切断がなされます。それは最終的に尻尾にまで及びます。

市場に出回っているウールの多くは「メリノ種」という羊のもので、一度に多くの毛を刈ることができるように人間によって品種改変された種類です。メリノ種の羊はシワが深いため臀部のシワに糞がたまりやすく、それが毛に付着してウジ虫が湧きやすいのです。ミュールジングをすることでお尻に毛が生えず、ウジ虫が湧く心配は要らなくなります。

ウールを避ける理由には他にも、羊たちへの暴力が挙げられます。ウール需要の急激な増加は、牧羊業の方々に「短時間で大量生産」を求めることにつながりました。するとどうなったか。羊たちへの扱いにしわ寄せがいきました。

作業員への給料は時間給ではなく出来高制で支払われるため、羊たちへの扱いは雑になります。乱暴な毛刈りにより怪我をする羊もいます。怪我をしても獣医に診てもらえるわけではありません。バリカンで皮膚が裂けてしまっても縫合に麻酔なんてされるわけもなく、ただただ、痛みに耐えるしかないんです。

羊の毛刈りは仰向けで行われます。羊はただでさえ臆病な動物。何をされるかわからない恐怖から暴れます。暴れた羊を静かにさせるため、足で押さえつけたり、蹴ったりするなどの暴力が日常的に行われているのです。

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すべての作業場がそうとは言いません。しかしながら、PETAが行った英国ウール業界の目撃調査では、英国25箇所の飼育場で同様の残虐行為が確認されたそうです(以下はその動画リンク、年齢制限あり)。買い物は投票です。ウール製品を買うことで、羊たちへの暴力を応援することを避けたい。そんな思いからveganの人たちはウール製品を避けているんです。


暖かいダウンの生産過程は温かくない

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続いては、羽毛布団やダウンジャケットとして使用されているダウンのお話。最近では値段もお手頃になり、ファストブランドなどを通して手に入りやすくなってきました。みなさんの中にも愛用されている方もいるのではないでしょうか。

暖かく包み込んでくれるダウン。しかしながら、その暖かいダウンの生産過程は全く温かくありません

採取の方法は2種類あり、1つは「マシーンプラッキング」と呼ばれるもの。ANIMAL RIGHTS CENTERのHPに工程が記載されていましたので引用します。

食肉用の水鳥は生後1~3ヵ月くらい、フォアグラ用では4ヶ月足らず、採卵用の鳥はおよそ数年で、殺されるために屠殺場兼プラッキングの工場へ運ばれます。工場に運ばれた鳥たちは、フックに足を掛けて逆さに吊るされ、首の動脈を切られて血を抜かれ殺された後、ベルトコンベアーでプラッキングマシーンという機械に運ばれます。これは洗濯機のようなもので、回転するドラムに直径3cm長さ15cm位のゴムがたくさんついており、それで羽毛と羽根をむしり取ります。マシーンプラッキングは機械作業なので、羽毛と羽根に血や翼羽根等不必要なものが混じります。この血のついた羽毛と羽根の山は、洗浄工場へ運ばれ、粉塵を除去し、洗浄、殺菌、選別を行います。羽毛と羽根を抜かれた鳥の身体は、食用/飼料用として出荷されます。(ANIMAL RIGHTS CENTER HPより抜粋)

野生の水鳥であれば5年〜10年は生きられる命です。早い子は生後たった1ヶ月で屠殺場に運ばれるなんて…考えただけでも耐えられません。

2つ目の採取方法は「ライブハンドプラッキング」と呼ばれるものです。こちらもANIMAL RIGHTS CENTERのHPより抜粋します。

生後12~14週間で1回目のプラッキングが行われます。これは、作業員が一羽一羽の鳥を押さえこみ、無理やり胸から腹にかけての羽毛をむしり取るというものです。この後、屠殺工場に運ばれるまでのおよそ4~5年の間、約6週間おきにこのハンドプラッキング作業が繰り返されます。羽毛を生産できなくなった鳥は、屠殺工場に運ばれ、フックに足を掛けて逆さに吊るされ、首の動脈を切られ血を抜かれて、プラッキングで最後の羽毛と羽根をむしられた後、ベルトコンベアーに乗せられ解体されていきます。その後、食用もしくは飼料用として出荷されます。(ANIMAL RIGHTS CENTER HPより抜粋)

ライブハンドプラッキングは良質のダウンを採取するための方法です。品質を追い求めた方法なので、鳥たちの痛みなんて考慮される訳はなく、ギャーギャーと鳴き喚く彼らの首と足を押さえつけ、胸から腹にかけての柔らかい羽毛をむしり取ります。骨折する子もいます。窒息する子もいます。乱暴にむしり取ったために皮膚が裂ける子もいます。

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普段何気なく着用している衣類には様々な背景があります。隠されている、と言ってもいいかもしれません。そういった残酷な背景は、何らかのチカラによって一般の消費者から遠ざけられていることが多々あります。

買い物は投票」です。私たち消費者がよく考え、選択していく事が求められている気がしてなりません。今回の記事を読み、みなさんがいまの生活について考える、そんな機会になればそれ以上に嬉しいことはありません。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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