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会津喜多方の堰さらい(水路清掃)で生産と消費、giverかtakerかの関係を考えた

連休恒例の堰(せき)さらいに行ってきました。
去年に続き2回目でした。
去年2023の様子はこちら
↓↓↓
会津の山里~本木・早稲谷の「堰さらい」で学んだこと~ミッションがあると人は離れて行かない。


堰(せき)とは、田んぼへ水を引く用水路のこと。
こちら「本木上堰」(もときうわぜき。本木地区の上にある堰)は、
江戸時代、1700年代に12年かけて会津藩の命により開かれた長さ6キロに及ぶ山腹水路のこと。

お米をつくるには水田が必要。
田に水を引くには水路(堰)が必要。
水が流れるには清掃(手入れ)が必要。
ですが、日本全国どの中山間地を見渡しても田舎は人手不足で、残った高齢農家も
田んぼでの米作りを諦めて放棄していく中で、
用水路を清掃する人手があるわけありません。

有機農家の浅見さん。
主宰しているのは「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」
浅見さんと大友さんのお二人。

本木・早稲谷 堰と里山を守る会 | Kitakata-shi Fukushima本木・早稲谷 堰と里山を守る会、福島県 喜多方市 - 「いいね!」894件 · 100人が話題にしています · 21人がチェックインしました - 堰と呼ばれる山腹水路を守ることを通じて棚田、里山、中山間地農業を守�

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移住者のお二人を中心に首都圏などからくるボランティアにより支えられ、
地元の人と新しいカタチのコモンズを形成しています。
この里山で有機農業をやるんだ!と夢を抱いてやってきた27歳の浅見青年の移住から3年後の、2000年から始まった活動で、今年は25周年!四半世紀の節目でした。
おめでとうございます。
今年もおよそ40人が集まり、スコップ、フォークを手に汗を流した。

堰さらいは、朝8時に出発。2班に分かれて、午前の部は11時半まで、
昼休みはみんなバタンキューで、15時半には終了しました。
小谷あゆみ『会津の山里~本木・早稲谷の「堰さらい」で学んだこと~ミッションがあると人は離れて行かない。』喜多方市山都町、飯豊山を望む上堰棚田に水を引く農業用水「本木上堰(うわぜき)」の堰さらいに参加してきました。 江戸時代に12年かけて会津藩の命により開かれた6…

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福島県により、「特に後世に残したいふくしまの水文化」に認定されている。
江戸時代に、6キロに及ぶ山腹水路を築いた技術もさることながら、
こうした歴史と文化の価値が県に認められた背景には、その維持管理、つまり人の手入れへの評価があるのではないか。
そのことがこの立て看板の最後の5行に刻まれている。
近年耕作者の激減により、存続の危機に瀕する中、平成12(2000)年以来、
20年以上に渡り、延べ550人に上るボランティアによる保全活動が続けられたことも
他に例を見ない。
設置した年までの20年間で550人ということは、
毎年30人前後のボランティアが活動を続けていたということだ。
農業用水路の価値は、先人の功績、歴史的価値だけではないですよね。
今なお使い続け、手入れし続けているコミュニティがあり、営農が続くことが重要なのだ。
まさに農業遺産ではないか。と思う。

心地よい疲労感ー。
ごはんがおいしい。
カレーライスがおいしい。
昼休みは去年に続き、たっぷり2時間。
みな昼寝なしでは体がもちません。。

お楽しみの「直会(なおらい)」。
お母さんたちが作ってくれた豚汁も、しょっぱさが最高にうまい。


山菜や、郷土料理で宴会です。


ぜんまいの油いため



山菜の天ぷら
仕事の後は、なんでこんなにおいしいのだろう
というぐらい何食べてもおいしい


上堰米のお酒


ビールも日本酒も山菜の料理もおいしい。
どんな有名なレストランに行っても天を仰いでおいしーーっと叫びたくなるこの心の底からの有り難みと同時にある感動は得られません。
自ら汗した運動は最大の調味料。
地元の人が田んぼをやめ、
毎年何かしらの自然災害がやってくる中で
小さな集落の用水路の維持はどこまでやれるのか。
課題はいつも小さなところから始まる。
これはこの国の生き残り方の、日本人の新たな生き方へ“挑戦する運動”なのだろうなと思えてきました。
25年間、自主的に通い続ける人達がいる。
間があいてもまた復活して10数年通う人達がいる。
都会のボランティアが過疎の集落の水路清掃応援、
という言葉では片付けられないベクトル、なにかに吸い寄せられる力を感じた。
手伝うだけでなく、多分たくさんのものを受け取っているからだろう。
初夏の新緑、自然の息吹、山の文化、里山の多面的機能とか、里山生態系サービスとか。
手伝い、援農、ボランティアという言葉はどこか一方的だ。それに変わる関係の力をなんと表現したらいいだろう。答えは出ないけれど
取り急ぎ写真たくさん撮りました


喜堰米
お家の前で記念撮影~

翌日、本木の公民館の隣に住むのりおさん宅へお邪魔。
昨日は、堰さらいのあと、うるいを採りに山へ行ったという働き者ののりおさん。
堰を守る水利組合に参加する唯一の地元の方です。

堰さらいの翌日は、原木シイタケの駒打ち体験でした。
電動ドリルで40ヶ所ほどに穴をあけ、コマを打ち込む。
日農600という品種。

下草を刈ってきりにした山の森でひと夏、原木を寝かせます「仮伏せ」

駒打ちした原木(コナラだったかな)をまた、林の中に運び込み、
「仮伏せ」といって、涼しいところで数ヶ月、菌が全体に回るように休ませます。
この森も伐採されずに荒れていた山を、所有者に許可を得て整備して、
生物多様な森にしようと、昆虫の棲家、インセクトホテルやビオトープを整備したそう。
気持ちのいい新緑の雑木林でした。
しいたけが生えてくるのは、ひと夏越した来年の春あたりかな~~~。
たのしみです。
大友さん、浅見さん、ご一緒した皆さまありがとうございました。
去年もいろいろ気付きがあったけれど、今回も心地よい汗を流しながら
いろいろ消費と生産の関係性について考えました。
#労働かレジャーか
#消費者か生産者か
#都市か農村か
#作るか使うか
#与えるかもらうか
#giverかtakeか
#消費か循環か
また次回~~
ベジアナあゆみ

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