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どたばた引っ越し物語 その① 引っ越し準備


引っ越します、ました

引っ越した。結婚してから、引っ越しをするのは7年ぶり3度目のことだ。今までと違うのは、行き先が2か所ということ。

離婚じゃないです、念のため。
思い付きで、2拠点生活を始めることにしたのだ。都内と、東京から新幹線で1時間くらいのところの2か所で。
勢い大切。あまり考えないこと、もっと大切。まあそれなりに人生経験があるので、どうにかなるというのはわかっている。後先のことは考えず、やりたいことはやった方がいいのだ。Life is short.

わたしはスムーズな引っ越しのために、1か月前に引っ越しカレンダーを作り、何日に何をするというのを、念入りに書き込んだ。

***

さて、今日で引っ越しから1週間経った。

いやあ、同じタイミングで2か所に引っ越すというのは、一言で表すとずばり”怒涛”。とにかくハードだった。そしてそれは続いている。

引っ越しカレンダーには、未だに追加の書き込みが続いていて、どうにかはなっているものの、当初の予定とは全く違う日々を送っている。面白い。

いつか参考になるかもしれないので、予定通りにいかなったことを振り返っておこう。

物が減らない問題

うちは夫婦2人暮らしなのだけど、なにしろ物が多い。見積りでやってきた引っ越し屋さんの顔がひきつるくらい。本にCD、お互いの趣味のもの、おまけに家具もやたら大きい。

今こそ整理の時。断捨離、コンマリ、ミニマリスト。捨てる捨てる捨てるぞ。

自慢じゃないけど、貧乏性と言う言葉は、わたしのためにある。使わなかった割り箸には、割り箸としての生を全うして欲しいし、きれいなお菓子の空き缶には新しい役割を与えたい。

今はエシカルとかサステナブルとかアップサイクルとかモッタイナイとか、カッコいい言葉が貧乏性と置き換えられているので、安心して捨てない生活が送れるようになった。そのため大手を振ってため込んでいたのだ。ありがとう、やさしい世界。
けれど、訣別の時がきたようよ。

それにしても、わたしがもうろくしたら大変だろうなあ、いろんなものをため込むんだろうなあ、紙袋、包み紙、リボン、あ、それから、コンサートを観に行った時にくれるアンケートに答える用の鉛筆・・・。

いや、今はそんなことを考えている場合ではなかった、まずは手を動かそう。と思いながら、割り箸の束はそのまま引っ越の箱へ入っていった。

やっぱり捨てられない。

***

手放してもいい本や服は、メルカリに出した。しかし、売れなかったものはそのまま一緒に引っ越してきた。
(わたしが出品した「謹賀新年」のゴム印セットを買わなかった者たち、これから年賀状を作る際に後悔するがいい。)

なぜ、あの時に捨てなかったんだろう。
荷ほどきしながら、現在、強烈な後悔の念に襲われている。
捨てるチャンスの2回目は荷ほどき中の今のはずなのだけど、まだ新しい住処でのゴミの捨て方がわからない。結局今までと同じ場所に収めている。

それにしても、ラッキーアイテムっぽいものって捨てづらくて困る。万物に神様が宿っちゃう日本人としては、神社に持っていた方がいいのか悩んでやっぱり捨てられないし、神社に行くときには忘れている。

***

ところで一番、処分しなかったことを悔やんでいるのは、前回の引っ越の際にも悩みながら持ってきて、7年間開かずの段ボールに入ったままのウエディングドレスだ。

当時、結婚式をする予定だった後輩が着るかも、というので持ってきたのだが、結局まだ結婚式を挙げてないのだ後輩は。もう、思い出になるからすればよかったのにぃ。(旦那さんが悪いと思う。ぜったい。)

さすがにもう着ないだろうから、これはさすがに処分。…の前にちょっと待って、メルカリに出す?それとも何か使い道が?と調べだしてしまって手が止まる。

そして、時間切れ。アリさんの箱に入ったままのドレスはそのままアリさんに運ばれてきた。(ちなみに、イギリス製のレースなのだ。誰かもらってはくれまいか。)

***

一方、処分したものもある。
引っ越し先では乗ろうと思った自転車だ。

ずっと、マンションの駐輪場に放置していたかわいそうな自転車は、久しぶりに取り出したら、ハンドルのゴムがベタベタで、ちょっと触っただけで手が真っ黒になった。サドルも裂けてボロボロ。ライトのプラスチックは触れた途端に崩れ散り、前輪は空気を入れても抜ける。乗れるもんなら乗ってみろと全身で挑戦してきた。

それくらいボロボロなのに、なぜか執着。まあ、処分にお金がかかるということもある。
とりあえず、自転車屋さんにもっていって修理可能か聞いてみた。

「うーん。こことこことこことここね。うーん。どうしてもこれに乗りたいという思い入れがあるんだったら修理するけど、そうでなければ、買い替えてもそんなに金額が変わらないよ。」とのこと。

自転車屋さんは空気を入れて、試しにちょっと乗ってみたら?と優しく送り出してくれた。やさしい。なんてやさしいの、自転車屋さん。
しかし、泣く泣く処分することに決定。
洗剤でベタベタは落ちるよ、と言われたけど、落ちやしなかったぜ、うちの自転車は。

パッキングが苦手問題

引っ越しの3週間前に段ボールが山ほど届いた。3週間あれば余裕でパッキングが終わるでしょ、と踏んでいたのだが、大間違い。

わたしには、どうやらパッキングのやる気スイッチはついていないようだった。代わりについていたのは、引っ越しを効率的にかつ美しくシャラララ~なスイッチ。

それがどういうものかというと、引っ越しカレンダーの充実とか、この家具はどこ行き、この段ボールはどこ行き、と行き先を記したメモを美しく作る、とか、引っ越し先のインテリアや雑貨のコーディネートを考えるとか。要するに、脳内と手先の作業。ずっとパソコンに向かって引っ越しのことを考えているのに、実際のパッキングは見事に全く進まないのだ。

一方、夫は(頭を使わないので)するするとパッキングを進め、段ボールを積み上げていく。時折、この本はもういらないから、よかったらメルカリに出して、とか言いながら。
わたしが、メルカリの値付けに頭を悩ませている間に、壊れやすい大切なものは自分で運びたいとレンタカーで早々に移動を開始したりもして。

面白いくらいに、夫とわたしの段ボールの積み上げには差ができた。
ちなみにわたしは血液型B型で夫はA型なのだけど、関係あるだろうか。
旅行の準備も、さくさくと美しくパズルのようにスーツケースを埋めていく夫に対し、効率的なパッキングを考えに考えて時間切れになり、結果、ギューギュー押し込むというスタイルのわたし。単なる性格の問題なんだろうか。

ともかく、結果、わたしは引っ越しギリギリまでパッキングに時間を要した。最後には、インテリアだのコーディネートだの、しゃらくさいことはどうでもよくなり、ただ箱に詰めれば上出来!どちらに向かうかも運しだい、ということになり、今は案の定欲しいものが見つからず困っている。

続く










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