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(大人の)熱海の暮らし方 ~熱海の花火、上で見るか下で見るか

熱海に引っ越す、と友人に伝えた時に、よく言われた言葉は、
「家から海が見える?」
「家から花火が見える?」の二つ。

残念ながら、うちからは花火は見えない。ちなみに海も見えない。すまないねえ。

***

それくらい、熱海を代表するもののひとつである花火。
開始時間の遅さ(午後8時20分から)、時間の短さ(20分間)、交通網メタメタ(交通規制、駅の大混雑)という三重苦さえ承知していれば、特段気合を入れずとも気楽に楽しめるのが熱海の花火のいいところ。
しかも、年に一度といわず、しょっちゅうやっている太っ腹加減。

地元の人からは不人気とも言われているけれど、わたしはまだまだ地元人とは程遠いレベルなので、花火の日は単純にときめく。

ゆえに、毎度毎度、見やすい場所、よく見える場所を探す旅に出るのだ。

下で見る花火


リゾート地で花火を見るという浮かれ気分が存分に味わえるのは、やはり海岸で見る花火。屋台が出ていたり、人がたくさん集まっているのを見ると、お祭りの雰囲気が感じられてわくわくする。

たくさんの人が盛り上がっている姿も含めて楽しむのが、下で見る花火。
少しくらい場所取りに後れを取っても、大丈夫。大空中ナイアガラの打ち上げの一部始終を目前で満喫できる。

人の背中越しの花火も素敵よ


花火と共に味わって欲しいのは、ずばり音だ。
花火の音が湾を囲む山々に反響して、大音響となって後ろから包み込んでくるのだ。

地元の人が花火大会嫌いになるというのは、なるほどこのせいか、と頷けるほどの音花火。必聴。いや、耳を傾けるまでもなく、もれなく付いてくるのだけれど。(ちなみに花火の見えない我が家にも、音は景気良く聞こえてくる。)

自分に降りかかってくるよう


上で見る花火


喧騒を離れてもっとしっとりと楽しみたい、という時には、海辺ではなく山の方で見るのもオツだ。
しっとり、と言いつつ、花火が始まったら大興奮になるわけだけど。

車があれば、熱海城やMOA美術館の駐車場が全体が良く見えて素敵、らしい。
わたしが見るのは、そこら辺りと海との中間くらいの、車がなくてもなんとかなる位の場所。

山側で見るようになったきっかけは、たまたま乗ったタクシーの運転手さんからの「この辺りからもよく花火が見えるから、別に混んでるところで見なくてもいいですよ」という目からうろこ発言。

タクシーの運転手さんお勧めの場所からは、確かによく見えた。多少、建物に隠れる部分もあるけれどそれくらいは仕方ない。
他に誰もいないので、まるで自分のために花火が上がっているような女王様気分も味わえる。
人が少なすぎて淋しい…?それは言わない約束よ。

迫力は変わらない


人がいない場所では、三脚を立ててじっくり撮影にのぞむことも可能。

以前、長岡の花火大会に行ったとき、写真を撮ろうとしたら「どうせ、上手く撮れないんだから、目に焼き付けるの!映像はテレビで見ればいいんだから」と花火プロの知人からなじられたものだけど、その点、熱海の花火大会は何回もあるから。
一度くらい撮影に集中しても全然もったいなくないと思えるのだ。ありがたい。

建物は心の目で消す


実際にどの辺りが見やすいかというと、県道11号沿いの歩道。具体的には、来宮神社のそばのジョナサン近く辺り。
その時間だとあまり通る人がいないので、立ち止まって花火に見とれていても、人の迷惑になることは(めったに)ない。

そこで見ることのメリットは、帰るときに来宮駅を利用できるので、熱海駅への混雑とは無縁なこと。あ、これは日帰りで遊びに来る人に向けての有益情報です。

高架をくぐってもう少し山の上へ行くと、新幹線と花火が一緒に撮れるスポットもあって撮影心をくすぐられるけれど、車じゃない場合は道が寂しすぎてお勧めできない。懐中電灯を持ち歩いてるなら別だけど。


最近の花火は凝ってて面白い


ちなみに、上から花火を見るときのもう一つの楽しみは、始まるときに一斉に熱海のホテルと旅館の明かりが消えて、終わるとまた明るさを取り戻す瞬間がよくわかること。
街全体の一体感があってとってもいいのだ。

さて、今年の花火の予定はこちらから。


他にも、良いスポットはたくさんありそうなのでわたしの旅は続く。
皆さんも熱海ならではの花火を存分に楽しんでください。
マナーは守りつつね。(まじめに。)

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