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どたばた引っ越し物語 その④ いざ2拠点目へ

前回の記事から時間が経っているので、ちょっと今までの概要を説明。

その① 2拠点生活を始めるべく、引っ越しをした。2ヶ所の引っ越しを一度にするというのは、準備がそりゃもう大変大変。ぜったい人には勧めない。

その② 1カ所目の引っ越し。ふうっ。そこで、なんと、電気がきてないことが発覚。

その③ どうあがいても、電気はこない。しかたなく、暗闇で一晩過ごした。

ってところです。

***
続き。

明けない夜はない。
カーテンがないと、日が昇るのが肌で感じられる。
部屋中の段ボールの山がくっきりと姿を現していく。お日様のありがたさよ。古代の人が崇めるのがわかる。
枕元にある懐中電灯を見て笑ってしまう。昨晩の生命線だった。

そして、わたしはそれを片付ける間もなく、慌てて2拠点目に向かった。引っ越し業者のアリさんよりも前に着かねばならない。
夫はよりによって、どうしても会社に行かなければいかないとのことで一人だ。よりによって。

2拠点目の家は、熱海にある。
新幹線でビューっと熱海に着いたあと、ほんのちょっと?かなり?の坂を上がり、階段を上った先に我が家となった中古住宅がある。

この家が…、まだ絶賛工事中だった。
ちなみに、引っ越しから1か月経った今も絶賛工事中である。

まあ、住めるので。
こちらから、いろいろとリフォームのオーダーを出しているので。
しかも電気がつく。こうこうとつく。文句などあろうはずもない。
ただ、いつぐらいに終わるかぐらいは知りたいなあ。最初は引っ越しの予定くらいには終わってるって言ってたような気がするなあ。

ちなみに、出来上がっている部分の仕上がりについてはものすごく満足していて、建築士さんのセンスは信じているし、外国かよ、と突っ込みたくなるくらいのそういうアバウトさが面白くもあるのでいいんだけど。温暖な地の鷹揚さだと理解。

***

さて、わたしが熱海の家について、意気揚々とアリさん達を待っていると、かわいらしい女性が現れた。

「お掃除に来ましたー。」
引っ越しのサービスがついていたのかと思ったら、これは建設会社さん側のハウスクリーニングの人だった。
「これから引っ越し業者さんが来るんですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫です!わたしの方が時間がかかると思います。」

ありがたい。ただ、聞いてなかったのでびっくりしただけ。できれば、引っ越し屋さんの前に終わっていて欲しかったという気もしなくはないけれど。

ハウスクリーニングの彼女は、この日、お風呂場を中心に徹底的な掃除をしてくれたのだけど、そこにはまだ、昔使われていたNationalブランドの洗濯機が残されていて、その洗濯機まできれいにしてくれそうになっていた。
いくら古いもの好きでも、さすがにそれは…。Nationalだぞ。

そこへアリさん登場。
細い道と坂と階段、必要以上に大きな重さのある家具、業者さん泣かせの要素だらけのこの引っ越し。
階段からはぁはぁという息遣いが聞こえる度に申し訳ない、申し訳ない、と思う。しかしそう思いながらも、「すみません、古い洗濯機を外に出してもらってもいいですか?」図々しいな、わたし。
不思議な造りのお風呂場は、ドアが狭くて窓からじゃないと洗濯機が出し入れできないのだ。動かすには屈強な男子が2名は必要なのだ。
「大丈夫ですよー」とにこやかに対応してくれた若きアリさん、本当にありがとう。

無事に搬入が終わり、お掃除も終わった。一息つく暇もなく、ガス屋さんの対応・・・等々。目まぐるしくて、感傷とか余韻とかいう心の動きは一切なく、1日が終わった。

夜になり、改めて段ボールの山越しに部屋を見ると、工事が終わっているキッチン部分だけは、水を流すことさえためらわれるほど美しかった。(高かった。)
ずっときれいに使おう、この日の誓いは、料理をしないということで守られている。

***

この後も毎日のように、いろんな職人さんがやってきたのだけど、わたしもスケジュールを聞いてなければ、職人さんも人が住み始めたと聞いてないので、玄関で鉢合わせしてお互いにフリーズということもありました、はい。面白いね。温暖な地の鷹揚さ。

ただ、家を作るのには、いろんな職人さんの手がかかっているのだということがわかって、本当に勉強になった。大工さん、塗装屋さん、電気工事屋さん、建具屋さん、そしてすべてを取り仕切る監督。よっ、監督。
すべての業種の方をリスペクトだ。わたしにできそうなものは何もない。



つづく







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