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【ベガスの物語】3話:仕組みが行ったり来たり

鼻毛!の印象が色濃く残る中で、ベガスは社会人の一歩を湖の麓の工場にて始めた。Capable Vegas.オンボーディングの先にある、より進化したベガスを目指して悪戦苦闘の1年間の幕があけたのであった。

はじまりは事業部の指針

まず渡されたのが、事業部全体の今会計年度における指針であった。ベガスの入社した組織において、重要な指針となるもので、事業部のPLにおけるゴールだけではなく、どこで戦うのか。どのように勝つのか?といった”ビジネス”における戦略、戦術をまとめた資料であった。資料と言ってもパワーポイント1枚にしっかりとまとまっているものであった。

工場で飛び交う専門用語は勿論のこと、サプライチェーンを超えた事業部全体のゴールや経営指標は一言一句なんのことを指しているかさっぱり分からずじまいであり、なんとか先輩や同期の財務のメンバーに聞く、そして例の如く1:1にてたっぷりと上司のクリシュから学ぶことでなんとか1枚で言わんとしていることを理解して行った。

Lean to Teach

事業部の方針1枚は、まさに始まりであった。その後は工場運営の指針となる、工場におけるサプライチェーンの中期戦略。製造現場、生産現場、生産計画、品質管理、倉庫、技術などなど部署ごとのオリエンテーションなどを重ねていくことになる。

一つチーム、部署ごとに数日張り付くことを繰り返し、部署ごとにLearning Summaryとしてまとめていく。これをクリシュとレビューすることを繰り返して行った。今でもベガスは大切に当時のRevision 7とか、8まで行ったサマリーをホッチキスで止め、大切に保管している。

真摯にとことん英文法の間違いなどを直しに直していもらったのもありがたいことであったが、ベガスが最も強く心に秘めているのが、"Learn to teach"という言葉であった。要は1回学んだことを、次は人に教えられるレベルまで理解せよ。というクリシュの教えであった。

今でもベガスは、トレーニングやセミナーなどを受ける際には、いかに要点をしっかり理解するかにとどまらず、習ったことを他の人に伝えられるレベルまで理解する。このことを気をつけている。

Do the right things

クリシュを思い返して、もう一つ大事なキーワードが、Do the right thingsである。特にこの1年間においては、後述する大変アクの強い工場長が組織を率いていたため、忖度のような状況が発生していることもあった。その中でクリシュは短期的な不利益や、忖度をしてもおかしくない状況で、より上位の組織における(ビジネスにおける)優先順位、もしくは組織として中期的にただいしいことを正しくしようと、徹底していた。リーダーシップのメンバーの中には、忖度をアプローチの根幹に据えるメンバーもいたが、ベガスの社会人スタートとなる1年目で、忖度せずに責められるクリシュ、その結果組織を守ってくれる姿を何度も見ていたベガスの礎となった。

そんなこんなで、悪戦苦闘しながらも、なんとかクリシュについていこうとするベガスであったが、次編ではあのアクの強い工場長と、参謀の人事とのオリエンテーションの完了面談(プレゼン)に挑むこととなる。

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