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ビーガンの非常食

はじめに

南海トラフ大地震の可能性について報道され話題になっているのでこちらの記事を先に公開しました。大量に買いだめして迷惑をかける人が出るリスクもあるので、商品の購入先のリンクはあえて貼っていません。どうしても必要な人であれば商品名で探して買うこともできるので問題ないと思っておりますが、もし商品が見つからないなどの場合にはコメントをいただければと思います。


ビーガンの人にとって、外食できる場所を探すのは大変かと思いますが、いざ災害があった時は普段以上に食べる物に苦労をするのではないかと心配する人も多くいると思います。
そんな心配がないように、ビーガンでも食べれる日本の非常食をいくつかご紹介致します。
一般的に出回っている非常食というものは、いざ被災した時に役に立たないものも多いと思います。実際に私は被災した経験はありませんが、出張や野外での仕事でビーガンの非常食を食べて少し検証した範囲ではありますが、実際に被災した時に役に立ちそうな非常食をピックアップしました。また、過去に被災地支援に行った人達から見聞きした情報も参考にしています。
とりあえず知っている非常食も例に挙げ、メモとして挙げてみましたので、もし他にもビーガン対応の非常食があるようであれば、ぜひ教えていただきたいです。

選択基準:動物性原料(肉・魚介・乳・卵)不使用、白砂糖・はちみつ・有害添加物・酵母エキス(※)不使用、製造過程での混入の可能性がないもの。
茹でる・お湯を注ぐ、などの手間のかかる物は極力省いています。
温めには発熱材(末尾に掲載)をご利用ください。
※酵母エキスについて:非常食に限らず「ビーガン」や「動物性食材不使用」を謳った商品でも、酵母エキスが入ったものが多くありますが、実のところ動物性食材を発酵させた酵母エキスが多いのが現状です。私は実際に食べて具合が悪くなったので、酵母エキスの入っているビーガン商品は厳格なビーガンに対応した商品としては紹介しておりません。

非常食を選択する際の判断基準と注意点

  • カップラーメンなどお湯が必要なものはNG。
    被災地で水が不足している・火が使えない場合は役に立たないため。

  • 食中毒などのリスクを回避するため、水分が多く腐りやすい食材や、感染症対策が取れない食品は避ける。したがって、小分け包装されておらず素手で食べるようなポテトチップのような物も避けること。

  • 被災した強いストレスにより、普段より多くタンパク質が必要になるため、タンパク源も確保すると良い。また、妊婦や子供などもタンパク質を多く必要とするため、豆類などタンパク質の多い食事も確保すると良いでしょう。

具体的な製品

かんぱん

被災してすぐの場合は避難所が確定していないため、移動中歩きながらでも食べれるカンパンがオススメです。ただし、水分を余分に摂取する必要があるのと、食事らしい食事を摂れないことによりストレスが溜まりがちになるため、長期的な支援物資としては不向きな傾向があります。避難所など長期的な滞在場所に送る場合は乾物ではなくご飯やおかずなどの食事を優先すると良いでしょう。
例)北海道 かぼちゃカンパン (缶入り) 北海道製菓

原材料: 小麦粉(北海道産)、てんさい糖(国内産)、ショートニング(マレーシア、カナダ他)、かぼちゃ粉末(国内産)、黒胡麻(ミャンマー)、食塩(オーストラリア・メキシコ)、イースト(国内産) 賞味期間:製造日より1080日

このかんぱんは動物性食材だけでなく添加物や白砂糖も使用されていないため、マクロビオティックを実践する人にとても、重宝する非常食ではないかと思います。味はほんのり甘めのやさしい味です。このカンパンはあまり塩分がないため、夏など暑い季節では、塩分が足りなくならないよう、塩分のある物も一緒に摂ると良いでしょう。

例)ZENB ゼンブ チップス 6袋 クラッカー 豆チップス

原料:黄えんどう豆・オリーブオイル・岩塩

被災して強いストレスを受けた人達はタンパク質が普段より多く必要となりますが、こちらであれば豆が原材料のため、簡単にタンパク質を摂取できます。

アルファ米

被災地現地でペットボトルなどの水の支援が十分にある環境であれば、毎日の食事としてアルファ米があると良いでしょう。白米だと物足りない方には、お赤飯もあります。小豆が入っているので、お米以外の栄養素も摂取できます。
また、玄米のアルファ米もあります。ただし、水が必要なため、できればパックご飯の方が望ましいです。

例)希望食品 アルファ化米(玄米ご飯)

お湯戻しで15分(粥は10分)、水戻しで60分(粥は40分)で食べられます。この商品は乾燥状態で販売されていますが、お湯がなくても水で戻せるため、お湯が沸かせない場所でもご飯が食べられます。

例)尾西の赤飯 100g

内容量 / 出来上がり量 100g / 210g 調理に必要なお湯または水の量 110ml 原材料 赤飯(もち米(国産)、小豆、ささげ液)、顆粒食塩(食塩、寒梅粉) 賞味期限 製造日より5年

玄米(その他)

玄米のレトルト食品でも既に具材の入ったものであれば、おかずを別途用意する必要がないため、手間がかからず便利に使えるのが特徴です。アルファ米のように水やお湯が別途必要にならないため、他に何もない状況でもすぐに食べれるのでより被災地向きと言えると思います。また、玄米スープや玄米のお粥は小さいお子様の離乳食にもなるため、親子連れで非常食が必要な場合に重宝します。

例)プレマシャンティ30種彩々バランス粥

原材料:有機発芽玄米、とうもろこし、しめじ、えのき、食塩(海の精)、黒米、赤米、緑米、はと麦、丸麦、きび、あわ、押し麦、ひえ、黒豆、小豆、大豆、松の実、クコの実、ごま、ごぼう、切干大根、人参、蓮根、舞茸、椎茸、昆布、アマランサス、えごま、ひじき、わかめ 製造日からの開封前賞味期間 :1年

玄米の缶詰め・パック

玄米の缶詰またはパックはお湯や水や調理器具のない場所でも食べられるのが最大のメリットです。また、発熱材などに入れて温められるので、火やお湯のない場所でも暖かい料理が食べられます。玄米ごはんと一緒におかずもセットにしておくと良いでしょう。

例)トーヨーフーズ 玄米ごはん(ほんのりしょうゆ)

原材料:玄米(国産コシヒカリ)、醤油(大豆・小麦を含む)、塩 賞味期限 製造日より3年

おかず

日本人なら災害時に和食を食べることでほっとする人も多いと思います。日本人向けに和食のレトルト食品もご紹介します。(※非常食ではなく通常のレトルト食品がほとんどのため、賞味期限は非常食よりも早めとなっております。すぐに食べる前提であれば問題ありません。)

例)プレマシャンティ島根野菜のお惣菜 野菜と大豆

原材料:大豆(島根県産)、こんにゃく、人参、醤油(小麦・大豆を含む)、乾しいたけ、昆布、砂糖(甜菜)、昆布だし/水酸化Ca(こんにゃく用凝固剤)
製造日からの開封前賞味期間:180日

こちらは食べたことがあり味も美味しく玄米と良く合います。動物性の入った類似商品があるので要注意です。

例)プレマシャンティ島根野菜のお惣菜 季節野菜の筑前煮


原材料:たけのこ水煮(島根県製造)、人参、大根、ごぼう、こんにゃく、昆布だし、椎茸だし、発酵調味料(米、米麹、食塩)、醤油(小麦・大豆を含む)、乾しいたけ、食塩、米油/水酸化Ca(こんにゃく用凝固剤)
製造日からの開封前賞味期間:180日

例)プレマシャンティ小豆かぼちゃ

原材料:小豆、かぼちゃ、食塩 製造日からの開封前賞味期間 :1年

レトルトカレー

外国人にとって和食が合わない人もいるかもしれませんので、ビーガンのレトルトカレーもあると非常食として便利ですが、多くは酵母エキスなどの動物性由来の原料が入っているため、ビーガンが安心して食べられるものが今のところ少ないのが現状です。今回は原材料が安心できるものをピックアップいたしましたが、他に商品が見つかりましたら更新いたします。

例)人参とカシューナッツのカレー

原材料名: 人参、カシューナッツ、マッシュルーム、玉ねぎ、食用なたね油、トマトピューレ、しょうゆ、カレー粉、食塩、小麦粉、香辛料、(原材料の一部に大豆を含む) 賞味期限: 540日

参考:日本の豆カレー

原材料名: 豆(大豆、白いんげん豆、金時豆)、玉ねぎ、人参ペースト、トマトピューレ、食用なたね油、麦味噌、しょうゆ、小麦粉、食塩、カレー粉、香辛料 賞味期限: 540日

例)風と光 オーガニックヴィーガンレトルトカレー豆

例)風と光 オーガニックヴィーガンレトルトカレー野菜

例)ZENB ゼンブ 低糖質 カレー (グルテンフリー)
ZENBシリーズの食品の殆どがヴィーガン・グルテンフリーかつタンパク質も豊富なため、非常食だけでなく日常の食事としてもオススメです。

原材料名:まるごと野菜のスパイスカレー:グリルパプリカ(イタリア製造)、オニオンソテー、かぼちゃ、こめ油、マッシュルームソテーペースト、かぼちゃ粉、カレー粉、みそ(大豆を含む)、パプリカ粉、枝豆粉(大豆を含む)、食塩、にんにく、唐辛子、こしょう

こちらは食べたことが無いので味の保証はできませんが、ZENBシリーズのビーガンラーメンについては味はしっかりして美味しかったのでこちらも美味しい可能性はあります。

スープ

ご飯のおともに味噌汁があれば良いのですが、残念ながらビーガンかつ美味しいインスタントの味噌汁はあまり無く、お湯が必要になってしまうケースが殆どです。今回はスープをご紹介します。
お湯を注いで食べるタイプのスープだとお湯が不足している場所では役に立たないため、お湯を注がずに飲めるタイプがオススメです。

例)ZENB ゼンブ ポタージュ スープ

※こちらは食べたことが無いので味の保証はできませんが、ZENBシリーズのビーガンラーメンについては味はしっかりして美味しかったのでこちらも美味しい可能性はあります。

例)プレマシャンティ穀物とトマトのミネストローネ

原材料:トマトピューレ、玉ねぎ、人参、じゃがいも、セロリ、にんにく、金時豆、有機玄米、オリーブオイル、押し麦、食塩、きび、あわ、香辛料
製造日からの開封前賞味期間 :1年

例)スペインから生まれた有機冷製トマトスープ「ガスパチョ」
冷製スープのため、温めなくても美味しく食べられます。夏場の被災地に推奨。ただし、水で薄めるタイプのため、水の確保できる被災地である必要があります。
※こちらは食べたことが無いで味の保証ができないのと、画像で見るよりも実際の瓶が大きく容量が多いので個人で持ち歩くよりは家族など数人で車で移動するための食料として備蓄すると良いと思います。

内容量: 400ml(希釈後 約3〜4人前) 原材料: 有機トマトペースト、有機キュウリ、有機オリーブオイル、有機トマト、有機リンゴ酢、有機ピーマン、食塩、有機ニンニク、有機馬鈴薯澱粉、有機黒コショウ

甘い物

災害時は精神的な負荷によりストレスを受け、平常時よりも疲れやすくなります。そういう時は甘い物があると少しストレスが緩和され、ほっと安心できます。被災して強くストレスを受けた人達にとって、甘い物はストレス緩和作用を与えることができるため、支援物資として送ると喜ばれます。

ドライフルーツ

購入する時は「ぶどう糖」や「アルコール」が添加されていないものを選びましょう。

例)プレマシャンティ 本練 ようかん

原材料: 砂糖、小豆、寒天
製造日からの開封前賞味期間: 2年
砂糖は粗糖を使っているため、マクロビオティックを実践している人達にも対応しています。
また、賞味期限が2年持つため、長期間の保存にも対応できます。
外国人にとってようかんが不評な人もいるので、日本人向きかと思います。

その他

タンパク質系のドリンク
水分もタンパク質も両方足りない時は重宝します。豆乳・アーモンドミルクなどで、白砂糖の入っていないものが良い。日本人は特に亜鉛が不足しがちなのと、妊婦・授乳中のママさんには亜鉛が豊富なアーモンドミルクもオススメ。

非常食と一緒に用意すると便利な物

塩分
被災地の気候や環境によっては、食事だけでは塩分が足りなくなる可能性もあります。
個包装された醤油や塩、梅干しなどの塩分も用意しておくことで熱中症対策にもなります。
水分のある物は感染症のリスクもあるため、梅干しを用意する場合は乾燥タイプを推奨。

発熱剤
避難所では、お湯を沸かしたり温める調理器具や道具がない可能性があります。
せっかく非常食を用意したのであれば、冷たいままの食事よりは温めた料理が食べたいですよね。非常時は緊張やストレスで疲れが出やすいですので、温かい料理を食べた方が気持ちも落ち着くのではないかと思います。

※サイズがいくつかあり、中身の発熱材だけが消耗品なので、発熱材をストックすれば何度も使えます。

使用方法は簡単です。
1.加熱袋の中に発熱剤を入れる。
2.発熱剤の上に食品等を置く
3.加熱袋に水を注ぐ
4.発熱剤から湯気が出て、発熱開始。
5.15分ほどで加熱が終了。

アルコールティッシュ
被災地では水などのライフラインが不足していると衛生面に影響が出ます。そのため、非常食と併せてアルコールティッシュなどのように消毒する物もセットでパッキングしておくことを推奨します。

浄水装置
飲料水が確保できない時のために、汚水を浄水する機械があると安心です。容量の大きいものは単価が高く場所を取るので、金銭的にゆとりがある場合や、複数人で使用する想定などにご検討ください。

手動式/逆浸透膜浄水装置 きゃりーぴゅあぴゅあ 2
プール、雨水、井戸水等から安全・安心な飲料水、衛生水を作れます。
電気を使用しないのでどんな場所でも対応可能です。

GRAYLウルトラプレスピュリファイヤー
これはmont-bell(モンベル)で購入できるアウトドア用浄水器ですが、インナーボトルをアウターボトルに押し込むだけで浄水できるため、簡単に浄水が可能です。しかも、通常のフィルターでは除去が難しいウイルスまで99.9%除去し、重金属・農薬・微粒子(マイクロプラスチックなど)・化学物質(PFASなど)もろ過により軽減可能です。

【有害物質除去率】
ウイルス除去率 99.99%以上(ロタウイルス、ノロウイルス、A型肝炎ウイルス)
バクテリア除去率 99.9999%(大腸菌、サルモネラ菌、コレラ菌、赤痢菌など)
原虫除去率:99.9%以上(エキノコックス、ジアルジア、クリプトスポリジウムなど)

非常食を備蓄するときのポイント

「ローリングストック」

普段食べているレトルト食品などを非常食としても備蓄し、古いものから食べ、新しいものを補充するというやり方です。賞味期限の近づいた非常食を普段の食事として消費し、新しい物をストックしておくようにすると良いでしょう。

支援物資として非常食を送る場合

自分のためではなく被災地への支援として非常食を送る時の注意点も、知っている限りではありますが書き添えておきます。
支援物資として非常食を送る時は、避難所や現地で物資の仕分けと配給を行う人手が不足しているケースもあるため、郵送時には職員の手間をかけず、すぐに必要な人のもとに届けやすい工夫や配慮をする必要があります。

  • 例)段ボールが届いた瞬間に現地の人が一目で何が入っているか分かるように、段ボールの6面全部にデカデカとマジックで巨大な文字で中身を書いておく。例えば、ビーガンの場合は英語で「Vegan Food」と書いたり、日本の職員が見ても分かるように「肉・魚介・卵・乳不使用の非常食」「外国人が英語でベジタリアン・ビーガンと言う人がいたらこの中の食材を渡すこと」などのように書く。また、賞味期限も段ボールにデカデカと書いておく。

  • 食品を箱ごと送るのではなく個包装で分けておくとなお良い。例えばご飯、おかず、発熱材、アルコールティッシュのセットをまとめて予めビニール袋に入れておくなど、職員の仕分けの手間を省くようにする。

  • 現地に電気やインターネットWiFiなどが無い可能性もあるため、温め方、使い方などの説明書を検索しなくて済むよう、あらかじめ印刷した紙も入れておく。外国人向けに英語の説明書、英語の原材料一覧表なども入れておくとなお良い。そうは言っても後で追加物資が必要になった時に直接メールや電話で連絡が取れるよう、何かしらのサイトや連絡先も書いて入れておくのも良い。(購入先の店舗情報など)ただし、宣伝・広告色があると嫌がられるのでそれとなく入れるよう配慮する。

おわりに

私が調べた限りでは以上の商品が一番信頼できる商品ですが、もしかすると私が知らないビーガンの非常食が他にあるかもしれません。実際には今回挙げた商品以外にもビーガンに対応した非常食は他にもいくつかあったのですが、味が日本人に馴染みのない物や、動物性食材と見られる原料が使われている商品、ビーガン対応だったのに製造中止になった物もあり非常に残念ではあります。ただ、新しい商品も出てきていますので、今後更新があればまた記事として書かせていただこうと考えております。
他に信頼できるようなオススメのビーガンの非常食をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非コメントでもご連絡でもいただけると幸いです。

記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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