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食い意地日誌⑤「バターナッツカボチャ」

バターナッツカボチャを初めて見た。
全長四〇センチの落花生といった姿に、思わず売り場で吹き出してしまった。
まるでジョークグッズのようだ。気に入った。
お買い上げである。

まずはレシピを検索。
水気が多いので、ポタージュにするのがおすすめとのこと。
皮は、ピーラーで除去できるほど薄いらしい。
それなら、ミキサーにかけたら口に障らないだろう。
むかないことにして、皮ごとぶつ切りにする。

ここでびっくりしたのは、種の在処である。
ひょうたん型のかぼちゃだが、くびれを境にして上部には種がない。
下部にまとめて収まっているのだ。

なんにしても、調理しやすいことこの上ない。
ありがたいことである。神の御業というやつだろうか。
お調子に乗って、急遽ソテーも作ることにした。

ぶつ切りの方は深鍋に入れて、粗みじんの玉ねぎと水を入れて火にかける。
ブイヨンが必要らしいが、あいにく買い置きがないので、塩麴を使った。
なんか旨味が出るんじゃないかと期待してのことだ。
柔らかく煮えたら、豆乳を混ぜ込んでミキサーにかける。完成。
ソテーの方は、岩塩をミルで挽きながらふり、オリーブ油で焼く。

味の方は、旨いが、カボチャ以上でも以下でもない。
元の形状を知らなかったら、話のタネにはならないだろう。

しかし、ポタージュは絶品で、鍋ひとつをぺろりと平らげ、もう一杯作ってしまった。
なにせ、全長四〇センチを独り占めできるのだから。
独居ばんざい。

二杯目のポタージュには、悪戯をしてシナモンパウダーを加えてみた。美味。
ふくみ笑いが止まらない。

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