なぜ、早期離職が起きる?新入社員の育成に効果的な対策とは
ベクトルnote運営・編集チームの熱田です。
9月も終盤に入り、ベクトルでは秋冬の研修に向けて日々忙しく動いております。
今回はこの時期に増えがちな、新入社員が退職してしまう悩みについて。
1. 新入社員、突然の退職
以前勤めていた会社でこんな出来事が有りました。
4月に入社した新入社員が、約半年間におよぶ研修期間を経てようやく現場に配属されたのですが、それから数か月も経たないうちにある日突然出社しなくなり、そのまま辞めてしまったのです。
さらに、その行動に影響を受けた別の新入社員も直後に退職していくという、まさに負のスパイラルが起きてしまいました。
思い返すと、早期退職していった新入社員たちは、会社に対して様々な不満を抱えながら働いている印象がありました。
皆さんの職場の新入社員に、こんな行動はありませんか?
最近遅刻や欠席が増えた
仕事のミスや、やり残しが多い
話しかけても反応が薄い
仕事中つまらなそうな表情をしている
もしかしたら、これらは退職の前兆かもしれません・・・
2. 新卒が辞める理由
実は、一般的に新卒社員が最も会社を辞めやすい時期といわれているのが,
9月と3月なのです。9月は上半期の終わりで一区切りつく時期でもあり、毎年離職者が増える月となっています。
厚生労働省の調査によると、令和2年度における就職後3年以内の離職率は、高卒就職者が36.9%、大卒就職者が31.2%と、3割以上が離職していることがわかります。
新卒の離職理由はさまざまですが、
早期離職を引き起こす主な原因として、以下の理由が考えられます。
職場の人間関係がうまくいかない
仕事内容がきつい
教育体制が整っていない
成長実感を感じにくい
社風が合わない
給与など待遇面への不満 etc..
なぜこのようなズレが生じていくのでしょうか?
昨今では、社会や働き方の変化により、多くの職場において、世代間ギャップ(価値観の違い)やリモートワークの普及によるコミュニケーション不足などといった課題が発生しており、従来の育成方法が通用しにくくなっていると言われています。
では、せっかく採用した新卒社員が出来るだけ辞めないようにするには、一体どうすれば良いのでしょう。
3. 早期離職を防ぐための対策
効果的な対策として、「オンボーディング」が挙げられます。
オンボーディングの中にも多様な施策がありますが、ちょうど今の時期に当たる入社半年~1年後にかけて実施されることが多いのが、新入社員を対象としてフォローアップを行う研修で、一般的に『新卒フォローアップ研修』などと言います。
入社したばかりに行う新入社員研修では、企業の理念や業務内容・社会人としての心構えなどを教え込みます。この時点ではインプット中心の内容となるため、具体的な課題はまだ見えていない状態での研修となります。
一方で新卒フォローアップ研修は、入社してから一定期間が経過した後で行うので、「入社してからどんな問題・課題が生じたか」「自身が成長できているか」「新入社員研修で学んだことを活かせているか」など、自身を見つめ直したうえでスキルやモチベーションの向上を目指すことを狙いとしています。
4. 「マインドセット」が鍵になる
また、新入社員側のマインドセットも非常に重要です。
近年のDX化により、今まで新入社員や経験の浅い社員に任されていた単純な作業は、どんどんAIが担うようになってきました。
多くの現場社員はデジタル対応やリスキリングなど、自身が身に付けるべきスキルや知識が多いため、部下の育成にまで手をかける余裕がなくなっている場合が多く、新入社員が思い描いていた環境や仕事内容とのギャップが生じてしまいます。
そのような状況のなかで、やるべきこと(マスト)をやり続けることで、やれること(キャン)が増え、やりたいこと(ウィル)が見つかる可能性があることを新入社員自身が受け入れて、仕事に取り組んでいく姿勢が重要になるのです。
自分の先輩や上司でさえ先が読めない時代が到来しているからこそ、改めてフォローアップ研修の場でマインドセットをすることで、新入社員の気を引き締めることは非常に効果があります。
余談ですが、これは新入社員に限った話ではないかも知れません。
私自身も、マストに追われてウィルを見失ってしまいそうになったり、自分で答えを探して行動しなければならない場面に直面することが多く、日々頭を悩ませています。
そんなときこそ、自律型人材になれるように、主体的に仕事に向き合う姿勢が大事なのだと痛感しています。
5. 研修のポイント
この研修を効果的に実施するうえで重要なポイントがあります。
それは、以下の2点です。
=POINT=
①事前にしっかりと受講者たちの傾向を分析し、その課題に合わせた内容でプログラムを組むこと
②研修を受けっぱなしにしたまま終わらせず、他のオンボーディング施策(1on1やメンター制度など)と組み合わせたりしながら、その後も継続してフォローをしていくこと
課題に対する効果的なプログラムの設計は、是非プロにご相談ください。
ベクトルが実施する研修では、事前にお客様に丁寧なヒアリングや調査を行い、課題に沿ってチューニングしたプログラムを提供することで、大変ご好評をいただいております。また、ニーズに合わせてサーベイやアセスメントを組み合わせて実施することもあります。
実際に研修を受けた受講者の声をご紹介します。
6. まとめ
物事の複雑性が増し、先の予測が困難な今日の環境では、必ずしも会社や上司に正解を求めるのではなく、自らが自律的に学習・成長していく力が重要となります。
だからこそ組織の一人一人が成長実感を持てるような環境を目指すことによって、社員全体のエンゲージメントが高まり、結果的に離職防止にも繋がっていきます。
職場の早期離職に悩まれている方は、是非今回ご紹介した「新卒フォローアップ研修」を取り入れてみてください!