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欧州・イスラエルスタートアップ関連ニュース

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#資金

Atomico(アトミコ), Keensight(キーンサイト)、FSIが欧州10億ユーロ超のファンドでEIFの資金を獲得

この記事は、欧州の投資環境における資金配分の動向と、新興企業への影響に焦点を当てています。欧州投資基金(EIF)が新しいファンドを通じて新興企業に資金を供給する取り組みを紹介し、プライベート・エクイティ・ファームへの資金流入に対する懸念を取り上げています。記事は、欧州のテクノロジー企業の成長を支援するための積極的なアプローチと、プライベート・エクイティ・ファームへの資金流入が新興企業にとってポテンシャルなリスクであることを示唆しています。 欧州の投資家と新興企業は、37.5

EU、安全保障技術革新を促進する1億7,500万ユーロの防衛株式基金を設立 ー EU投資基金、防衛関連新興企業および中小企業への1億7500万ユーロのリスク投資プログラムを開始

欧州でディフェンステックへの公的機関からの資金流入が見込まれそうです。 しかしながら、条件としてはデュアルユースを前提としており、税金からなるこの資金をバランスを取りながら拠出しようとしているのが垣間見えます。 今回の発表はまた、EU首脳が「欧州投資銀行グループが、同銀行の戦略的欧州安全保障構想に基づき、欧州の安全保障と防衛を支援する役割を強化すること」を改めて求めたことを受けたものである。 欧州投資基金(EIF)は1月12日(金)、欧州連合(EU)の中小産業における防

2023年、欧州のVCは2021年の最盛期に比べ50%減少: クランチベースのデータ

欧州のVenture Capital投資の結果が出始めています。 2021年の最盛期と比べると当然数字は悪いのですが、当初の予想よりは良く、北米やアジアよりも数字は良さそうという評価です。 Crunchbaseの新しいデータによると、2021年の投資熱から大きく変化し、2023年のヨーロッパのテック系スタートアップの資金調達額は、その年の約50%に減少した。 このビジネス・インテリジェンス企業は今週、欧州のスタートアップが昨年520億米ドルを調達し、2021年の1000

米国、欧州、イスラエルの資金不足の中、2023年の湾岸諸国のスタートアップの資金調達は堅調に推移 ー サウジアラビアが最も積極的な投資家の本拠地としてMENA地域全体の資金調達をリード

これまた日本でも珍しい、中東湾岸地域でのスタートアップの資金調達動向です。世界的なdown turnにもかかわらず堅調に推移しているとのことです。ただ、多くがDebtなので、またそれもApple to Appleの比較が難しいかとは思いますが。 サウジアラビアは、中東およびアフリカの革新的な競争相手から新興企業を誘致し続けているため、2023年のベンチャーキャピタルの活動に関する最終的な評価で首位に立った。 UAE のスタートアップ・プラットフォーム Wamda の新レポ

投資が減少する中、EUのイノベーション政策には「大規模な見直し」が必要だとStartup協会が指摘

欧州の公的資金のスタートアップへの流れの課題を指摘した記事です。 本記事の焦点とは異なりますが、Atomicoの最新のレポートにある、「より多くの人材が米国から欧州のハイテク部門で働くために移動していることを明らかにした」、という文言は興味深いです。アメリカでのレイオフが本国へ戻ることを促し、欧州での起業を促進しているということです。 また、「欧州でハイテクベンチャー企業を設立する創業者の数は米国を上回り、過去5年間はいずれも増加している。」という報告も興味深いです。もち

新たな規制と投資家の注目により、スタートアップ企業は初日からサステナブルであることを余儀なくされる ー メッツァスプリングのコーポレートベンチャーリング担当副社長エリック・コレマイネンが、新興企業がESG戦略を改善できる3つの理由と方法について考察する

スタートアップがESGを考えることはコストばかりが先にかかり、自身の事業分野がESG関連で無い限りなかなか社内体制などを整えることはできず、優先順位がその他の重要なことに比べて低いことは想像に難くないことでした。しかしながら、本記事にあるように先を走る欧州の状況を鑑みると、もし、皆様の会社が補助金や助成金を取得しようとしているなら、また、Corporate Venture Capitalから出資や第き偉業との提携を考えていらっしゃるのであれば、ESG戦略は起業の早い段階から最

VCTは不況に強いことがデータから判明2023年のVCT資金調達は4%減、ベンチャーが50%減なのとは対照的

VCT(Venture Capital Trust)は聞き慣れない言葉かと思います。個人投資家で、一定の資産を持つ方が出資できるVCファンドのことです。個人投資家にとっては、5年以上そのファンドを持ち続ければ、30%の所得税減税、配当やキャピタルゲインに関して免税措置があるものです。日本もタンス貯金など種々資産が表に出てくるようになるとこのような取り組みの議論も始まるかもしれません。 ただ、VCにとっては、通常のファンドとは違い、例えば5年と言わずとも、すぐにお金を引き出さ

英国、ベンチャーキャピタルの資金調達で欧州トップの座を獲得顕微鏡で見る:バイオベンチャーはスタートアップ投資で英国をリードするサブ産業

イギリス、特にロンドン近郊がスタートアップの集積地であることは何となく理解しているとは思うのですが、今年は、英国は、米国と中国に次ぐランクに位置するとのことです。色々な理由があるとは思うのですが、興味深い記事でした。 世界的に見ると、英国は今年に入ってからのベンチャーキャピタルからの資金調達額で米国と中国に次ぐ水準にある。 調査によると、英国の新興企業は今年これまでに150億ドルのベンチャー・キャピタル投資を集めており、これはヨーロッパで最高額である。 HSBCイノベー

フェムテックスタートアップの70%は女性が創業しているが、男性が創業したスタートアップの方がはるかに多くの資本を調達している ー フェムテックでも、やはり男性創業者が有利

ベンチャーキャピタル業界の男女不平等については、過去の色々な記事で描かれている通りですが、今回は女性向けテクノロジー企業であっても、男性の方がなぜか資金調達において優位であるという統計についての記事です。 ハイテク業界では、女性の資金調達額が男性よりも少ないことはよく知られている。しかし、Siftedが入手したデータによると、この格差は、スタートアップの世界で最も女性が支配的なセクターの一つであるフェムテックの資金調達にまで及んでいる。 PitchBookのデータによると

低迷する世界のベンチャーキャピタルに占める気候テックスタートアップの割合が増加 -PwC

全世界のスタートアップ投資が落ち込む中、一際成長を見る分野として気候変動技術があります。ただ、その分野も同様に以前に比べると落ち込んではいるものの、落ち込みの比率は小さく、つまりは、他と比べると資金が集まっている、というPwCのレポートに関する記事です。 ココからはデータも無く、私見ですが、気候変動技術はそもそもがCapital Intensiveな事業が多く、必要となる資金が多い傾向にあります。ですので、投資が集まっている間は良いのですが、もしこれが逆回転すると簡単に潰れ

米国のVCがサウジアラビアから数十億ドルを受け入れる一方で、サウジアラビアは欧州では1社しか公的資金を提供していない

イスラエルとガザの悲劇が始まって1ヶ月が経ちました。中東諸国とイスラエルの関係が変わると全世界にどのような影響があるのか、こちらの記事ではベンチャーキャピタルやスタートアップの観点から議論されています。 サウジアラビアの7,000億ドル規模の公的投資ファンドは、スウェーデンのベンチャーキャピタルファンドNorthzoneがベンチャー投資部門Sanabilから投資を受けていることを明らかにした。この開示は、サウジアラビアがハイテク産業で影響力を増していることを明らかにする透明

フランスの植物由来の新興企業に新風が吹いているが、世界的なインパクトはまだない

一時のブームが落ち着き、プラントベースの代替タンパク質などの企業のニュースは少なくなっています。本日はフランスより現状を捉えた記事がありましたので、ご紹介いたします。 Umiamiはヨーロッパ市場を狙うフランスの代替食肉スタートアップだが、競争の激しい分野だ。フランスのフードテック企業Umiamiは、今月初めに3,250万ユーロという素晴らしい資金を確保した。この最新の資金調達により、わずか3年前に設立された同社が調達した資金の総額は1億ユーロを超えた。 同社は、スイス、

2023年第3四半期、欧州のVC資金調達額は増加するも、後期段階の新興企業が有利に ー 一方、シードおよびアーリーステージのラウンドは最低を記録

欧州スタートアップの第3四半期の数字はレイターステージに支えられていたようです。米国よりも良かったと言っても、各社の発表のタイミングに左右されるので、四半期で数字を見ることはあまりオススメしません。事実を見誤る可能性があるからです。 2023年第3四半期、欧州の新興企業は164億ドル(156億ユーロ)のVC資金を調達した。 この調査結果はCrunchbaseの分析に基づくもので、Crunchbaseはまた、新鮮な資本が主に後期段階のラウンドを支持していることを明らかにした

オランダのインパクト投資スタートアップ、カーボン・エクイティが600万ユーロの資金を調達し、気候変動技術企業への投資プラットフォームを提供する ー 気候変動に関するベンチャーマネーがより身近に

個人が気軽に気候変動技術やサステナビリティのスタートアップに投資が可能なオランダの投資プラットフォームの資金調達のニュースです。LP投資の形を取らずに、株主となる形式を取って資金を集めているようです。 オランダのインパクト投資新興企業カーボン・エクイティは、気候変動ベンチャー・キャピタルとプライベート・エクイティ・ファンドの投資プラットフォームを構築した。カーボン・エクイティは、気候変動ベンチャー・キャピタルやグロース・エクイティ・ファンドへの小口アクセスを可能にする。投資