_育てる_は大間違い_チームメンバーの成長を最大化する3つのこと__6_

部下育成の失敗談から学ぶ。メンバーの成長を促す3つのこと。

亡くなった野村監督の名言を改めて見返していて

選手や部下を「育成する」というけれど、それは「自信を育てる」ということ

を見つけ、チームメンバーの育成に苦戦していた中、私の人材育成に対する考え方を一変させた、ある一つの経験のことを思い出しました。

それが皆さんに反響いただいた下記のツイートです。

私自身、昇進直後にチームを持つようになり、チーム員の成長を考えて色々あの手この手を尽くすものの、どうも空回り。チームメンバーの成長には大いに頭を悩ませました。

同じ悩みを抱える人は多いのでは?と思い、ツイートでは書ききれなかったこと含めて、この経験を経て試行錯誤した結果得たことをnoteに纏めてみました。
※結論を急ぎたい人は0)は飛ばしてください

0)自分の指導方法を見直すきっかけとなった話

マネージャー就任前に、後輩のメンターとして2人の新卒を見ていて、自分が経験したことを後輩に全て伝えてあげようと躍起になり、だいぶ肩に力が入りすぎた指導だったと記憶しています。

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結果、自分の期待したような成長を遂げることはありませんでした。叱りはしなかったもののフィードバックやアドバイスをして、1on1もたくさんやり、自分としてはかなり向き合ったのに。。。

そして、3人目。彼も同じような状態に陥りかけていました。彼は頭脳明晰だったものの、コミュニケーションがとにかく苦手。

セールスには向いていないなぁと感じながらも、本人のやる気と才能にかけて、どうにかならないか、時間をかけてでも育ててやろう、そんな気持ちでした。

半年経っても、大きな成長は見られず、彼自身セールスに苦戦していました。そんな中、他部門の人員が枯渇、短期的にレンタルしてもらえないかという話がきて、彼に白羽の矢が。

自分が粘っていたエゴもあり当初はどうしようか迷いましたが、本人が自信を失いかけていたのもあり、違う業務をやって視点が変わって良いかもしれないと、レンタル移籍の話に応じました。

移籍後、すこぶる評判がいいんです。業務や製品知識もあっという間に身につけ、それを武器に活躍し始めているとのこと。本人と直接話したときも、話す姿、内容に自信が宿っていました

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明らかにこれはセールスの時と本人の成長スピードが違う、これは自分がとんでもない間違いをしたんじゃないか、という気持ちに襲われたのを今でも鮮明に覚えています。

その反省から導き出したメンバーの成長を最大化する上で意識している3つのことを下記にシェアしたいと思います。

1)「育てる」ができないことを理解する

この後輩も含めて、私自身チームメンバーの成長のために、1人1人かなり時間を投資してきた自負がありました。

ただ、振り返ってみると、自分とチームメンバーの目線が合っておらず、時間を投資したにも関わらず、自分が拾ってもらいたいボールの数々を認識すらしてもらえていなかった感覚です。

この自分とチームメンバーの大きなGAPから、ボールを掴むのはあくまで本人であって、他人がゴリ押しできるものではないことに気付けたのです。

他人が本人の人生に踏み込んで、「育てる」なんて偉そうなことはできない訳で、そもそもスタンスが間違ってたんです。

<やるべきだったこと>
・できることは唯一育つきっかけを創ること
・メンバーがきっかけを掴むために、掴みやすいボールを粘り強く投げ続けられること

2)得意を見つけ、環境を用意する

じゃあ、ボールをただただ投げ続ければ良いのでしょうか?

ボールを投げ続けているリーダーでも、チーム員が成長しやすい環境と、潰れやすい環境という差は歴然とあります。そこには、良いボールを投げる職人技が存在している訳です。

身近でチーム運営でも感じるでしょうし、例えばスポーツチームでも、この監督の下では若手がやたら育つなど、皆さんも感覚的に理解しているのではないでしょうか?

ただただボールを投げていた私が、環境を変えて劇的に成長したこの後輩の姿を見て反省したのは、苦手なことをやらせ過ぎて、自信を失わせたこと

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自信を失ったことで、次の行動が怖くなり、やってもやはり失敗で、ドンドン追い込まれていく悪循環。

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それに比べて、得意な環境で自信をつければ、得意な能力が伸びることによって、改善する能力もあるし、逆に自分の弱さに気付き、改善しようとする原動力にもなる好循環を生み出せる訳です。

<やるべきだったこと>
・後輩の持つたくさんの強さや特長を把握すること
・それらを総合して彼が一番活きる環境を、今いる環境だけではない広い視野で考えること

3)モチベーションの源泉を知る

最後に最も重要なこと。楽しむこと。

得意でも楽しくなければ続かないし、自分が楽しんで努力したときの学びの大きさは計り知れないので、それぞれのメンバーがどんなモチベーションの源泉があるのかを相互理解すること。

これまで何度もこの会話をチームメンバーとした私の経験として、意外とメンバーが自分のモチベーションの源泉を理解してないんですよね。

「やりたいことない/わからないんですよ」と言われることが多いこと多いこと。そこで必ず聞くのは

「もし給料がいっしょだったら、単純作業ひたすらする仕事でも良いの?」

と聞いたりすると

「いや…」

となったりするので、メンバーそれぞれに欲求は必ず存在しているんですよね。

OKRなど会社の評価に記載するものはどうでもよくて、本当に自分の気持ちがのる目標や目指したい姿を明らかにして行く作業が本当は必要だったのか、と気付きました。

<やるべきだったこと>
・配属当初に各メンバーのモチベーションの源泉を知り、相互理解すること
・その上で目標や目指す姿を明らかにして、逆算して、これからやる意味付けを一緒に考えること

まとめ

上司はあくまでサポーターです。部下が気持ちよく成長できる環境を整える、そのためにできることは下記の3つだと考えます。

1. 唯一できることは育つきっかけを創ることで、メンバーがきっかけを掴むために、掴みやすいボールを粘り強く投げ続けられること

2. 後輩の持つたくさんの強さや特長を把握し、それらを総合して彼が一番活きる環境を、今いる環境だけではない広い視野で考えること

3. 配属当初に各メンバーのモチベーションの源泉を知り、相互理解すること。その上で目標や目指す姿を明らかにして、逆算して、これからやる意味付けを一緒に考えること

これらを意識してから、私が見てきたチームメンバーの成長は大きく変わりました。そして、何年後かに

「今の自分があるのは、あのときのチームでの経験があるからです」

と言ってもらえる幸せはリーダーを勤める醍醐味の一つです。

より多くのリーダーがチームメンバーの成長に寄与できる幸せを味わって欲しい、そんな想いからnoteを書いてみました。少しでもお役に立てたら嬉しい限りです。


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