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#42 暗譜の練習はかなりツラい(レッスン8月2回目)

 前回のレッスンで、次回のおさらい会では暗譜をすることになりました。

 暗譜といえば、私が小学生のときに出たピアノの発表会。そのときは確かに暗譜で弾いていたと思います。しかし、曲も短いし、難易度も低かったので、何度か繰り返して弾いているうちに体が勝手に覚え、練習でも本番でも、特に暗譜に苦しんだ記憶はありません。

 そして、それから40年近く時間が経ち、その間、ピアノを弾く機会は何度かありましたが、暗譜をしたことが実はありません。暗譜をしようだなんて意識したことさえ全くありませんでした。

 つまり、私は今回、人生で初めて自分の意思で暗譜の練習をしようとしているのです。しかし、若くない、衰えた脳で暗譜はできるんだろか。。。

とりあえず暗譜で弾いてみたところ

 実は前回のレッスンで、

とりあえず、いきなり暗譜で弾いてみましょう!

と先生に言われたので、モーツァルト/ソナタ(K.333) 3楽章をいきなり暗譜で弾いてみました。出だしから全く弾けませんでした。。。

 右手のメロディは覚えているので弾けます。しかし、左手がまったく動かない。。。

では、最初の4小節分を楽譜見て弾いて覚えてください。覚えたら、暗譜しましょう。 

 今度は弾けました。すかさず、次の4小節分を覚えます。また弾けました。次に最初から8小節分を暗譜で弾きます。何とか弾けました。

 しかし、さらに次の8小節分を覚えて弾けたところ、16小節分を弾こうとしたら、最初の部分が弾けなくなっていました。。。

暗譜練習の時間効率が悪すぎる

 前回のレッスンは時間切れになったので、同じような方法で家で練習してみます。正直、賽の河原で石を積んでいるような気分です。

 楽譜を短く分けて、少しずつ少しずつ、暗譜できる範囲を広げていくのですが、少し時間が経つとすぐに前に覚えたところが弾けなくなる。。。何度もそれの繰り返し。。。

 暗譜の練習をしてあっという間に1時間が経ったのですが、最初から1ページ分くらいまでしか練習は進みませんでした。楽譜を見ながらの練習なら、1時間あれば相当いろいろな曲の練習ができるのになぁ。。。

 あまりの時間効率の悪さに気分が落ち込みます。健康寿命等を考えれば残り少ない人生、しかも仕事やプライベートなどいろいろな事柄を一生懸命片づけながら作り出した、それはそれは貴重なピアノの練習時間

 それをこのような暗譜の練習で浪費してしまっていいのだろうか。。。

 しかも、本番では必ずしも暗譜でうまく弾けるとは限らない。なぜなら、私よりもはるかに上手い人でさえ、本番で暗譜がとんでしまってなかなか復帰できず、ボロボロの演奏になってしまった例を何回か目撃しているから。

 彼女たちの練習が足りなかったためと結論付けるのは早計。絶対に私よりも時間かけて暗譜の練習やっているはず。それでも失敗するときは失敗する。

 本番で失敗してしまったら、今までやっていた暗譜の練習の意味って何なんだろう、と思い切り落ち込んでしまいそうなのが正直怖いです。。。

無意識で弾くと結構うまくいくが。。。

 あまりに暗譜の練習が遅々として進まないので、試しにテンポを上げて、勢いで暗譜で弾いてみました。

 すると、結構、暗譜で弾ける!

 なるべく無意識になるように、何も考えず、指先の感触だけを頼りに弾き続ける。すると、いきなり半分以上、暗譜で弾けました! しかも、意外と音色も綺麗なような気がします。

 しかし、これだと、ちょっとでも「次の音何だっけ」とか雑念が頭に浮かぶと、指先の感覚がおかしくなり、それが続くとクラッシュして弾けなくなってしまう。そして、「今どこ弾いていたんだっけ?」と、無意識状態から現実状態への切り替えに時間がかかり、復帰にも時間がかかる。

  それに、そもそも今回暗譜にチャレンジすることにしたのでは、発表会後のアドバイスで、弾きとばさずに音を工夫して弾くには暗譜が必要と先生が言ったから。無意識状態で弾いていては、工夫しようという意識も働いていない状態だから、やはりまずいですよね。

 結局、地道に暗譜の練習をするしかないのか。。。

というわけで、今回はレッスンまでの時間をほとんど暗譜の練習につぎ込みました。

先生には褒められたが。。。

 K.333 3楽章 暗譜で聴かせてください

 なので、練習の成果を発揮すべく、音や楽譜を思い浮かべ、ドレミの音名を頭で歌いながら、弾き始めます。途中でつまづいたりしながらも、記憶を呼び起こし、すぐ復帰して、弾き続けます。

 いつも体を揺らしながら聴く先生が、今回は神妙というか微動だにせず、黙って聴きづけているのがなんか妙な雰囲気、というか怪しい感じ。

 しかし、最後までは弾けずに4ページ分くらいまで弾いてそこで止まってしまいました。まだ、1週間しか暗譜練習していないので仕方がありません。そこで、先生が嬉しそうな顔しながら一言。

今までより、音が綺麗になっているのに気がついていますか?

 嬉しそうな先生にはほんと申し訳ないのですが、正直、私は音色のことはわかりません。私はダメ耳なので。

 それに暗譜自体がかなり神経を消耗するので、弾いていてあまり楽しくないというか、音を工夫するといった余裕がなく、音が良くなったという感覚は得られませんでした。

 でも、先生が言うのだから多分そうなのでしょう(モチベを上げるために嘘を言っている可能性もなきにしもあらずですが)。少しは暗譜の練習をやった甲斐がありました。

 先生の顔から「やればできるじゃないの!」と言っているような気がしますが、先生は、そのために私がかなり無理をして、どれほどの時間を暗譜だけにつぎ込んだのかは知ることはないんだろなぁ。。。

 初めて暗譜の練習をしてみましたが、正直、暗譜は得意な人はやればいいけど、暗譜が苦手な人はあえて本番でやるメリットはないなぁ、と思いました。時間とかが本当もったいないので。

 それに、あくまで音を工夫して弾けるようになることが目標で、暗譜はただの手段でしかないし。

 でも、一度やると決めたことを覆すのは嫌いなので、先生の耳だけを頼りに、今回は暗譜の練習を頑張りたいと思います。

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