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#50 暗譜は手段?目的?(おさらい会直前のレッスン)

 おさらい会の本番直前のレッスン。このレッスンは通常、1回通して終わりの軽い練習なのですが、この期に及んで相変わらず暗譜だと、弾き始めというか、出だしが安定せず、ガタガタの状態のままです。しかも、演奏停止が発生し、復帰にすごく時間がかかりました。困った。。。

 暗譜での練習自体は進んでいるので、家では譜面台に楽譜を置いていても、すでに弾くときは最初から楽譜自体は見てはいません。

 なので、出だしの対策として、本番で譜面台に楽譜を置いておき、一度出だしの譜面を眺めたあと、楽譜から視線を外して弾き始めれば(その後も当然譜めくりはなし)で弾けば、暗譜になるのでは、と先生に聞いてみました。

しかし、先生のお話だと、

暗譜とは『本番の舞台に楽譜を持ち込まずに弾くこと』です!
そうしたければ、そうしてかまいませんが、私はそれを暗譜だとは認めません。

とのこと。譜面台に置いてある楽譜をまったく見ずに弾いたとしても、その場に楽譜があったらダメなんだそうです。
(盲目のピアニストでも譜面持ち込んだら、その瞬間、暗譜じゃなくなるのかと、屁理屈が浮かびましたが飲み込みました(笑))

見た目も重要なんです。
暗譜に比べたら、楽譜を見ながら弾く姿はカッコ悪いです。
楽譜を見てなくても、楽譜があったら、聴く人はそれを暗譜だとは決して認めませんし、暗譜より上手だと思いません。

本来、楽譜を見ずに聴覚に集中して弾くことで、音が良くなったり、演奏が音楽的になったりする効果があるのが暗譜。

ずっと楽譜を置いてピアノを弾いていた私ですが、跳躍の多い忙しいワルツとかは大部分を楽譜を見ずに弾いていました。グリーグ/ホルベア~前奏曲のときもそうです。

そして、たとえ部分的でも暗譜で弾いていれば、その部分に関しては、暗譜で弾いているのと効果は同じだと思っていました。でも、

そうではありません。
やはり、楽譜を置いた状態と、最初から楽譜なしで弾くのでは、心構えというか、根本的に違うのです。

いい演奏するためには暗譜が必須という考え方はわかります。暗譜できてこその本番だという考え方の先生は多いと思いますし。私の先生も大人は諦めているのか、強制はしませんが、子供は暗譜強制です。

でも、暗譜はあくまで手段であって、ゴール(目的)ではないのではないだろうか。。。

ただ、やはりここまで言われては引き下がれない。

今回は目的と手段を入れ替えて、暗譜を成立させること、ただ「先生に暗譜だと認めてもらうことを目的」に本番に臨む決心を改めてしました。

たとえ、どんなに間違えても、止まっても、かなり前の部分に戻って弾きなおしても、時間がかかっても。。。その結果、音楽的には譜面見ながら弾いたほうがはるかにマシであったとしても。。。

というわけで、今回の直前レッスンはさらに粘り、次の高校生女子にも少し待ってもらって、計3回ほど暗譜での通し練習をしました。

果たして、本番は、先生に暗譜だと認めてもらえるかどうか。。。

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