製作日記29 「歌詞は聞かなーい」と言っている人たちへ
そういえば、さいきん製作日記を書いていませんでしたが、曲はずっと作っていました。
といっても即興演奏を基本としたライブルーピングなんで、いわゆる作曲ではありませんが。
最近のでいうとこんな感じで、歌詞(?)は以下の通り。
ホットミルクにバーボンを少し、
これで寝られないなら、あきらめるしかない。
テレビで誰かが小さな声で笑っている。
それは僕の知らない誰か。
甘い香りが扇風機の風に乗って消えていく。
さて、タイトルを回収したいのですが、私は「歌詞は聞かない」と言ってはばからない人があまり好きではありません。
(特に個人的な経験上、「私、音楽わかってますよ」感を出しながら「歌詞は聞かなーい」と言っている気がします。偏見ですが。)
もしかすると気が付いている方がいらっしゃるかもしれませんが、ポエトリーリーディングとして私が作る曲は、以下のような構成となっています。
①イントロとしてリフで伴奏を作る。
②ポエトリーリーディングで詩として曲のテーマを提示。
③アドリブソロで、曲のテーマを受けて新たな表現を加えていく。
④最初にポエトリーリーディングで提示された曲のテーマを再確認。
⑤アウトロ。
ポエトリーリーディングの部分を聞いていただかないと、曲のテーマを十分に理解できないんですよね……。
上記の曲のタイトルは
「寝られない夜をあきらめるために」
なわけですが、製作者としてはこの意味の深い所をまず詩にしているわけですよ。
もちろん、製作者の解釈が唯一絶対の正解というわけではありません。
ただまぁ、日本語が分からない人にかんしてはなかなか一聴してテーマを理解するのが難しくなってしまうのですが……。
(私の曲を聞いている人の90%が海外の人なんで、本当に申し訳ない。)
ともあれ、歌詞にはそういったテーマの提示という側面があることは間違いないと思うのです。
歌詞のある音楽において、言葉にすべき部分を言葉=歌詞にし、言葉にできない部分の表現をコードやメロディ、リズム・グルーヴなどが担うという相補関係にあるのではないでしょうか。
「歌詞は聞かなーい」と言ってはばからない人は、その曲の良さの一部を捨てているのと同じなはずです。
一方で私は普段、いわゆる洋楽、特に70'sのジャズ、ソウル・ファンクばかり聞いているのですが、この言葉にすべき部分を一聴して理解できないというハンデを負っているわけです。
なので、本当に好きな曲は歌詞もきちんと読んで理解した上で聴いてますよ。
あ、あと、歌詞が単なる言葉あそびや音の響きのみで構成されている場合があるのも分かります。
そういった場合でも、その言葉あそびや音の響きがメロディに乗ったとき、どんな化学反応を起こしているかが理解できれば、その曲の味わいがまた深まってくるのではないでしょうか。
とりとめのない文章ですけど、これにて。
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