ドイツで中古車を買いました ~中古車購入から納車までの流れ、必要書類、選ぶ際の注意点など~
はじめに
こんにちは!Ramawayです。
先日車を購入しました!
自分の体験を踏まえて、車を購入する手順、注意すべき点などについて具体的な流れをステップに分けてご紹介したいと思います。
「ドイツではじめてクルマを買ってみた」では、車の購入に関するアレコレを体系的にまとめてみましたので、車のご購入を考えている方は以下から読んでいただけると嬉しいです。
前提
私はDüsseldorf近郊に在住しています。
実際にドイツで中古車を購入してみての感想
正直、購入は日本よりも手続きが簡単だと思います。
車庫証明も不要ですし。
希望の車を探すのもネットで出来ますし、手続きもシンプルで
なによりも費用が明朗会計でとてもいいなと思いました。
費用が明朗なのは住宅契約でも感じましたが、すごいドイツの好きなところです。(笑)
ただ中古車を購入するときは、良い状態のものかどうか自分できちんと判断できる軸を持っていないと、だまされる可能性があると思うので、売り手任せにしてはいけないなと思いました。
車の種類
Neuwagen (新車)
日本と同様、ディーラーから購入。
Gebrauchtwagen (中古車)
個人またはディーラーから購入。
個人から購入すると消費税19%がかからない。
Jahreswagen (新古車)
最初に登録されてから 12 か月以内の中古車。ディーラーから購入。
車の購入~納車までのステップ
車を購入するまでにおこなったステップはこんな感じです。
STEP1:車の購入条件をリストアップする
STEP2:車を選ぶ
STEP3:車を買う
STEP4:車検(TÜV)を通す
STEP5:自動車保険に入る
STEP6:車両登録する
STEP7:車に常備しておかなければいけないものを用意する
STEP8:車をピックアップする
車購入から納車までにかかる時間はどのくらい?
車検がついているか、車両登録の予約がスムーズにとれるか否かで変わりますが、最短1週間くらいだと思います。
我が家は2週間くらいでした。
STEP1:車の購入条件をリストアップする
まず、色々と検索する前に車の利用目的を明確にしました。
我が家はこんな感じで考えました。
車に乗る人数は?
必要な性能は?(ナビetc)
こだわり・好みは?(色、車種etc)
予算は?
新車?中古車?
希望条件の優先度は?
ドイツの車価格の状況について
中古車、新車ともに過去最高価格です。(笑)
連邦統計局によると、2022年の消費者物価は7.9%上昇しています。
ドイツ自動車トロイハンド (DAT) *によると、中古車の平均価格は18,800 ユーロで、 1 年前より19% も高くなっているそうです。高すぎ。。。
原因はコロナパンデミックとウクライナ戦争の影響があるでしょう。
物流の遅延、ガソリン価格の高騰、半導体の不足などあらゆる原因が考えられます。
家探しもそうなのですがどんどん値段が上がっている感じが本当につらい・・・
EV自動車の普及率は?
ドイツはまだまだ普及率が高くありません。
理由は価格が高いことや、電気スタンドの普及がまだ十分でないことが挙げられます。
EV自動車の販売価格の半分以上はEVバッテリーの価格ともいわれていて、寿命も短いのでまだ時期尚早なのかなと。
ただ国が購入助成金を設けていたりしていたので、我が家も検討してみましたが、電気代も高い世の中なので買うのはもう少し後でもいいかな~と思い見送りました。
新車?中古車?
ドイツでは中古車を買う人が圧倒的に多く、その中でも約8割が個人での売買だそうです!
理由は個人の場合、消費税19%と中間マージンがかからないのでその分安いことが考えられます。
日本だと個人間で売買するのはごく少数なのでこれは欧州独特なのかもしれませんね。
日本ほど車購入時の複雑な事務手続きが必要ないというのも1つの理由だそうです。
また中古車市場の8~9割はMT車の取引で、AT車は超少ないです。
これもドイツに来て驚いたのですが、お値段もMT車の方が安く、種類も沢山選べます。
私も私の夫もAT限定の免許のため、AT車で条件の良い車を探すのに結構苦労しました・・・。
ドイツの方はMT車の方を好むのでしょうかね・・・?
STEP2:車を選ぶ
車の探し方は大きく分けると3つあるかなと思います。
日系ディーラーで探す
自動車検索サイトで探す
日本人向け掲示板で探す
デュッセルドルフの場合、日本人向けのサービスをやっている会社がいくつか存在します。お値段は地元のディーラーより割高だと思いますが、日本語でコミュニケーションができるので安心です。
私は利用したことがないので、口コミはよく分からないのですが、周りの知人の話を聞く限り以下が有名です。
個人で出している車、ディーラーが出している車両方を探せます。
検索サイトは以下2つが有名です。
スマートフォンアプリもあって、結構使いやすいです。
検索時には色々と条件を入れることができるので、こちらで色々と絞り込みができます。
たまーに駐在員の方が、日本に帰国するタイミングで車を出していたりされるときがあります。掘り出し物がもしかしたらあるかもしれません。
中古車を検索するときの見るべきポイント
走行距離(Kilometerstand)
ドイツは10万km以上の車も市場に出ていますので10万超えているからNGというわけでもないそうです。
車に詳しい知人によると、年式が古くて走行距離が全然ない車よりも、毎年1万キロくらいは知っていて定期的にメンテナンスがされている車であれば、後者の方が良いとのことでした。
所有者の数(Fahrzeughalter)
できればワンオーナーが理想です。
燃料の種類(Kraftstoffart)
ガソリン、ディーゼル、ハイブリット、EVなど
排出ステッカー(Umweltplakette)
グリーンステッカーの車両を選んでください。
次回の車検登録月(Hauptuntersuchung – HU)
1年以上ある車が理想です。
無事故か否か(Unfallfrei)
事故を起こしていない車を選びましょう。
メンテナンス記録があるかどうか(Checkheftgepflegt)
できればフルフルでメンテナンス記録がある車のほうが良いです。
気になる車は試乗する
気に入った車があれば現地訪問して実際に試乗させてもらいましょう。
不具合がないか、サイトに出ている情報と同じかもろもろチェックします。
ADACは、日本のJAFのような機関です。
ADACが中古車を購入するときの注意点について詳しく記事を書いているので参考になさってください。試乗時のチェックリストもあります!
上記サイトでも記載がありますが、
残念ながら中古車は当たりはずれが大きく、
悪徳な売り手の場合、偽りの走行距離に車をいじって出すようなこともあるみたいです…
事故車かどうかも、ディーラーは通知義務があるようなのですが、不安な場合は以下のようなサイトを使って、調べるのもいいのかなと思います。
8.9 EURで事故歴がないか、盗難車でないかのチェックができます。
ちなみに我が家はディーラーが言っていることに嘘偽りないかチェックするために利用しました。
個人から購入するのってどう?
私個人の意見でいうと、車にお詳しい方で、中古車を購入する際のチェックポイントをご存じであれば、個人での取引でも問題ないかなと思います。
ただし、保証がつかないため、購入直後になにか不具合が起きてもすべて自費になってしまいます。
なので、良くメンテナンスされている車であることが分からない場合は個人から買わないほうがいいと思います。
ドイツで自動車ディーラーから中古車を購入する場合、
致命的な欠損がある場合のみですが法律によりクーリングオフができます。そして 1 年間の保証が付属します。この保証は、欠陥の原因が購入前にすでに存在していた場合、購入後最初の数か月以内に発生した欠陥の修理費用を販売店が負担する必要があることを意味します。
※ ディーラーがそれを契約から除外しようとする場合は、とても怪しいのでそこで買わないほうがいいです。
STEP3:車を買う
オンラインサイトの価格は総額の値段です。基本これ以上はかかりません。
諸々と吟味したうえで気に入った車があれば、購入の意思を伝えて契約を行います。
即決はせずに、吟味して決めましょう。
我が家はなぜかノリと勢いで即決してしまったため若干後悔しています。(笑)
お金は振込 or 現金で売り手から指定がある方法で支払います。
外国人はローンを組めるのか?
18歳以上でドイツに在住していて、安定的な収入があるのであればローンを組むことは可能ですが、ドイツに来てまだ間もない場合は信用歴が短いので、金利が高くなる可能性があるためお勧めしません。
無期限滞在許可を持っている方の方が優遇された金利でローンを組むことができると思います。
我が家は一括で購入できる車にしました。
STEP4:車検(TÜV)を通す
ドイツでも、日本と同様、車両の安全性や環境性能を確認するための車検制度があります。Tüv(テュフ)と呼ばれています。
新車は最初の3年間は車検が不要ですが、その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。また、車検証は車に常備しておかなければならず、検査合格の証明となります。
HU(Hauptuntersuchung)とAU(Abgasuntersuchung)の2つがあり、検査場に行ってTüvをお願いすると両方の検査を受けることになります。
価格は会社によりけりですが70~150 EUR前後。
日本よりもずっと安いですね。
車検(TÜV)付の車であれば、自分で車検を受ける必要はありません。
ついてなくてもディーラーから購入する場合はディーラーが行ってくれることが多いと思います。
どこに行けば受けられるか?
認定された施設に行けば車検を受けられます。
「 TÜV + 都市名」で調べると、オンラインで近くの施設が予約できると思うので、車の書類をもって、向かえば大丈夫です。
車検完了後に受け取る書類
検査が完了すると、ここで以下の書類を売り手からもらいます。
前の所有者の車検証と車両登録書類
小さく3つ折りにできるもの
A4サイズ
TÜV 証明書
車検が通っていることの証明
STEP5:自動車保険に入る
自動車保険を購入すると、購入後に保険会社から
eVB 番号 ( elektronische Versicherungsbestätigung ) を受け取ります。
この番号は、車両登録をするときに必要になるので大切に保管してください。
自動車保険の種類
自動車保険の仕組みは日本と同様、義務保険と任意保険があります。
自動車賠償責任保険 ( Kfz-Haftpflichtversicherung ) 義務
部分保険 ( Teilkasko ) 任意
保険会社によるが、車上荒らしや自分の車への損害は含まないことが多い
総合保険 ( Vollkasko ) 任意
ほとんどすべての項目をカバー。
総合保険に加入する車は、平均15,000EUR 以上だそうです。
年式が古い車の場合は、部分保険に加入する方が多いとのこと。
年間の保険金額は平均600 EUR前後だそうです。
Tarifcheck で値段を比較してみて決めるのも良いかなと思います。
日本で運転歴が5年以上あれば、
無事故証明の英訳があれば保険料の割引がききます。
日本と同様、クラスの等級があり、それを異国からでも引き継げるそうです。
我が家は、「Alliantz Direct」にしました。
お値段は年間950 EUR前後です。高い。。。
英語でカスタマーサポートしてくれるところで、
補償範囲がほぼ全範囲カバー、
5年以上の運転歴がないので割引なし
といったところで平均よりも値段がかなり高いみたいです。
まー、言語ができないのでしゃーなし!
また、我が家の場合は地元のディーラーさんで購入したので、
車の故障についての保証も別途入りました。これはディーラー経由で契約し、2年間で400 EUR弱の保証料だったかと思います。消耗品は自費ですが、車の部品交換や修理にかかる費用をこの保証会社が負担してくれるというものです。
STEP6:車両登録する
ディーラーから購入する場合、ナンバープレートの登録や車両登録を代行してくれる場合がありますので、その場合はスキップしてください。
車両登録は、お住まいの管轄の自動車登録事務所 ( Kfz-Zulassungsstelle )で行います。
基本的に事前予約制だと思うので、公式サイトから予約を取ってから登録に向かいましょう。
その際に、自治体によっては希望のナンバーを事前に予約することができるサービスを提供しています。希望ナンバーがある場合は事前に取っておくことをお勧めします。早い者勝ちなので。
ナンバーの予約代金は10 EUR前後でした。
車両登録に必要な書類
中古車の場合です。私はこんなものを出しました。
※自治体によって異なるので詳細は自治体の公式サイトをご確認ください。
パスポート、ビザ
前の所有者の車検証と車両登録書類
(Zulassungsbescheinigung I および Zulassungsbescheinigung II)TÜV 証明書
自動車保険の証明書(eVB番号)
IBAN
自動車税は口座引き落としのため必要
ナンバー予約の証明
申請料金
自治体による。40 EUR前後でした
一通り事務手続きが終わり、料金の支払いを終えた後、
即席でナンバープレートを作ってくれる店が事務局に併設されていたのでそこに向かいました。
予約していたナンバーを見せて、即席で作ってもらいました。
ナンバープレートは40 EURくらいで作れたと思います。
ナンバープレートにかかる費用は、ナンバー予約代金と合わせて大体50 EURでした。
その後事務局にまた戻って、最終的に以下を持って帰りました。
これをもってピックアップに向かうことになります。
自分の名前が入った車検証と車両登録書類
(Zulassungsbescheinigung I および Zulassungsbescheinigung II)ナンバープレート 2枚(前と後)
排出ステッカー(Umweltplakette)
都市のステッカー
HU/TÜV ステッカー
HU/TÜV ステッカーの見方はこのような感じです。
真ん中の数字が年、周りにある数字が月を表しています。
この例の場合、2022年2月まで車検があるという意味になります。
黒く塗られているところは、警察に罰金か払うことになるデッドラインだったと思います。車検期限の4か月後とかだった気がします。(たぶん)
STEP7:車に常備しておかなければいけないものを用意する
ドイツの法律で車に常備しておかないといけないものがあるので、
そちらを用意します。もしかしたら車に既に常備されているものもあるかもしれないので、売り手に確認してみてください。
1. Warnweste(安全ベスト)
ドイツでは乗車する人数分の安全ベスト(蛍光ベスト)を車の中に常時入れておくことが義務付けられています。事故や検問などで警察に提示を求められた際に保持していなければ罰金が取られます。
2. Warndreieck(三角表示板)
ほとんどのWarndreieckは折りたたみ式になっています。
3. Verbandskasten(救急箱)
車の事故でけが人の応急処置をするために、救急箱を常備することが定められています。DIN 13164という規格に合ったものを準備しましょう。
事故や検問などで警察に提示を求められた際に保持していなければ罰金が取られます。期限切れでも違反の対象なので注意。
4. IVK - Internationale Versicherungskarte(国際保険カード)
以前は、「Grüne Karte(グリーンカード)」と呼ばれていたものです。
ドイツ国外を運転する際に携行を義務付けられています。
IVKは加入している保険会社に言えばもらえます。
また、自分の保険の加入証明も一緒に印刷して印刷して車内に入れておくといいと思います。事故時に確認することもあるので。
5.Fahrzeugschein - Zulassungsbescheinigung I (車検証)
Ⅱの方は自宅保管でOKですが、Ⅰは運転の際に運転免許証と同様保持する義務があります。
事故や検問などで警察に提示を求められた際に保持していなければ罰金が取られます。
STEP8:車をピックアップする
長かったですが、これでやっと車をピックアップできます!
車両と車両マニュアル、メンテナンスノートなど、色々な書類を受け取って、ナンバープレートにステッカーを貼ってもらい無事納車です!
おわりに
とっても長くなってしまいましたが、車の購入ステップをまとめてみました!
これからドイツで車をご購入される方の参考になりますように…♡
最後までお読みいただきありがとうございました!