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イベルメクチンとは

コロナウィルスやコロナ後遺症、ワクチン後遺症などで効果が期待できると度々噂される「イベルメクチン」について皆さん深くご存じでしょうか。
今回は、皆さんと一緒にこのイベルメクチンという薬についてみていきましょう。

イベルメクチンは、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の特別栄誉教授である大村智氏と米Merck社が共同研究を行い創製された今から40年前の1981年に開発された抗寄生虫薬です。家畜動物の寄生虫駆除等に用いられる他、中南米の河川で発生していた失明に至るオンコセルカ症や、脚のリンパ腺でフィラリアが増殖し象皮様を呈する象皮病の治療薬として注目を浴びました。の治療などで長年用いられてきました。

イベルメクチンは寄生虫の神経細胞や筋細胞に存在するグルタミン酸作動性クロライドチャネルに選択的に結合し、クロライドに対する細胞膜の透過性を上昇させます。その結果、寄生虫の細胞に過分極が生じ麻痺することで死にいたらしめます。

Merck社は1981年にイベルメクチンを動物用の医薬品として発売しました。その後、1987年にフランスでオンコセルカ症のヒト用医薬品として承認されました。国内では2002年に腸管糞線虫症の効能・効果で承認され、2006年には疥癬(かいせん)の適応症が追加されました。国内ではMSDが製造販売元マルホが販売元になっています。

また、抗ウイルス効果が示唆されており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬に転用するための研究が国内外で実施されました。
諸外国ではイベルメクチン投与で効果あり、の治験が相次いでおり、死亡率、症状改善、回復までの期間、重篤な副作用など解析したすべての項目でイベルメクチン群が優れていたとの報告があります。新型コロナウイルスがヒトの細胞内で増殖する際に、ウイルスのたんぱく質の核内移行を阻害し増殖抑制に働くとされています。その一方でイベルメクチンに否定的な報告もあります。アメリカはどちらかというと使用に消極的で、アジアでは注目が集まり需要が急増しています。

尚、海外の研究では、同薬のSARS-CoV-2に対する増殖抑制効果も確認され、さらに大村智記念研究所(旧北里生命科学研究所)でも、試験管内の培養細胞を用いてウイルス増殖の阻害率を検証しており同様の効果が確認されています。先日発表されたコクランレビューでは、現段階のエビデンスからはイベルメクチンの有効性、安全性は不確実とされています。

大切なのはコロナにかからない免疫の強化ですが、ちょっとした風邪だと思い、抗原検査キット等でコロナと診断された場合等の軽症の場合には、イベルメクチンの投与はありだと私は思います。その場で飲めて副作用もほとんどありません。念のためですが、あくまでも医師と個人の責任で使用してください。

こちら、イベルメクチンを扱っているクリニックなどを見つけました。


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