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眠りの恩恵

暮らし方は私たちの健康に直結している。
食べること、身体を動かすこと、人と関わること、眠ること。
私達が日々健やかに、元気に活動するために大事なこと。
睡眠は要のひとつで、思考、感情、身体に大きな影響を与えている。
今回は眠りが関係していることとして、記憶について書いてみようと思う。

眠ることで、記憶が保持されることを知っている人は多いかと思う。
実際には単に保持されるだけではなく、強化され、向上することが分かっている。
何かものごとを、上手くこなせるようになるためには、どうするか?
繰り返し、その作業に取り組むことが必要だろう。
演奏、料理、勉強、ダンスなどなど。
寝る間も惜しんで取り組んだ方が、より定着し上達するように感じられる。けれど実のところ、知識であれ、手順や操作方法であれ、眠った方がより定着し、更には眠る前より向上することが明らかとなっている。
何度チャレンジしても上手くできなかった作業が出来るようになったり、解けなかった問題が解けるようになったりする。
つまり眠ることで、知力、学力、認知力も向上する。
東大に現役合格する子ども達や、難解な数学の問題に取り組む数学者などは、睡眠をないがしろにしないのだとあった。眠っている間に問題が解けるようになるというのに、なぜ眠らないんだ?というわけである。
眠らないことで、記憶力は低下し、学力は伸びず、作業効率は落ちる。
睡眠不足のせいで、自分が本来持っている能力を、十分に発揮出来ていない。

私達は日中に活動することで、脳内に新たなシナプス(脳神経細胞同士のつながり)をつくっている。この膨大なつながりが、残すに値するものであるかどうかを眠っている間に選別、整理していると考えられている。
値すると判断されたものは残され、値しないと判断されたものは消えていく。
ではこ、の判断(重みづけ)はどのようになされているのか?
やはり作業を繰り返し行うことが必要となる。これだけ繰り返すのだから、大事なのだと重みがつけられる。
そしてもうひとつ、情動が絡んでくるという。その作業をしながら、しみじみと感じ入った時に重みづけがなされる。(ああ、なんて面白いんだろう)とか、(ああ、この文章はあの景色を思い出させるなぁ)といった風に。

脳にとって何を残すか?は、生き残るために大事な情報であるか?が指標となる。繰り返されることや、感情が動いたことは、大事なこととして認定されるということなのだろう。