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学校現場で多様性を考えてみる

コロナ療養中で時間がたくさんあったので、いつもとは違う記事書いてみます。


はじめに


小学校から異動し、中学校で勤務をすることとなった今年度。
担任として迎えた最初の時間。
学級開きでの担任の語りです。
これまでの経験、自分の思いを織り交ぜて語ろうと決めました。
ただ、だらだらと話をしたり、パワポ等で視覚的な効果で引き付けて話をしたりするのは違うのかなと思っていました。

自分の語りのみで勝負。
でも簡潔に済ます。
どんなことを話そうか頭の中で考え、いざ当日を迎えた。

語ったこと=学級づくりへの思い
一言で表現するなら「多様性を認める」です。
大切な言葉なので黒板にも書きました。
・一人一人が違う
・良さも欠点もある
・みんなが安心して過ごすためには、違いを認めることが大事
・仲良くなることを求めているのではなく、違いを個性として認めて行動してほしいということ

その後、学級目標を決める時間になると、ある生徒から「和音」という言葉が提案されました。
理由を聞いたときに、私が最初に話をした「多様性」という意味も入っているということを語ってくれました。
一人一人の個性=音 と定義して、
違いがある個性を合わせていくという意味で「和音」


担任が願っていることを踏まえて学級目標を提案してくれたことがうれしかったです。
さすが中学生。


中学校の校則から多様性を考える

今まで当たり前のようにあったルール、校則を考え直す必要があると思っています。例えば
・男女で分ける制服
・体育着、ジャージ(肌着も含め)
・頭髪
・身だしなみを整えるためのアイテム(櫛、ヘアゴム、日傘など)

それぞれに意味があって校則が定められています。
しかし、生徒にどれだけ理解されているのか。
そして、生徒はどれだけ納得しているのか。

性の多様性という観点で考えてみます。
LGBTQのように、性的マイノリティの生徒がいた場合、どれだけその生徒に寄り添うことができるのだろうか。
・服装についての不安
・トイレの使用に関する不安
生徒の力だけではどうしようもできないことです。
校則だから!と押し付けてしまったら、その生徒にとって学校はとても居心地の悪い場所となってしまいます。

だからこそ、意識するべきことがあります。
「もしかしたら性的マイノリティの生徒がいるかもしれない。」
「ちょっとした一言で傷付く生徒がいるかもしれない。」
「男女…という分け方は当たり前ではない。」
こんなことを考えて、日々学校生活を送るようにしています。
もちろん、考えているだけではどうしようもありません。
しかし、多様性についてのアンテナを高く張っている状態でいることが重要です。



小学校で変えたこと

性的マイノリティに関することは、小学校で勤務しているときも意識していました。

ある年、小6の担任をしたときに、授業参観でこの内容を扱いました。
ジェンダーギャップ指数
LGBTQとは…
あるべき違い、なくてもよいのではという違い
6年生が保護者と一緒に考えることで価値観をゆさぶってみました。

また、以下のことを変更してみました。
男女別の背の順→男女混合の番号順
番号順にしたことで特に不都合はありません。
後ろの児童が前が見づらいのでは…?大事な場面ではこちらが移動したり、列を崩したりしますので、大丈夫です。
運動会 男女別の徒競走→男女混合
これで平等。男女の人数が極端に違う学年もあるので、みんなで変えました。
持久走記録会 男女別のゴール→同じゴール
これは、もともとがおかしい。
運動場のトラック上にゴールがあったのですが、男子は普通のゴール。女子はその外側のコースだったのです。
それまでは男女別々に順位を記録していたたため、同時にスタートするけどゴールを分ける必要があったそうです。
「なんで女子のゴールは外側?ちょっと遠くなる。」
もし、児童にこのようなことを聞かれても、納得感のあるような説明ができません。だからこそ変えました。

このような変更を続けながら、自分自身の意識も変えます。
「男子ー 女子ー」という声も掛けないようになってきました。
児童も男女別に分けて何かをやるということをしなくなってきました。
ある子が「だって女子は・・・・なときがあるでしょ。」と言った時、即座に「その言い方って男女差別にならない?」と指摘した子がいました。
おー、浸透しているなあ、と感心しました。

もちろん、トイレや更衣室など、施設面に関しては簡単に変えることはできないので、一部しか多様性に配慮していないのかもしれません。
それでも、学校として少しずつできることをすることで、意識を変えていきたいという思いが強かったです。

学校現場では、まだまだ変更できることがあるはずです。
・1年生の通学帽子は指定(男子はつば付き・女子は丸帽子)
→あきらかに男女別。そこまでしなくて良いのでは…。

・男女別の体育着のハーフパンツ(娘の小学校 今年度から選択可能になりましたが、それまではあきらかに男女別のハーフパンツでした)



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