コミュ力高めの少女たち 不機嫌にならない2人
小学生の長い夏休み、そうそうイベントも企画できるはずもなく、ただただ無為に過ごす日も多い。
そんな中でようやく訪れた娘こだぬきにとってのビックイベント
「お泊まり会」
初めて我が家にお友達が泊まりに来る。小学校区が別れてしまったために離れ離れで過ごしている保育園時代の友人。
久しぶりに再会するとモジモジして、時間を無駄にしていた2人も小学校3年生にもなれば、堂々としたもの。照れながらも、すぐに打ち解けあった。
成長してるなあ
トランプして、ゲームして、お風呂に入って、早々に寝床に入っても、2人は顔を見合わせてくすくす笑い、なかなか眠れない様子。
「寝れないんだけど」
別の部屋で横になってると、ドアが開いて、上気した2人の顔が並んだ。
「おしゃべりしてるから寝れんのやろ。目つぶって口閉じて横になっとき!」
そう言っても2人は「寝れなーい」と嬉しそう。せっかくだし、思う存分夜更かししてくれとは思いつつ、音楽を聞かせて、明かりを暗くして、なんとか眠りについた。
保護者としての役目を果たしたと、ほうっと一息。
気が合うんだな
しみじみ思った。娘こだぬきは、よく気がつく方で、いわゆる「空気が読める」タイプ。
そのせいで、ついつい相手を優先してしまいがち。そんな彼女の1番の強敵は
不機嫌
一緒に遊んでいて自分が劣勢になる、やりたくない遊びに付き合わされる、そんなシチュエーションで不機嫌になる子(いや大人でも)は多い。
嫌なことなら辞めればいいし、お互いが納得できる遊びに変更すればいい。
でも「不機嫌」の厄介なところは、自分ではっきり「嫌だ」といわないところなのだ。
どうしたの?
別に
辞める?
辞めなくていい
じゃあなんで怒ってるの?
怒ってない
こんな調子では、遊びを続けることは難しい。
「なんで◯◯ちゃんはすぐ拗ねるんだろ」
学校から帰宅した娘こだぬきからよく聞く話。
娘こだぬきと同じように、たぬきちも長らく不機嫌に悩まされた経験がある。
困ってる
辛い
嫌だ
そう言わずに、全てをため息と不機嫌に変えてしまう類の人がいる。
あなたの頭の中を読みとって、完全に理解することは不可能。いっそはっきり怒るなり、叱るなりして欲しい。
よくそう思っていた。
今日半日ほど2人が遊びながらケタケタ笑っている様子を見ていて気づいた。2人は不機嫌にならない。
トランプで苦手な遊びをしていても、
「苦手なんだよ」
「大丈夫できてるよ」
怖い話を披露しあっても、
「思いつかない」
「じゃあ私が先に話すね」
苦手だ、できないと素直に伝えて 相手も受け入れる。自分ができていなくても、(少し落ち込んでそうでも)不機嫌にならない。
楽しそうに過ごしている2人の少女の会話を聞いていてたぬきちは驚いていた。
すごい!!
この2人、コミュニケーション力高くないか!?
楽しい時間はあっという間に過ぎ去って、朝が来て、ひとしきり遊んだあとお母さんが迎えに来た。
また、しばし会えない2人の時間が始まる。
良き友はなかなか得難いもの。2人の友情が続きますように。少女たちの友情を見守りつつ、母は大役をこなしてほっとしたのでした。
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