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早春の上野公園で美術館をはしご♪

上野の東京都美術館で開催されている印象派展 モネからアメリカへ~ウスター美術館所蔵~を観てきました。

会場内のフォトスポットにて

ボストン近郊にあるウスター美術館の印象派コレクションを中心に、印象派の革新性とその広がりを紹介する展覧会です。
今年、2024年は、第一回印象派展の開催から150年になるそうで、モネやルノワールら印象派を代表する巨匠から、ヨーロッパでの印象派の発展、アメリカや日本で印象派の影響を受けながら独自の画風を切り開いていった画家たちまで、印象派の諸相をみることができます。

展示作品のいくつかは、公式サイトに解説とともに載っています。

https://worcester2024.jp/gallery/

第1章「伝統への挑戦」では、急速に近代化が進む19世紀に、歴史画を頂点とする伝統的な西洋絵画のヒエラルキーを覆して、印象派の先駆けとなった画家たちの作品が展示されています。
神話や歴史、宗教の背景としての風景や名所旧跡を描くのではなく、身近な風景そのものを描いた、バルビゾン派写実主義の画家の取り組みは画期的なものでした。
フランスのコロークールベの他、同時期のアメリカでも自国の雄大な自然を描いて人気を博す画家が出てきていたことは、今まで知りませんでした。

第2章は「パリと印象派の画家たち」。
モネ、ルノワール、ピサロといったフランス印象派の中心人物だけでなく、彼らと現地で親交を深め影響を受けたアメリカ人の画家として、メアリー・カサットチャイルド・ハッサムの作品が並びます。
カサットの描く母子像は、同時期の印象派女性画家であるベルト・モリゾとはまたニュアンスの異なる、温かくも大らかな雰囲気が好きです(モリゾの作品からは、いつもどこか憂いを帯びている印象を受けます)。

第3章では「国際的な広がり」と題して、フランスで学んだ画家たちが自国に新しい絵画様式を持ち帰って独自に発展させていった、印象派受容の様々な形を展示します。
ここでは、スウェーデンの国民的画家アンデシュ・レオナード・ソーン作の『オパール』という作品が印象に残りました。
緑や湖、人物の肌にきらめく光を細やかに捉えた筆触がとても素敵です。

第4章では「アメリカの印象派」を取り上げています。
ヨーロッパに留学した画学生、帰国後の彼らから印象派の様式などを学んだ画家…。アメリカ各地で様々な展開を見せた絵画表現が見られます。
J・H・グリーンウッドが、地元ニューイングランドの牧歌的な風景を描いた『リンゴ園』の静謐で明るい美しさ、チャイルド・ハッサム『コロンバス大通り、雨の日』に漂う空気感や絶妙な色合いと画角が印象的でした。

最後の第5章は「まだ見ぬ景色を求めて」。
フランスのポスト印象派や、ドイツの表現主義、アメリカのトーナリズム(色調主義)など、印象派を超えてさらに新しい絵画を求め模索した試みの数々を展示しています。
この章で目を惹いたのは、ボストンの画家F・W・ベンソン『ナタリー』に描かれた女性の、きりりとした佇まい。20世紀初頭のアメリカ女性の、近代的な自立した気風が伝わってきます。

全体を通して、穏やかで繊細な美しい作品が多く、好みに合いました。


せっかく上野まで来たので、国立西洋美術館の常設展も覗いてきました。
こちらは嬉しいことに一部を除いて写真撮影可能。少しご紹介します。
小企画展は「もう一つの19世紀」という切り口で、アカデミックな様式を受け継ぐクラシカルな女性像(印象派とは全く異なる画風)の作品が並んでいました。

W.A.ブーグロー『ガブリエル・コットの肖像』
W.A.ブーグロー『純潔』
国立西洋美術館 常設展示小企画展ポスター


最後に、この日の「美味しいもの」。
アトレ上野に入っているブラッスリー・レカンのランチです。

牛ほほ肉の赤ワイン煮
お肉の柔らかさ、赤ワインソースのコク等々申し分ない美味しさ♪
アトレ上野 ブラッスリー・レカン店内


目もお腹も大満足の、充実した一日でした♪



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