共働き夫婦は生活費でもめる 別々の口座で“どんぶり勘定”に不信感【離婚前夜・千夏編2】
“夜のお店の番号発覚”事件には、やはり腹が立った。
思えば、結婚してから生活費について、あいまいなままだった。
共働きをいいことに、特に取り決めもしなかったのだ。
ざっくりと、支払う分は決まっていた。
長男を生まれたのを機に、中古のマンションを購入しダブルローンを組んでいた。
年収はだいたい同じくらいだ。
保育園や習い事の支払いを夫が、そのほかの生活費全般は私が出していた。
大きな旅行があれば、夫が出したが、トータルで考えると、どう考えても、私のほうの出費が多い。
もしかして、浮いたカネで夜のお店に行っていたのか。
いや、行っていたのだ。
自分はつつましく、スーパーの特売日に大量に買い物をして、できるだけ生活費を抑えようとしているのに……。
こんなバカげた話、あるのか。
怒りが収まらない。
そういえば、友達の共働き夫婦も生活費をめぐって、よくケンカすると言っていた。
「私のほうが払っている」「いや、俺のほうが多く払っている」
どちらが、どれだけ払うかでもめるのだ。
結婚当初、会社の先輩から言われた言葉を思い出した。
「絶対に2人の口座を一つにしたほうがいい。そこに、2人の給料を入れるの。そうしないと、後で絶対にもめるよ」
口座を一つにして、夫婦の給料をそこに入れて一括管理するのが、わかりやすく、明瞭会計だ。
夫婦それぞれが、別の口座で管理しているから、互いにカネの出入りが分からない。
だから、疑心暗鬼になって、次第に不信感が募っていくのだ。
結婚7年目。
もう、夫は信用できない。
はっきりそう思った。
私もやってやる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?