吉田真由美(フリーアナウンサー)

パートナーズ・プロ所属。『眠れない夜に、ここでは少しホッとできる』と思って頂けるような…

吉田真由美(フリーアナウンサー)

パートナーズ・プロ所属。『眠れない夜に、ここでは少しホッとできる』と思って頂けるような場所を目指して物語を作り朗読をしています。「必ず思いは届く!」と言葉の力を信じて…心を込めて頑張ります♬

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【声で届けたい🤲💕】《朗読》『インタビュー』

アナログ人間なので、昨日の初投稿はドキドキでしたが 多くの方に読んで頂けてすごくうれしかったです(●^o^●) ステキな出会いに心から感謝致します。 さて、今回は『インタビュー』という作品をご紹介します。 主人公は、いつも失敗ばかりのアナウンサー。 でも、「『あの子』の分も頑張ろう。夢を奪ってしまったせめてものつぐないに…」と懸命に頑張っています。 ある日、話題の小説の作者にインタビューする事になったのですが 忙しくて当日になっても小説を最後まで読めていません。 果たして、無事にインタビューを終える事ができたのか。 作者が、小説に込めた思いや『シニヤセン』という言葉の意味とは。 ラストでは、『あの子』が今どうしているのか… 主人公の事をどう思っているのかが分かります。 最後までお聴き頂けたら幸いです♡

    • 【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 最終話

      「ありがとうございます」 「ううん。私は何も。ほら見て!きれいよ」 見上げると空に星が輝いていた。  しばらくして、余韻を残すように波の音が終わった。 「ねぇ~ブランコにでも乗らない?」 「……はい」  ひかりさんの嬉しそうな声と鈴虫の声が聞こえる。 亜樹はもう動画を再生させずに立ち上がった。

      • 【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑨

        「どんくさいのに完璧主義者なんです」 「そっか。頑張り屋さんなんだね!自分で自分を許してあげる事ができたら世界が変わるかもしれないよ。『良い』か『悪い』かの間に、前に進む為の『まぁ~いいか』もあるとちょっと気持ちが楽になるかもしれないね」 ひかりさんの顔が涙で滲んだ。 波の音が優しい。

        • 【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑧

          「種は“心の冷凍庫”にしまっているから、取り出すと鮮明に記憶がよみがえっちゃって正直書く事を苦しいなって思う事もあるの。でもね、花が開いた時にやっとその抱えていた思いを手放す事ができるような気がするんだ」 目尻から伸びる皺の数が、ひかりさんの優しさそのもののように感じた。 「私……」

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        【声で届けたい🤲💕】《朗読》『インタビュー』

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          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑦

          ひかりさんは、眠れない夜に小説を書くようになったと言う。 「辛く悲しい経験もね、そこから生まれてしまった黒い感情も時には失敗や人には話せないような恥ずかしい体験だって、“物語の種”になる。だから、もうどんな自分も否定したり嫌いになったりしなくていいんだって思えて心が少し軽くなった」

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑦

          【1話140字】 小説 『パーク スパークオブホープ』 ⑥

          ひかりさんは亜樹の顔をしっかり見ながら、「私もね、眠れなくなっちゃった事があるの」と言った。 不器用な性格の為、子育てやママ友との関係に悩んでいたそうだ。 「あの頃の私は、ずっとダメな自分を責めていた。でもね、今は『失敗してもいい世界』を見つけたから毎日がすっごく楽しいなって感じる」

          【1話140字】 小説 『パーク スパークオブホープ』 ⑥

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑤

          公園に着きしばらく鈴虫の声に耳を傾けていた亜樹は、近くに虫がいっぱいいる光景を想像してしまい急に怖くなった。 それでもベンチから立ち上がる気力が沸かず、仕方なく波の音で気を紛らわせていた事を話した。 「虫がいるかぁ……考えた事なかった〜」 うふふと笑ったひかりさんは、そっと目を閉じた。

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ⑤

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ④

          「聞いてくれてありがとう。もしかして~、あなたも“家出”?」 「いえ……眠れないからコンビニにでも行こうと出てきたんですけど、気がついたらここに」 亜樹はスマホを操作すると、「これを聞いていました」と差し出した。 月明かりに照らされた海の映像が流れている。 寄せては返す波の音が心地いい。

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ④

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ③

          「家、出てきちゃったの」 ちょこんと端に座ったひかりさんが、うふふと笑った。 夫の好物を作り置きして東京に住む息子の元に行っていたが、外食したらしく帰宅してきた途端「傷んでいるだろうから捨てておいて!」と言われてしまったそうだ。 「ひど~い」 「ねぇ~!こっそり捨ててくれればいいのにね」

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ③

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ②

          「こんな時間に1人でいると危ないよ」 母親が幼子に言うようだった。 初対面の相手に個人情報を教える方が余程危険ではないのかと思ったが、タンポポの綿毛のようなふんわりとした笑顔を見ているうちに亜樹は本能的にこの人は大丈夫だと感じた。 そっと席を横にずれる。 「ありがとう。足がパンパンで~」

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ②

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ①

          午後11時の公園。 波の音と鈴虫の声が聞こえる。 白岩亜樹はベンチに座って考え事をしていた。 「隣……座ってもいい?」 驚いて見上げると50代くらいの女性が立っていた。 「びっくりさせちゃってごめんね。私、丹羽ひかりって言います。そこの7階に住んでいるの!」 北側に建つマンションを指差した。

          【1話140字】 小説 『パーク スパーク オブ ホープ』 ①

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー 最終話』

          「溺れそうになったら浮いて待つ!苦しい時、辛い時こそもがかないで!そうすればちゃんと呼吸できるから!」 友人らしい『人生のエール』だった。 海に潜ると、透明な石みたいな泡が無数に上っていった。 揺らめく陽光が見える。 光からどんどん遠ざかって海底に沈んでいっているのに、胸が高鳴っている。

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー 最終話』

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ⑥』

          再生ボタンを押すと、ウミガメが映っていた。 羽ばたくように泳ぐ姿や海の青さに癒される。 スマホを耳に近づけ、目を閉じてごぉぉぉ~という呼吸音を聴く。 水中にいるような気持ちになる。 漂うような今の生活に似ている。 怖がらなくていい。 焦らなくていいと思えた。 いつかウミガメたちに会ってみたい。

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ⑥』

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ⑤』

          「あんたはさ~優しすぎるんだよ!だから、時々誤解されちゃうのかもね。でも、相手の事ばかり考えて自分の本当の気持ちを隠すのって、ずっと自分に嘘をつき続けているようなものでしょ。『嘘』に溺れる!そりゃ~疲れて当然よ!」 「水の中はいいよ~!」とスキューバダイビングの動画を送ってくれた。

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ⑤』

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ④』

          考えた事もなかった。 喜んでくれるなら全部渡してもいいと思っていたから。 ただ相手に気を使わせないように1つ貰うか、「食べたばかりだから」と3つ差し出す。 今までそうやって生きてきた。 でも、それがかえって相手を傷つける事になったかもしれないし、本音で話さないから孤立したのかもしれない。

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ④』

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ③』

          スマホを持つ手に力が入る。 「もしもし。本当はね……ずっと休職して家にいるんだ。相変わらず協調性がなくて」 「はぁ?あんたはいつも自分よりも他人を優先するじゃん!2人でいてパンが3つあったらどうする?」 「2つ渡し……」 「ほら!1つは半分こすればいいしあんたが2つ貰ってもいいんだよ!」

          【1話140字】 小説 『ホワイトライ フィールブルー ③』