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変化の詩

『好み』

好きな食べ物が変わる。
美味しいと思っていたものが、濃すぎると感じるように。
苦いなと思っていたものが、効いてるなと感じるように。
好きな音楽が変わる。
ノリノリで陽気で楽しいと思っていたものが、煩いなと感じるように。
静かで詰まらないと思っていたものが、心に沁み入ると感じるように。
好きな漫画が変わる。
心が血湧き肉躍ると思っていたものが、つらいなと感じるように。
説教くさいなと思っていたものが、道標だと感じるように。
心の端っこから、徐々に変わっていく。
新しい色で塗りつぶされていく。
やがて胸を食い破り、身体も乗っ取っていく。
足の先から指の先まで覆い尽くされていく。
次に目を開ける時、"私"は残っているのだろうか。

『靴』

新しい靴は,少し硬い。
とんとんとん。
爪先を地面に叩きつけないと、靴全体に足が収まらない。
とんとんとん。
小さな痛みを感じながら、足を窮屈な空間に閉じ込めている。

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