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夏目漱石「坊っちゃん」考察

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夏目漱石「坊っちゃん」に関する考察です。「坊っちゃん」は坊っちゃんの遺書?
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2024年2月の記事一覧

夏目漱石「坊っちゃん」③ 漱石の経歴

1、漱石自身について「坊っちゃん」の作者:夏目漱石の略歴はこんな感じである

・本名・夏目金之助。慶応3年(1867年)生まれ(なお翌1868年が明治元年)。
・現在の東京大学にあたる帝国大学の英文科を卒業。
・妻・鏡子は10歳下で明治10年(1877年)生まれ。二人は明治28年(1895年)にお見合いで出会い、翌年に結婚。
・見合いの時点で漱石は27~28歳、鏡子は17~18歳。
・妻と見合いを

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夏目漱石「坊っちゃん」② 堂々と金で男を選ぶヒロイン

1 あらすじ「坊っちゃん」のあらすじを示しておく

明治39年(1906年)発表。
東京で生まれ育った20代前半の主人公男性「坊っちゃん」。
子どもの頃に母は病死、その数年後に父も病死。唯一の肉親は兄だが、あまり仲は良くない。
ただ、家のお手伝いのお婆さんであった「清(きよ)」だけは主人公を非常に可愛がってくれた。タイトル「坊っちゃん」も清が主人公を呼ぶ際の呼び名。
父の死後、兄は仕事で九州に移り

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夏目漱石「坊っちゃん」① 「坊っちゃん」は暗い話である

夏目漱石「坊っちゃん」で「画像」の検索をかけると、
活発そうな明るい青年が表紙の漫画が出てくる。
しかし「坊っちゃん」はそのような明るい爽やかな内容ではない。
けっこう暗い、かなり暗い話である。

「坊っちゃん」の内容を無理やり一文にまとめれば、以下のようになる

・新任の教師が教頭を殴って1か月で辞める話
・ヒロイン(「マドンナ」)が婚約者をあっさり振って金と地位のある男になびく話
・主人公に友

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