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読書感想文の作り方:例

重松清「ナイフ」(新潮文庫)

  • p101 ナイフを買い、それを肌身離さず持つ父の姿

    • 実際にナイフを使ってやると~とは思ってないと思うけど、そういうものに頼って安心してしまうのは人の弱さなのかも?

    • 自分がナイフを持っていることを誰も知らないことに上機嫌になるのは、頼っていることを知られたくないのかも?

    • ちゃちなナイフだけど『私には似合いのナイフだ』と言い、自分が臆病なことを自覚している。

  • p105 真司の元へ行く途中、真司が生まれたときのことを思い出す

    • 「生きることに絶望するような悲しみや苦しみには、決して出会わないように。」印象に残った言葉。たしかに甘い父親なのかも知れない。でも、私はそれでいいと思う。

  • p115 夜中の真司と父親の会話

    • 自分は臆病者だよと息子に言ってあやまる父親の姿はせつなくなった。

    • ナイフを息子にやろうとしたとき、わたしちゃうんだあと思った。私がわたされても断る気がした。持ってしまうと、それに頼ってしまう弱い自分になるような感じがして悲しくなるように思ったから。

    • ナイフをじっと見つめて、「ごめんね」と小さく言った息子は、ナイフをもつことになった父に対してもあやまったのかなと思う。

  • p118 「ほんのわずかだけ、背負ったものの重さが消えていく心地よさを感じながら、私は人差し指をいつまでも吸っていた」というところに心ひかれた。

    • 家族みんなで分かりあえたことによって、解決しなくなって重みは消えていく。家族っていいなあと思った。

    • いつまでも人差し指を吸っていたのは、その心地よさをずっと味わいたかったんだと思う。

  • p120 父親がグラスにナイフを入れ、ウィスキーをのむところ

    • 「人より強くなくてもかまわない、父親を、おまえは超える」と一人ウィスキーをのみながら思う父親は、少し小さくみえたがそれはそれでいいと思い、心にひかれる姿だった。

    • 刃に触れないように気をつけて唇を湿して、それでいい、と思うところはナイフなんてこれくらいのもんだよなと思った。なんか、あったかい気持ち。

    • ここで、この酔い心地がヨッちゃんにも伝わればいい、とヨッちゃんがでてくるのは、ヨッちゃんも相手はちがうけど戦っている人だから、こういう気持ちは味あわせたかったのかなと思う。

  • p122 二人で家を出て行くところ

    • 「二人とも同じくらい~。同じくらい、というところがなんとなくくすぐったい」お互いに気持ちが通じているように思いうれしくなった。

    • 真司を十四歳の兵士とし、自分を四十歳の負傷兵とあらわし、解決なんてしてないけど、二人とも戦っているんだと感じ、胸が熱くなった。

    • 左胸には、私の守らなければならないものを守るためのナイフは、強い意志のことかなと思った。

  • 真司がいじめにあっているのか確かめるところ

    • 両親の言葉に芝居をして応える真司と、そのことに気づく両親。妻がもういいから。と無理に笑ってみせるところが目に見えるようで苦しくなった。

    • なにげない仕草で気づくのは家族だからこそ、と思うが、つらさもぐぐっと押し寄せてきただろうと思った。

  • いじめ

    • 今、世の中にはいじめがたくさん存在している。ニュースでも殺しとか事件になるいじめも見るけれど、私のまわりにもあるかも、と思う。

    • いじめをやる人は軽い気持ちが多いようだが、いじめられう側はそんなふうにはいかない。キズは深く治りにくい。

    • 『ナイフ』はいじめられる側の父親が話をする形だった。これを読んで家族の苦しみや悔しさがとても伝わってきた。

    • いじめがなくなるのはむずかしいのかも知れない。でも、やっぱりなくなることを望む。だれも生きることに絶望するような悲しみや苦しみには、決して出会わないように。

  • ヨッちゃん

    • 友達とはちがうけど、自分のあこがれのような存在で、遠い国ではたらいているヨッちゃんが話の中で何度もでてくるが、これは父も真司もヨッちゃんも、場所も相手もちがうけど、戦いながら生きている人という意味で、登場したのかなと思う。

    • 父親はヨッちゃんのことを考えていると、よくみぞおちが軋む。戦闘状態である所にいるヨッちゃんは死というものが身近にあるのだと感じているからかなあと思った。

    • 「背中の肌が毛羽だつ絨毯のようにうごめいていた」というのはむずむずした感じがして居心地が悪い気がした。

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