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記憶力がいい人は意味づけして覚えている

こんにちはSt.Mと申します。僕は塾に通ったこともなければ、Z会などの添削も受けたこともないままに、京都大学に現役合格しました。ちょっと自慢げに聞こえますが、精神的に病んでドロップアウトからの再チャレンジ中なので、学歴に見合うほどの能力はありません(笑)。ただ、学問は身を助けるというか、学力があったからこそ再チャレンジができたな~と実感しています。今回は知識を効率的に記憶していく方法について思うところを書きたいと思います。

理由付けすると覚えやすい

仕事のマニュアル・手順書などを覚える時をイメージしてみてください。マニュアル通りにすると確かに仕事はできますが、一つ一つの手順に込められた意味を覚えると覚えやすくなることってありませんか?仕事の指示でも、○○をやれ!と言われるよりも、その仕事をやる意味であったり、背景などを教えてもらった方が、応用ができるようになりますよね。
 僕はスーパーで働いているのですが、○○を品出しして!と指示するだけではなくて「○○は次からの売り込み商品」という背景(説明)を加えると、目立つ場所に出そう、売場を組み替えて大きく展開しよう、、といった風に考えることができます。「月末にたくさん入荷する商品は次の月の売り込み商品だから、売場を組み替えて大きく展開する必要があります」と説明しておくと、指示をしなくても部下は自分で考えて品出しをしてくれるようになるかもしれません。
 このように仕事の背景や意味を伝えることで、部下は仕事を覚えやすくなります。マニュアルに関しても、この手順は事故を防ぐためにあります、後々の手順を楽にするためにあります、、といった意味が分かると覚えやすくなります。

 歴史の勉強をする場合でも人名、歴史事件の名前などの羅列を覚えるのではなく、それぞれの背景や意味を考える習慣をつけると覚えやすくなります。例えば「南北朝時代」でお話しすると、、、

「朝」=「朝廷」って何?
 日本では古来より天皇が国のトップ。幕府というのは、天皇から征夷大将軍に任命された人が、国を治めることを代行しているという形式だったのです。その天皇が政治をする場所が朝廷です。
「南北」って何?
室町幕府(足利尊氏)が天皇を立てて、京都()に朝廷を置く
対立する後醍醐天皇が奈良()に朝廷をおく
→国のトップ(天皇)が2人いる異常事態!

といった背景を頭に入れておくと、南朝・北朝側に誰が味方したのかなどを覚えやすくなります。単なる人名の羅列ではなくて覚える優先順位が低い人物名も分かってきます。
 こうした背景などを分かりやすく解説した記事はインターネットで検索したら簡単に見つかります。教科書や参考書などの要約されたものだけで勉強するのではなくて、こうした一見「寄り道」に見えることが成績を上げる近道になります。

共通項を一括りにする(一般化)

例えば3つのマニュアルを覚える場合に、1個のマニュアルに付き10の手順があった場合には丸覚えするとなると30の手順を覚えなくてはなりません。ですが3つのマニュアルそれぞれ10の手順のうち7が共通している内容であることに気づいた場合は、実質「7+3+3+3=16」の手順を覚えればいいので、暗記することでかかる脳での負荷が半分になります(パソコンのハードディスクみたいなイメージ)。実は記憶力がいい人というのは、この共通部分を大きく持っている人なのです。自分の持っている知識を一般化し、新しいマニュアルを覚えようとする時でも、新規で覚える必要があるのは10のうち1つだけ、、9は自分の中で一般化した公式を使う感じです。後ほど具体例を挙げますが、知識を一般化するためには先ほど述べた「意味づけ」「理由」を考えることが必要なのです。
 非常に難解ですが、以下の記事を紹介します。メタ思考・抽象化・一般化などについて解説されています。

例1)バスケットボールのフェイント

バスケットボールやサッカーなどでは、シュートを打つふりをしてドリブルしたり、右に行くふりをして左に行くなどしてディフェンダーをかわすフェイントがありますよね。どちらか一方の経験がある人ならば、競技が違っても「何かをするふりをしてディフェンダーをかわす」部分は共通しているので、バスケットをやっている人がサッカーをする時に最初からフェイントが上手にできたりします。「フェイント」という一般化したものを覚えてしまえば、やったことのない競技も上達していることになります。記憶力がいい人というのは、サッカーを練習していてバスケットボールも上達するように、英語を勉強していて国語の成績が上がるといったことが起きます。「一般化した公式」をストックしていくので、勉強すればするほど共通項でくくれることが増えていき、新しいことを覚える負担が減っていきます。

例2)英単語

TOEICは700点程度しか取れていないのであまりエラそうなことは言えないのですが、英語を勉強する場合、語源や接頭語・接尾語に分解して覚える方法があります。例えばunfortunately(不幸なことに)について説明すると、
un:頭につけると否定の意味になる
fortun(e):幸運
ate:後ろにつけると形容詞になる
ly:形容詞の後ろにつけると副詞になる
と分解されます。日本語に訳すと
un(不)fortun(幸)ate(な)ly(ことに)という感じですね。
実際に英語を聞く時にはunと聞いた時点で後ろの言葉の否定、意味の核心を持つのがfortunになり、その後ろはおまけで日常会話では明確に聞き取れるほどはっきり発音されない部分になります。このように核心となるfortuneだけ覚えれば、fortunate, fortunately, unfortune, unfortunate, unfortunatelyを一括で覚えられます。

https://foreignlang.ecc.co.jp/know/k00124d/

https://foreignlang.ecc.co.jp/know/k00126d/

例3)食事

一般化する例を食事について挙げてみます。
「暑い時には塩辛いものがおいしい」
「勉強すると甘いものが欲しくなる」
「運動部の人は肉をよく食べる」
という食事に関する別々の知識のように思うかもしれませんが、それぞれの知識は「体内に不足している栄養素を食べるとおいしく感じる」という共通項でくくれます。この共通項にプラスして「汗をかくと塩分が失われる」という知識をプラスして「暑い時には塩辛いものがおいしい」になりますし、「頭を使うと脳が糖分を消費する」という知識をプラスすると「勉強すると甘いものが欲しくなる」になりますし、「激しい運動や筋トレをすると筋肉が壊れるので修復するためにタンパク質が必要」という知識を加えると「運動部の人は肉をよく食べる」となります。
 このように一般化した「法則」を増やして、法則と法則を掛け合わせることで知識を爆発的に増やしていくことができるようになります。法則化して幹となる部分を覚えると知識は忘れにくくなる上に掛け算で増えていきます。知識を丸覚えしようとするのは、葉っぱを一枚一枚数えていくようなもので効率的ではありません。覚えるべきはその木が何なのかを知ることです。一朝一夕ではいきませんが、理由を考える習慣をつけるだけで成長速度が劇的に上がります。

「なぜ?」でひとくくりにする

先ほどの食事の例のように、「体内に不足している栄養素を食べるとおいしく感じる」というのも、なぜ?を問うと生物が生きるための本能と言えると思います。
 東洋医学などで体を冷やす食べ物・温める食べ物というのを聞いたことがあるのではないでしょうか?一般的に南国などの暖かい地方で獲れる食べ物は体を冷やすものが多く、寒い地方で獲れるものは体を温めるものが多いです。つまりは、南国では暑いので体を冷やす食べ物のほうがおいしいと感じるので、植物が実などを動物に食べてもらって種を運んでもらうために、そのように進化したのではないか?という風に仮説を立ててひとくくりにして覚えてしまうのです。こうなると何かの食べ物の名前を聞いただけで、それが体を冷やす食べ物か温める食べ物かを推測できるようになります。決してどの食べ物が体を温める食べ物かなどを覚えていたりはしません。スーパーで買い物する時に産地がどこなのかだけでおおよそ判断できるようになります。このように既存の一般化した公式に少し知識を足すだけで新しい知識が一度に覚えられるようになります。記憶力がいい人は丸覚えしているのではなく、このような公式を自分の中にたくさん持っていてそれをかけ算する形で知識を記憶しています。また新しいアイデアに触れた時に今まで蓄積した公式(知識)と組み合わせて今までにないアイデアを生み出したりできるのです。当然、この能力は仕事にも生きます。

映像とセットで覚える

英単語などを単語帳を作って勉強する人もいますが、文字の羅列だけでは記憶の定着率が低いです。たとえば「萌黄色=yellowish-green」と文字だけで覚えるのは無理ですよね(実際に色を見ると黄色ではなくて緑だということが分かります)。今はインターネットで検索すれば画像や動画がすぐに出てきます。漫画・映画・ドラマ・YouTube・ネット記事などに触れると勉強につながります。一見面倒くさそうですが、覚えては忘れを繰り返すよりも1回で強く覚えてしまった方が結果的に短時間で済みます。こうした一見「寄り道」に見えることが成績を上げる近道になります。教科書を読んでも理解できないなら、分かりやすく解説してくれたもので勉強した方がいいです。

まとめ

ものごとを効率よく覚えていくためには
①「なぜ?」を考える習慣をつける
②同じ「なぜ?」でくくって知識を一般化する
③新しく触れた知識を一般化した公式の掛け合わせに落とし込む
ことです。これにより今まで経験したことがないような場面であったり問題に出会ったとしても、自分の持っている公式を拡大解釈することでアドリブで対処できるようになります。

また、
④文字だけでなく映像でも覚える(映画・ドラマ・YouTube)
⑤インターネットなどで検索してわかりやすく解説した記事を探す
こうした一見回り道のようなことが結果的に近道になります。
とはいえ、僕の時代はインターネットが始まった頃ですので④⑤はできていませんでしたね。ただ、ゲームや漫画に出てくる英語(必殺技や地名の名前など)で英単語をだいぶ覚えました(笑)。今ではスタディサプリなどの有料動画サービスもあるので選択肢に入れてもいいと思います。ただし、受験生の場合は、自宅で勉強するだけでなくて成績アップのためというよりも受験情報をもらうために塾も利用した方がいいと思います。僕は塾なしでしたが、今の時代では塾は利用した方がいいです。成績が良ければ特待生として無料で利用できたりします。大手塾が開催している模試で好成績を収めると無料で講義を受けませんか?という案内が来ます。頑張れば必要なお金は減らせますので、金銭的に裕福でない人も頑張ってほしいです。今回はここまで、ではまた!


お金はご自身やご家族のためにお使いください。みなさまに幸せの訪れを願っています。