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営業は買い手にとっての武器屋になれ。


営業指導の場面でよく見かけるやりとり

マネージャーがメンバーに対して営業指導をする中で
『ヒアリングが最も大事だ』とか
『機能の説明ではなく顧客の課題のフォーカスしろ』とか
『お客様のベネフィットについて話せ』とか
そんな声をかけているシーンをよく見かけます。

担当者としては頭ではわかりつつも
結局のところなぜそれが必要なのかということを理解できておらず
いつも通り営業の場では製品の機能中心に提案ベースのいわゆる“プロダクト営業”に走り、その結果モノは売れません。

何事においても”なぜそれが必要なのか”という確たる理由を理解できていないと人間は実行まで移すことができないものです。

なぜそれらが重要なのか

ということで改めて
冒頭のマネージャーの指導のように我々営業はなぜ
『顧客の課題』に向き合い『製品の機能ではなく顧客のベネフィットにフォーカス』して『ヒアリングを中心に』営業をしなければいけないのか
について考えてみました。そしてその結果以下のような結論に至りました。

”それは買い手が社内で稟議を通す際に同じことをしないといけないから”

この一文だけを読んで理解できたという方は、おそらくこれまでなんらか稟議等の社内決裁を自身の力で通したことのある人、もしくは通すプロセスに関わったことがある人でしょう。

斯くいう私も前職ではいわゆる管理部門にいたことから営業マンから日々上がってくる稟議を捌きまくっており(正確には自分が営業マンのために作った稟議を上司に捌かれまくっておりましたが

稟議書に書いてある内容をもとに
費用対効果を検討し、リスクを検討し、利用の意義を検討し

それはそれはあらゆるものを検討し、上司を突破したと思ったら財務に行ったり、法務に行ったり、そして最終的には決裁者である役員のとこへいき、あらゆる人からあらゆる意見をいただきながら、全ての検討事項がクリアになってやっとこさ稟議を通すことができておりました。

もちろん会社の規模や商慣習によって稟議の通りやすさやリスクに対する考え方というのはさまざまだということは重々承知しております

しかしながらなんの権限も持たない一担当者が『これがやりたいです』といって企画を持ち込み、二つ返事でOKを出してくれるほど会社は甘くないです。

担当者の上司は責任を取る立場として当然ながら目の前に立ちはだかります。

社内では何が起きているのか

その中で担当者は上司からこんな質問をされることでしょう。
『どんな課題を解決したくてこれがやりたいの?』
『これをやることでうちにどんなメリットがあるの?』
『なぜ数あるサービスのうちのこれなの?』
『それは今うちが導入しているものでは賄えないの?それはどうして?』
などなど

このような質問を受ける中で
営業から製品の説明だけを懇切丁寧に受けた純粋無垢な担当者はこう思うでしょう

あ〜、めんどくせぇ。』と

そうしためんどくささが徐々に積み上がった結果、当初自社のサービスがいいと思ってくれていた担当者は『もしかしたら別に既存のサービス使ってればいいのでは?』という気持ちになっていき、気づいたころには失注してます。

さてそろそろお気づきかもしれませんが我々営業マンは
そんな担当者における社内の敵(言い過ぎ)である上司と戦うために

自社の製品を買う理由&ストーリーを一緒に作ってあげる必要があるのです。

担当者のためを思ってヒアリングをする

そのために営業は担当者の側に立ち、共にその企業が抱える課題の整理し、根本原因を洗い出し、解決の方向性を模索し、そしてその結果、自社製品が解決策としてはベストであるということを担当者と合意しなければいけません

ベクトルを担当者ではなくその先の上司に向け
担当者に対しては常に全力で寄り添って話を聞く
それをやった結果担当者はこう思うでしょう

『〇〇さんのおかげで今自社が抱えている課題とそこに対してやるべきことがわかりました。それをするために御社の製品を導入できるように上司を説得してきます』と

営業=武器屋

さて、ここまでくれば冒頭のマネージャーが言っていた言葉の真意も理解できてくるのではないでしょうか
『ヒアリングが最も大事だ』=現状についての整理
『機能の説明ではなく顧客の課題のフォーカスしろ』=解決すべき課題
『お客様のベネフィットについて話せ』=これを使ったことによる影響

これらは全て担当者が結果的に稟議書に自ら書かないといけない情報です

つまり我々営業は担当者(買い手)のことを考え、共に上司という敵(言い過ぎ)と役員というラスボス(言い過ぎ②)を倒すために
稟議書という武器(?)の作成をお手伝いをする武器屋(??)にならないといけないのです

だからこそ

『顧客の課題』に向き合い『製品の機能ではなく顧客のベネフィットにフォーカス』して『ヒアリングを中心に』営業をしなければいけません

売り手が製品の機能ゴリ押しで売る時代はもう終わりました。
これからは、いやこれまでもずっと、買い手の側に立てる営業マンが成果を上げ続けます。

売りたいのであれば、稟議書を通したいのであれば
まずは買い手の気持ちをイメージしてみてはいかがでしょうか

ではまた

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